富山市水橋地区にある慢性期病院の野村病院は、内科医でもある野村祐介理事長自らが先導し、２０１２年から様々な病院改革を進めています。

　「やりたい医療ではなく、求められる医療」

　旧態依然の医療は終焉を迎え、地域から必要とされない特徴のない病院は淘汰される時代になる。

　医療を取り巻く環境や病院の将来ビジョンについて、スタッフと共通認識をもつため月例集会を開始したほか、地域基幹病院との連携強化や接遇改善に取り組んできました。

　看護部を中心に病院が変わり始め、新しいことを受け入れやすくなったという手応えを実感した野村理事長は、２０２１年から次なる病院改革に移行します。

　「医療従事者からも選ばれるために」

　まず慢性期病院のイメージを変えようと、SNSやYouTubeでの情報発信、講演会活動など病院ブランディングに取り組みました。

　３月６日に開催されたオンラインセミナーでは、病院改革をどのように進めてきたのか、具体的な事例を踏まえて講演しました。　

　慢性期病院でも専門性の高いスキルを活かせる体制をつくろうと、医師と看護師だけでなく、放射線技師や歯科衛生士、管理栄養士、薬剤師、理学療法士など多職種のチーム医療を多数実践しています。

　また働きやすい病院づくりにも取り組み、最新の医療機器やICTを活用した見守り支援システムなどを導入し、スタッフの業務負担を軽減しました。

　食物繊維の配合を高めた流動食の新製品も採用し、スタッフの業務負担だけでなく、患者満足度の向上にもつながったと評価しています。

　さらに、環境や社会へ配慮したESG経営にも取り組み、カーボンニュートラルやフードロス削減、女性活躍も推進してきました。

　こうした病院改革によって、医療と介護の質が向上し、他病院から紹介される患者は、富山医療圏を中心に高岡医療圏や新潟県など広域から集まるようになり、病棟稼働率も９０％以上で推移するようになったといいます。

　また、モチベーションの高いスタッフが集まるようになり、面接希望者は前年に比べて１．５倍、離職率は前年に比べて１．７％減り、スタッフはほぼ充足しており、平均残業時間が２分とほぼ残業のない医療現場を実現しています。

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」（チャールズ・ダーウィン）

　この言葉を全スタッフで共有する野村病院の改革は、時代の変化とともにこれからも続くのでしょう。

【お問合せ】

医療法人社団尽誠会 野村病院

富山市水橋辻ケ堂４６６－１

Tel:０７６－４７８－０４１８

※本情報は発信元のプレスリリース等を参考にして掲載しております。