【子宮頸がん】4段階の治療法とは?HPVワクチンと副反応は?婦人科腫瘍センター長が解説【いっちゃん☆メディコ】
11月は子宮頸がん予防啓発月間です。
子宮頸がんの治療法とワクチンについて、富山大学附属病院 婦人科腫瘍センター センター長 中島彰俊医師に聞きました。
(2025年11月17日放送。情報はすべて放送時のものです)
中島医師
「前がん状態っていう状態で見つかった場合は、がんにはなっていないということなんです。(子宮の)表面のですね、1ミリぐらいのところに、上皮っていうとこに悪い細胞がいるので、子宮の出口を、そぎ取るみたいな、円錐切除っていうのがあるんですけども、それで表面のところを取ってしまえば、基本的には治る病気です」
治療は大きく分けて4段階
子宮頸がんの治療には、大きく分けて4つの段階があると言います。
1. 円錐切除術
中島医師
「前がん病変の段階で病気がわかればですね、子宮の出口を円錐切除という方法で切除することで、がんになる前に治療することができるという円錐切除術というのはあります」
2. 広汎子宮全摘出
中島医師
「一方で、目で見えるほどの大きながんになってきた場合っていうのは、広汎子宮全摘術と言って、子宮を広く切除するっていうことと、リンパ節っていうとこに病気が飛びやすいので、リンパ節っていうのも切除するということになります」
3. 放射線治療
中島医師
「もっと進んでくると、手術の適用がないというふうになるんですが、治療としてはですね、放射線治療というのが今あります。子宮が残っている方の場合は、外から当てる外照射というものと、(子宮の)中というか、膣からですね、特殊な機械を入れまして、サンドイッチのように、がんを外と中から治療するっていうやり方で、放射線治療というのが次の段階になってきます」
4. 抗がん剤治療
中島医師
「全身に広がってくると、放射線だけではやっぱり治療できなくなってくるということになりまして、その場合は抗がん剤治療、さらにですね、そこに分子標的薬っていうものも、加えることになって、4段階ぐらいに分かれているというのが、子宮頸がんの治療になります」
免疫療法
そのほか、患者自身の免疫力を活性化・増殖させて、がんを治療する「免疫療法」などがあり、治療法を組み合わせることで、より大きな効果が期待できるといいます。
治療法の組み合わせ
中島医師
「放射線治療に抗がん剤を入れて免疫療法もするとかですね。抗がん剤メインの治療に分子標的薬、免疫療法を入れるとかですね。1つだけで治療するっていうよりは、複合的に治療することで、子宮頸がんの患者さんを治療していくっていうのが今のやり方ということになります」
HPVワクチンで予防
そうした「子宮頸がん」を予防するために、効果が高いとされているのが「HPVワクチン」です。
中島医師
「若い時に、(HPVに)感染する方が子宮頸がんのウイルスは残りやすいというふうに言われているんですが、一方で子宮頸がんのワクチンは、若い時に打つ方が、がんになる予防効果が高いということが知られています。16歳未満で打つと、子宮頸がんになる人が80から90パーセント減ったというデータがありますので、そういう意味では、若いうちに打ってしまうっていうのが非常に効果が高いですし、やはりワクチンはがんを抑制する効果があるということが知られています」
ワクチンの副反応は?
一方で、ワクチン接種による副反応を心配している人もいるかも知れません。
中島医師
「全くゼロとは言えないとは思うんですが、以前言われているような持続するずっと痛みがあるとか、特別そのワクチンによって起こりやすいっていうことは、あまり今は言われていません。
痛みとかが出る方もいらっしゃるんですが、ある一定のところで良くなる方もいるということも分かっています。副反応の確率とあとはがんを予防できる効果をしっかりと見定めた上で、最終的には自分で打つかどうかっていうのを決めていただくのがワクチンの大事なところです」
検診で早期発見、早期治療を
子宮頸がんには検診があります。
中島医師
「検診がないものはですね、正直言うと怖がりようがないっていうか、病院に来てもらってから一生懸命頑張って治しましょうっていう感じのものが卵巣がんなんですね。
一方で、子宮頸がんは、ワクチンによる予防、検診による早期発見、早期発見すればがんになる前での治療、治療してからも様々な方法がありますので、若い世代に関しては、ワクチンを打つかどうか、なりうる年代の方であれば、しっかり検診を受けるっていうことですね。どういう風なことをしたらいいのかなっていうことを考えていただくきっかけになっていただけたら嬉しいです」
日本でのHPVワクチンの接種率は、国が接種を勧める「積極的勧奨」を一時中止していたこともあり、他の国に比べると低いため、中島医師は、ワクチンや検診など子宮頸がんについてもっと知ってもらうことが大切だと話していました。