患者数が過去最多【百日せき】赤ちゃんの感染は命の危険に 増加の背景・予防法を医師が解説【いっちゃん☆メディコ】
患者数が過去最多となっている「百日せき」。
増加している背景や予防について、富山大学附属病院 感染症科准教授の長岡健太郎医師に聞きました。
(2025年6月9日放送。情報はすべて放送時のものです)
長岡医師
「百日せきはですね、最大の流行を迎えていると言われています。富山県内でもですね、ここ数年で一番感染者が多く報告されています」
年間の感染者数は、先週までに277人と全数把握疾患に分類されて以降
もっとも多かった2019年を超え、過去最多となっています。
長岡医師
「長い間咳が出るというところが特徴で、長い場合はですね、100日に及ぶ非常に長く辛い苦しい咳が続くという特徴があります」
「百日せき」は、百日咳菌の感染によって苦しい咳が2~3か月ほど続き、乳幼児が感染した場合、肺炎や脳症を合併し、命にかかわることもあります。
長岡医師
「命には別状がないことがほとんどです。ただ、気をつけなければいけないのが、生後3か月以内の赤ちゃんが感染してしまうと、命にかかわります」
県内では今年の春以降、患者数の増加傾向が続いていて、先月には一週間の感染者数が40人を超えた週もありました。感染者の内訳をみてみると
5歳から14歳までの年代で全体の9割近くを占めています。
長岡医師
「その年代が多い理由なんですけれども、生後2ヶ月で混合ワクチンを受けて、百日せきに対する免疫ができます。しばらくは百日せきにならないんですけれども、大体4~12年でワクチンの効果が切れてきて、その時期にですね、感染が起きやすくなるということで、学童期に百日せきの感染者が集中してるということになります」
主な感染経路は「飛沫」と「接触」
「百日せき」の主な感染経路は、飛沫と接触による感染です。
感染力は強いのでしょうか?
また、ここまで広がったのはどうしてでしょうか?
長岡医師
「コロナやインフルよりも感染力は落ちるとされますが、感染時期が特定しづらいという点では、感染対策が難しい病原体ではあります。感染時期はですね、1週間、2週間に渡るんですけれども、咳が出る前に感染してしまうという点が厄介です。なので、いつ百日せきになったのかっていう時期がですね、特定しづらいというところに感染予防が難しい点があります」
流行はいつまで?
「百日せき」の流行はいつまで続くのでしょうか。
長岡医師
「おそらく1年前後で流行は少し落ち着いてくるのではないかなと。他の感染症の傾向と合わせてもそのように予想できますが、ゆっくり広がってくる感染ではあるので、しばらく続く可能性も懸念されるかと思います」
予防には「マスク」と「手洗い」が有効
「百日せき」の予防にはマスクと手洗いが有効です。
長岡医師
「怪しい症状があった場合はなるべく家の中でもマスクをしてください。100パーセントマスクをし続けることは難しいと思うんですけれども、長い間マスクをすればするほどですね、周囲にうつすと、ご家族にうつす可能性は低くなりますのでぜひ、実践していただければと思います」
流行状況に敏感になることも大事
うつらない、うつさないためには、流行の状況に敏感になることも大事です。
長岡医師
「主に学校で多いんじゃないかなと思いますが、周囲に百日せきと診断された子が発生したと、そういった場合は、その周辺で流行っている咳あるいは風邪の症状は百日せきによる可能性が高くなりますので、その場合はですね、予防を開始すると、このように考えていただければと思います」
「百日せき」は、乳幼児以外では命にかかわるケースは少ないということですが、長く続く苦しい咳は生活の質を下げます。感染拡大を防ぐためにも、マスクの着用と手洗いを心掛けてほしいと、長岡医師は話します。