見逃さないで、子どもの心のSOSサイン【いっちゃん☆メディコ】
夏休み明けに増えると言われる、子どもの自殺。子どもの心のSOSサインにはどのようなものがあるのでしょうか。
見逃したくはないSOSサインの特徴や対処について、真生会富山病院 心療内科部長の明橋大二(あけはし だいじ)医師に聞きました。
(2024年9月9日放送。情報はすべて放送時のものです)
心のSOSは体と行動に現れる
明橋医師
「子どもはなかなか言葉で自分の気持ちを表現するのが難しいので、やはりどういう形で(SOSサインを)出すかというと、体の症状と行動上の症状なんですね」
子どものSOSサインには、体の症状と行動上の症状の2つがあるといいます。
このうち「体の症状」とは何でしょうか。
明橋医師
「体の症状というのは、たとえばおなかが痛いとか頭が痛いとか。食欲が落ちるとか、眠れないといった体の症状が、8月の終わりからだんだんひどくなってきたということだと、なにか2学期が近くなることでつらい思いを抱えているんじゃないかと疑うことができます」
では、「行動上の症状」とはどんな症状でしょうか。
明橋医師
「外に出ようとしないとか、暗い表情をしているとかいったこともありますし、逆に、ハイテンションとか、なにか身辺整理をするように自分の大事にしていたものを弟にあげるとか…今まで大事にしていたものを人にあげるとか、片づけちゃったということもサインになるといわれていますね」
子どものサインに気づいたとき、どうしたらいい?
子どもの心のSOSサインに気がついたとき、親はどうしたらいいのでしょうか。
明橋医師
「まず普段と違う様子が見られたら、『なにか心配なことあるの?』とか『気がかりなことあるの?』とか、そういうふうに声をかけることだと思います」
声をかけても、子どもはなかなか言おうとしないかもしれません。それでも繰り返し声をかけることが大事です。
明橋医師
「言い出した時に、『それ、どういうこと? 聞かせて』というふうにしっかりと話を聞くということだと思います。それで、もし学校に行きたくないという話が出たら、『そういうことを言わずに行きなさい』とは言わずに、どうしてそういうふうに思うのか、なにかつらいことがあるのかということを聞いてほしいと思いますね」
「学校に行きたくない」はわがままではない
子どもが「学校に行きたくない」と言う。これは甘えやわがままでしょうか。
明橋医師
「わたしは決してそうは思わないですね。私の心療内科に来る子どもで、本当に単なる怠けで学校に行かない子は見たことがないです。子どもだって学校行かなきゃならない、行きたいという気持ちは持っているわけで、行けないということはよくよくの理由があるんだ、と。単なる怠けやサボりじゃないんだとことを、ぜひ知ってもらいたいと思いますね」
本当に危険に瀕したときに現れる「凍り付き反応」
「あした学校に行く」と言っていたはずなのに、朝になると布団から出てこない。
このような行動も、最近では医学的に説明できるようになったそうです。
明橋医師
「人間が本当に危険に瀕したときに取りうる行動には2通りあると言われています。1つは、逃げるか戦うかという行動です。しかし、最近もう1つの防衛反応があると言われています。それは『凍り付き反応』と言うんですね。体が動かなくなる。で、自分の意志ではどうにもならない。この凍り付き反応からの回復には長い時間がかかると言われています。それは実は不登校の状態とまったく一緒なんですよ」
では、「凍り付き反応」を解除するにはどうしたらいいのでしょうか。
明橋医師
「安心安全な環境とか、あるいは家族の優しい声とか、食事をするとか、そういうことだと言われています。要するに学校に行けなくても責めないで、和やかな形で食事をしたりする、と。そういうことを繰り返していくことによって回復してくると言われています」
不登校は防衛反応のひとつだと、医学的に説明できるようになってきています。怠けているわけでも甘えているわけでもありませんので、責めずに理解するようにしてください。