学校は大事だけど…親にも相談できない子どもたちのSOS【いっちゃん☆メディコ】
夏休み明けは、子どもの自殺が増えると言われています。子どものSOSに親や周りの大人が気づけるように、その背景や対処について知っておくことは重要です。
いま子供たちに何が起きているのか、真生会富山病院 心療内科部長の明橋大二(あけはし だいじ)医師に聞きました。
(2024年9月2日放送。情報はすべて放送時のものです)
子どもたちから命にかかわる相談が増加
明橋医師
「『自分は生きている価値はない』『死にたい』というような、命にかかわる相談が増えているということも聞きます。自殺願望を持っている子供たちが増えているという状況だと思うんですよね」
近年の小・中学生、高校生の自殺者数の推移です。
2023年は、これまでで最多となった2022年よりも1人減って513人でしたが、高止まりしている状況は変わっていません。
今の子どもたちに何が起きているのでしょうか。
明橋医師
「親にも自分の悩みを言えない子どもが増えています。手首を切って保健室に駆け込んできたり、保健室に連れてこられたりする子供たちがいるんですけども、そういう子どもたちは一様に『親には言わないでくれ』って言うんです。なかなか自分の悩みを誰にも言えない、親にも言えない、自分の中で抱え込んでいる、そういう子が増えているんじゃないかと思いますね」
なぜ悩みを誰にも相談できないの?
親に悩みを言えないのはどうしてでしょうか。
明橋医師
「子供も親も忙しいと言いますか、やはり昔に比べて一緒に過ごす時間がだいぶん減っているんじゃないかと思います。なかなかゆっくり話を聞く時間がない。それは決して親のせいというわけじゃなくて、社会自体が家族にとってゆっくり話ができる、そういう時代じゃなくなっているということが大きいんじゃないかと思いますね」
親のほうも余裕がなくなることで子どもたちが悩みを抱え込み、自殺を考えるケースがあります。
明橋医師
「親がしょっちゅう喧嘩ばかりしていると、そういう中で子どもの居場所がなくなってしまいます。自分が学校でいじめられていても、そういうことを家で言えないんですね。それで、抱え込んでしまう。あと、親が厳しくて、しょっちゅう叱られるとか体罰を受けるとか、そういうことで小学生が『生きていたくない』と言っていたりする事例もあります」
悩みを抱え込みやすい子どもの特徴は?
悩みを親に打ち明けられず、抱え込んでしまう子どもには、どんな子が多いのでしょうか。
明橋医師
「繊細なところがあって、親がつらい思いをしているときに『自分がこれ以上心配をかけちゃいけない』と、親の気持ちをすごく考えてしまう子どもが結構いると思います。優しい子が多くて、そのために抱え込んでしまう子が多いと思いますね」
「学校に行きたくない」と言われたら…
これからの時期、突然子どもが「学校に行きたくない」と言ったら、戸惑わない親はいません。
明橋医師
「学校が始まるこの時期、学校に行くのがつらくて死にたくなるという子が多いわけですけども…もちろん学校は大事な場所です。けど、休んだとしてもいくらでも取り返しはつくし、やはり死んでしまったら取り返しはつかないので。なにより大事なのは命ということをね、みんなで心に留めたいと思いますね」
明橋医師は、不登校について否定的にとらえるのではなく、「死ななくて済んだ命」と考えてほしいと話しています。