要警戒!初期は無症状のすい臓がん。早期発見できる?【いっちゃん☆メディコ】
早期のすい臓がんはほとんど無症状で、症状が出るころにはがんが進行しているケースが多いと言われます。無症状のうちにすい臓がんを発見することはできないのでしょうか。
富山大学附属病院 第3内科教授の安田一朗(やすだ いちろう)医師に聞きました。
(2024年7月8日放送。情報はすべて放送時のものです)
すい臓がんを見つけるための検査とは?
安田医師
「すい臓というのは胃の後ろにある臓器です。超音波でも(がんが)非常に見つかりにくい」
すい臓がんは、発見されたときの大きさによって5年生存率が大きく変わります。早期発見が重要で、5年生存率が約50%とされる2cm以下ならCTやMRIによる検査で、より生存率が高くなる1cm以下のものは超音波内視鏡で見つけることができます。
安田医師
「すい臓は胃のすぐ後ろにありますから、超音波内視鏡を使えば胃の壁1枚、あるいは十二指腸の壁1枚を通してすい臓を観察することができます。なので、1cm以下の小さなすい臓がんでも見つけることができます」
定期的な検査を受けるのは難しい…すい臓がんを早期発見するには?
しかし、CTやMRIによる検査、超音波内視鏡を用いた検査を定期的に受けるのは現実的とは言えないかもしれません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
安田医師
「早い段階で見つけるには、スクリーニング検査が大切になります。『もしかするとすい臓がんがあるんじゃないか?』という集団を、まず拾い上げないといけないですね。そのために一般的に行われているのは、血液検査と腹部超音波検査です」
<スクリーニング検査とは>
がんの疑いがある人を拾い上げ、精密検査することで、すい臓がんを早期発見しようというものです。
安田医師
「すい臓がんの時に数値が上がる血液検査があります。例えば『すい酵素』。すい臓がんは、すい管から出てくるがんなので、すい管が早い時期にも閉塞してくると、炎症が起きます。そうすると、すい臓の酵素が上がってくる。あるいは、すい臓がんの時に上昇してくる『腫瘍マーカー』を測定することになります」
スクリーニング検査には、腹部超音波検査もあります。
安田医師
「がんができると、上流のすい管から拡張して太くなります。あるいはのう胞、水が溜まった袋ですね。そういったものを見つけて、精密検査に回すことによって、小さなすい臓がんが見つかってくることがあります」
安田医師
「一般的な健康診断や人間ドックでも、すい管の拡張やすいのう胞が見つかる頻度は高い。そういった患者さんが実際に我々のところに精密検査が必要だということでやってこられます」
すい管拡張や、すいのう胞が見つかると「すい臓がん」なの?
安井医師
「そんなことはないです。むしろ、ほとんどの方はすい臓がんではないです。確率で言うと1%以下ぐらいの方にすい臓がんが見つかってきます」
すい臓がんは早期に見つけることが難しいがんですが、健康診断や人間ドックの検査によってがんの疑いを拾い上げることができるかもしれません。
安田医師
「実際にすい臓がんは最近増えています。もし健診を受けることがあれば、ぜひ腹部超音波を受けていただきたいと思います。あとは近親者にすい臓がんの方が2人以上いる、以前すい管が太いとかのう胞があると言われた方、糖尿病の方などはリスクが高いので、少なくとも年に1回は腹部超音波検査や血液検査を受けてほしい」
すい臓がんが心配な人は、健康診断や人間ドックで血液検査や腹部超音波検査を少なくとも年に1回は受けるようにしてください。