要警戒!“がんの中でもタチが悪い”…すい臓がんの現状【いっちゃん☆メディコ】
発見された時には治療が難しいケースが多く、がんの中でもタチが悪いと言われる「すい臓がん」。
その現状について、富山大学附属病院 第3内科教授の安田一朗(やすだ いちろう)医師に聞きました。
(2024年7月1日放送。情報はすべて放送時のものです)
すい臓がんの現状は
安田医師
「すい臓がんで亡くなる方は、近年ものすごく増えてると思います。年間約3万8000人の方が亡くなっています」
すい臓は、胃の後ろにある20cmほどの細長い形をした臓器で、血糖値を下げるホルモンを作ります。
がんで亡くなる人のうち、すい臓がんによる死亡数は男性で4位、女性で3位となっています。
「5年生存率」が低いすい臓がん
安田医師
「その病気と診断されてから5年間、どのぐらいの患者さんが生きることができるかという数値を5年生存率と言いますが、すい臓がんの場合は、わずか8%。胃がんや大腸がんは約70%です。それに比べると、すい臓がんはものすごく回復が悪い、タチの悪い病気ということがわかると思います」
どうして「5年生存率」が低いの?
部位別のがんの5年生存率を見ると、大腸や胃、肺に比べてすい臓は低くなっています。どうして低いのでしょうか。
安田医師
「見つかった時点で手術できる方が少ない。だいたい30%ぐらいです」
すい臓がんはその多くがかなり進行した状態で見つかります。
安田医師
「すい臓は、胃の後ろにあって、背中に張りついた臓器です。そういうわけで、胃が痛いとか、背中が痛いという症状で来られる方が多いです。次に多いのが、黄疸。皮膚や目が黄色くなるという症状です。そういう症状が出るのは、もうはるか進行してからなんです」
初期のすい臓がんは ほとんど無症状
どの段階で見つけられるといいの?
安田医師
「わかりやすく大きさでお話すると、例えば2cm以下の大きさで見つかれば5年生存率は約50%。1cm以下で見つかると5年生存率は約80%と言われます」
【5年生存率】
- 2cm以下・・・約50%
- 1cm以下・・・約80%
2cmとは、1円玉の大きさと同じです。
2cm以下、またはその半分の1cm以下の大きさでがんを見つけることはできるのでしょうか。
安田医師
「2cmあれば見つかります。CTでもMRIでも、2cmあれば見つかります。おそらく15mmでも見つけられると思います。ただ、1cmっていうところが境目になってくると思います」
安田医師
「小さいものを見つけるためには超音波内視鏡が有効です。内視鏡、要は胃カメラです。胃カメラの先端に小型の超音波観測装置が付いてます。それによって、胃や十二指腸からすい臓を観察します」
超音波内視鏡は胃の壁を通してすい臓を見ることができるため、1cm程度のすい臓がんの発見に威力を発揮します。
安田医師
「最近はある程度の大きな病院、地域の中心となっている病院であれば、大抵この超音波内視鏡は保有されていると思います」
タチが悪いと言われるが…医学も進歩している
安田医師
「我々もできるだけ早い段階ですい臓がんを見つけようとしていますし、あるいはすい臓がんのより有効な治療を模索しています。今はまだまだ非常に難しい病気ですが、今後10年、20年で、すい臓がんの治療成績はきっと上がってくると思います」