【過活動ぼうこう】トイレが近いと生活の質が低下する恐れも 適切な治療で症状改善へ【いっちゃん☆メディコ】
デリケートな問題でなかなか人には相談しずらいトイレの悩み。
今回は、過活動ぼうこうの検査や治療について、富山大学 腎泌尿器科 准教授の西山直隆(にしやま・なおたか)医師に聞きました。
(2024年3月11日放送。情報はすべて放送時のものです)
西山医師
「高齢になれば、3割以上の方がやはり、頻尿で悩まれてますね。それで病院に受診される方はもっと少ない」
トイレが近いと日中仕事が手につかない、旅行や映画に行けない、夜中に何度も起きて寝不足になるなど不都合なことも多く、それが理由で生活の質が低下するケースもあります。
西山医師
「やはり心の不安定性が出るとか、高齢になると、夜どうしてもトイレに行くと転んで骨折のリスクが高くなるっていうことはありますよね」
女性の場合、頻尿の原因は感染症や膀胱の機能低下、腫瘍や結石などがあります。それ以外として「過活動ぼうこう」が考えられます。
「過活動ぼうこう」は、ぼうこうが過敏になっている状態で、頻繁にトイレに行ったり、寝ていてもトイレで何度も目が覚めることがあります。
過活動ぼうこう 病院ではどんな検査をするの?
病院ではどんな検査をするのでしょうか?
西山医師
「血が混じってないかとか、細菌がいないかとか、どれぐらいの量をしてるかとか、残尿がないかとか、そういうのを調べたりします。特に痛くはないですね。膀胱の残留を見るのはお腹のほうにエコーの機械を当ててすぐに終わります。エコーの検査をしたりするのは5分か10分ぐらいで終わってしまいますね」
泌尿器科では排尿の勢いを調べることがありますが、センサーがついた検査用のトイレを使うので、検査で痛みがあることはありません。
西山医師
「検査自体は特にそんなに時間はかからないので、質問紙に答えていただいたりとか、エコーの検査をしたりとか、大体は女性のスタッフがやってくれて特に痛みもなく、すぐに終わるようなもので安心して来ていただければいいかなと思います」
過活動ぼうこうの治療とは?
過活動ぼうこうの治療は、具体的にどんなものなのでしょうか?
西山医師
「過活動ぼうこうといった、頻尿の症状症候群に対して、特に他に病気がない場合に関しては今、大体は行動療法、まず飲水を抑えてもらうとか、ある程度、膀胱の排尿の時間をちょっと我慢してもらうかとか、そういうようなことも相談させていただいて、それで、排尿の間隔が延びないかっていうのをまず提案させていただくこともあります」
行動療法でも改善しない場合には、薬による治療が行われることもあります。
西山医師
「あまりにも排尿の回数が多い場合にはお薬を飲んでもらってぼうこうの刺激をおさえるような薬なんですけど、それで回数を減らしてもらうこともしています」
薬による治療は長い時間がかかるケースが多いといいます。
西山医師
「基本的には何かを根本的に直すっていうもんじゃなくて、症状を抑えていってる治療なので、患者さんにはちょっと長期間の内服になることは最初にお話しています。1年以上飲み続けてる。飲み始めると、そういう元に戻りたくないという方がいるんで、やはりちょっと長くなるのは確かなんですよね」
人には言いにくいトイレの悩みですが、心当たりがある方は診察を考えてください。
西山医師
「夜中に5回も6回も排尿で起きていて、日中もつらいというような患者さんがいたんですけれども、こちらに来て、飲水の制限とか、あの行動療法をしたりとか、あとお薬を飲むことで、夜間も1回から2回ぐらいの排尿回数になってゆっくり眠るになったと。日中もずっとトイレを我慢せずに行動できるようになって、日中の行動が広がって、とても顔色が良くなった方もいますね」
膀胱の筋肉は鍛えられないので頻尿の予防は難しいそうですが、普段から運動や食事に気を配るようにしてほしいということです。