子供の食物アレルギー 大人になっても治りにくい食べ物は何?【いっちゃん☆メディコ】
富山県内では子どもの食物アレルギーが増加傾向にあります。
子供の食物アレルギーとどうやって向き合っていったらいいのでしょうか?富山赤十字病院小児アレルギーセンターの足立雄一(あだち・ゆういち)センター長に聞きました。
(2023年11月20日放送。情報はすべて放送時のものです。)

足立医師
「アナフィラキシーというのを過去に経験したっていう子ども達の数が増えているのは間違いないです。」
呼吸困難などアナフィラキシーが現れたとき症状の進行を一時的に緩和し、ショックを防ぐアドレナリン自己注射薬「エピペン」。
富山県内における「エピペン」を処方されている児童・生徒数は年々増加していて2022年は2009年に比べおよそ50倍となっています。
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足立医師
「食べ物アレルギーというのはどうしてなのかってのは十分にわかってないですけど、おそらく身の回りにある例えば大人が食べているものが、こぼれたりとか、いろんなことをして、それが皮膚を通して、体の中に少しずつたまるわけではじゃないんですけど、体が反応するようになってくるというふうに言われているんですね」
アレルギーの原因食品として、これまでは卵・牛乳・小麦が言われていましたが、最近では小麦に代わって木の実類が増えてきました。

くるみは2025年4月から表示義務化
今年3月からは原材料の表示が義務付けられている特定原材料に「くるみ」が加わりました。現在は経過措置のため2025年4月から表示が義務化されます。

子どもの食物アレルギーは治る?
足立医師
「卵・牛乳・小麦というのは実際やっぱり6割から8割ぐらいは何もしなくても治るとう風には言われています。ただ、逆に言うと4割から2割ぐらいの人は小学校、中学校になってまだ治らないということで大人まで移行していくという形になります。」

自然に治りにくい食べ物はあるのでしょうか?
足立医師
「ただ甲殻類、例えばエビとかカニとかですね、あるいはナッツ類というのはやっぱりなかなか治りにくい、それからお蕎麦もそうですね、食べ物の種類によって治りやすい、治りにくいってのは違っています。」
食べ物の種類で治りやすさに差が出るのはなぜ?

食べ物の種類で治りやすさに差が出るのはなぜなんでしょうか?
足立医師
「いま言われているのは卵・牛乳・小麦というのはかなり小さいうちに症状が出るもので、その時期というのは、やっぱりまだ免疫が未熟な状態なので、その免疫がどんどん進むなかで、よくなる人は良くなるという風に考えております。一方、もうちょっと後に発症してくるようなエビとかイカとかそういう甲殻類ですね、それとかナッツ類とかっていうのはある程度、免疫ができたところから発症しているので、なかなか治りにくいっていう風に考えられているところもあります。」
子どもの食物アレルギーにはどう向き合えばいい?

子どもの食物アレルギーにはどう向き合えばいいのでしょうか?
足立医師
「そこまで強い人ではない場合にはですね、完全にやめちゃうのではなくてですね、むしろ少量を安全な範囲で食べられる量をコツコツと食べ続けることによって体の抵抗力というかつけていって、だんだん食べられるようになるので、アレルギーだって言われた瞬間にもう一切食べませんというようなことは、むしろやめたほうがいいんじゃないかというふうに考えられています。大事なのはやっぱ自己判断でやると危険が伴うので、やっぱりそういうところに相談していただいて一緒に考えながらやるっていうのが大事だという風に思います。」

自分の子供が食物アレルギーかもしれないと思ったら、自己判断せずに医療機関を受診してください。原因となる食べ物の特定や定期的な検査を受けて食べられる量を増やしていくことが大事かもしれません。
足立医師
「5年とかっていう単位をかけて治す、治していかなきゃいけない必要の人もいるし、逆に言うと1年ぐらいそういうことをやってても、どんどん食べられるようになったりする人もいるので、やはりそうれもう本当にケースバイケースだと思います。」
「特定原材料」の表示は弁当やお総菜など店頭での対面販売や外食料理では義務付けられていません。消費者庁では家族や販売店の参考になるよう冊子を公表しています。関心がある方は検索してみてください。