食物アレルギーの子どもが増加!原因は遺伝?食生活の変化?症状によっては呼吸困難も!食物アレルギー対策は?【いっちゃん☆メディコ】
富山県内では子どもの食物アレルギーが増加傾向にあります。
また原因となる食べ物にも、これまでと違う変化がでてきているそうです。
増加の背景や原因食物の変化について、富山赤十字病院小児アレルギーセンターの足立雄一(あだち・ゆういち)センター長に聞きました。
(2023年11月13日放送。情報はすべて放送時のものです。)
足立医師
「生活環境それから食生活もですね欧米化しているというところが影響しているんではないかと言われていますが、まだわかってないです。」
県内における食物アレルギーがある児童生徒数は、平成20年代中ごろから増加傾向となり、平成26年からは3000人を超えています。

食物アレルギーが増えている原因は?
どうして増えているのでしょうか?
足立医師
「増加の理由はまだ十分にわかってないところです。やっぱり食生活の変化とかっていうのは関係あるかもしれないということになっています。」

食生活の変化とはどういうことでしょうか?
足立医師
「一つは日本的ないわゆる昔ながらのいろんなおかずを少しずつ食べて、それから発酵食品も結構、日本食とかいっぱい使われていますよね。いま欧米化してくると脂肪分が多く、ファストフードとか、そういうふうな形になってかなり、その脂質の中身が脂肪の中身は変わるとかですね、いろんな点で大きな変化があるという風に考えられます。」
食物アレルギーの症状は?

食物アレルギー、どんな症状があるのでしょうか
足立医師
「軽いものであれば口の周りにブツブツができるとか、ちょっと顔が赤くなるとか。強い症状になると、どうしてもその上に全身が真っ赤になってくるとか呼吸困難が出てくるとか。アナフィラキシーショックのような形になるところまでかなり幅広くあります。」
食物アレルギーの原因となる食べ物は何?

食物アレルギーの原因となる食べ物は何でしょうか?
足立医師
「以前は卵・牛乳・小麦っていうのが三大食品という風になっていたんですけど、最近少し変わってきて卵・牛乳は変わらないんですけども、小麦よりむしろ木の実が第3位になってきて、どんどん増えてきてるっていう状態になってきています。」
食べてから60分以内に発症した食物アレルギーの原因となる食べ物を調べたデータです。2017年には卵と牛乳、小麦が全体の6割以上を占めていましたが、2020年には小麦と木の実類の順位が入れ替わりました。

木の実による食物アレルギーが増えてきた原因は?
どうして木の実による食物アレルギーが増えてきたのでしょうか?
足立医師
「十分にわかっていないんですけどただ、昔に比べるとやっぱり日本でいろんなナッツ類がいろんなお菓子に入っていたりとか、いろんなもので、ちょっとずつかなり小さい子どものうちから体の中にはいるようになってきたというのは事実じゃないかという風に思います。」
木の実による食物アレルギーがある場合、木の実類はすべてダメ?

木の実による食物アレルギーがある場合、木の実類はすべて食べられないんでしょうか?
足立医師
「以前はそういう風に考えられていてピーナッツが食べられないんだったらもう、クルミもカシューナッツも何とかナッツも全部やめましょうっていうふうに言われていたんですが、最近いろいろわかってくると、実はナッツでもそれぞれ1個だけダメとか2個までダメとかっていう人のほうが多いという風にわかってきましたので、もしナッツアレルギーだと分かった場合でも調べていって不必要な除去というのは、ないほうがいいかなという風に思います。」
食物アレルギーって遺伝するのでしょうか?
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子どもの食物アレルギーは遺伝が原因でしょうか?
足立医師
「アレルギー体質って言われていろんなアレルギーの病気になりやすい体質というものがありますけども、それは確かに大人から子供に受け継がれやすいところはあります。遺伝の病気であれば、普通は病気の人の数は変わらないはずなんですね、なので、どんどん増えていっているってことは、その体質だけではなくてやっぱり環境の要因が非常に強いんだろうという風に考えられています。あまりいわゆる遺伝病みたいな形で考えるものではないと思います。」
子どもを食物アレルギーから守るには?
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食物アレルギーから子どもを守るため、大人は何をしたらいいのでしょうか?
足立医師
「このぐらいの量だったらいいんじゃないかって言って、勝手におやつで食べさせてしまうとかっていうのは非常に危険なので、少ない量でも反応する人はいるんだっていうことで、食物アレルギーに対して正しい知識を皆さんに持ってもらうっていうのが非常に大事だという風に思います。」
何をどれだけ食べさせていいかわからない場合は、血液検査で調べることができるそうです。心配な方は「かかりつけ医」に一度相談してください。