小中高生に増加傾向【起立性調節障害】対処の仕方や治療法は?周りの大人の理解が重要に!【いっちゃん☆メディコ】
富山県内では今、小中高生の間で「起立性調節障害」という病気が増加しています。その治療法などについて、富山大学附属病院 小児科の田中朋美(たなか・ともみ)診療准教授に聞きました。
(2023年10月23日放送。情報はすべて放送時のものです。)
起立性調節障害とは?主な症状は?
田中医師
「この起立性調節障害自体は、非常に患者さんの数も多くてですね。まだ気づかれていないという方もいらっしゃるんだと思います。」
起立性調節障害は自律神経の働きが悪くなり、起立時に身体や脳への血流が低下する病気です。おもな症状としては、朝なかなか起きられず午前中調子が悪い、朝の食欲不振、全身倦怠感、頭痛や立っていると気分が悪くなる、立ちくらみなどがあります。この病気は県内の小中高生で増加傾向にあり5年間でおよそ1,4倍となっています。
田中医師
「小児科医の中では認知度は以前からあったんですが、おそらくはですね、同じような症状で学校を休みがちだったりと言うお子さんがほかにもいらしゃったりすると、うちの子もそうじゃないかしらというふうにもしかしたら気づかれて、そこから受診につながった方もいらっしゃるかもしれません。」
病気の特徴…1日の行動の変動が大きい!
この病気の特徴の一つに1日の行動の変動が大きいことがあります。
田中医師
「やはり朝からお昼ぐらいにかけて非常にだるさ、頭が痛い、お腹が痛いといった症状の訴えがあるにしても、お昼過ぎぐらいからなんとなく動けるようになってきて、夕方、夜ぐらいになると朝とは別人のような活動ができたりということがあれば、そういった日内変動というところが気づきのきっかけになりうるかもしれません。」
起立性調節障害の治療はどうしたらいい?
ではこの病気の治療はどうしたらいいのでしょうか?
田中医師
「飲み薬ではなく、まず、生活リズムを整えること、これが大前提という風になっています。やはり朝なかなか起きられないっていうことがあるので、起床時間がお昼ぐらいだったりします。まず、朝起きること、当たり前のようですが、それが難しいお子さんも多いんですけども、まず朝起きて、ご飯を食べて、そして昼・夜といった食事の生活、これをまず、整えるのが一つです。」
生活のリズムがなかなか戻らない時は?
この病気に悩む子供にとって、体のリズムを整えることはとても大変です。
田中医師
「起きた後にやっぱりずっと横になっているという状態ですと、体は、今は頑張るべきなのか休むべきなのかが分からなくなります。だるくてもソファーにちょっと座ってみるとか、体を少し起こしているだけでも変わってくるかなと思います。それから適度な運動ということで体調がよい時間帯、夕方や夜に15分程度の散歩をしているお子さんもおられます。そういった体のリズムを作っていく中で夜、質の良い睡眠をとれるようになるというのが一つの心がけとして必要だと思います。」
それでもよくならない場合は、どんな治療があるのでしょうか?
田中医師
「いろいろ整える、試してみても体調が思わしくない場合には飲み薬をご提案することがあります。血圧をあげるような作用を持った飲み薬を飲むことが多いですし、中には漢方薬を処方されることもあります。」
周りの大人たちの理解が大切!
この病気の治療には周りの大人たちの理解が欠かせません。
田中医師
「朝から学校に行けないということで本人はとても苦しいんですが、そこでそんな怠けていてはダメだという言葉が周りからあると、分かってもらえない、そういったことがさらに辛さとなりまして、より症状の悪化につながってしまう場合も中にはあると思います。気合いで何とかなるというものではなくて、これは体の病気だということで、その辛さを共感して話を聞いていただきたいという風に思います。」
田中医師によりますと、この病気が治るには個人差が大きく、数か月程度、なかには年単位という人もいるということですが、症状とうまく付き合いながら、社会生活を送れてる人も多いということです。