高齢者の10人に1人が「フレイル」その予防策は?80歳超で元気な「サクセスフルエイジング」を目指して今できることは?
高齢者が要介護になる少し前の状態を「フレイル」と言いますが、フレイルになっても、健康に近い状態に戻ることができるそうです。
詳しいお話を、富山大学附属病院 第1内科の戸邉一之(とべ・かずゆき)教授に聞きました。
(2023年10月2日放送。情報はすべて放送時のものです)
戸邉医師
「このフレイルという言葉は、元に近い状態になりえると、そういう風に高齢者の方に勇気を与える言葉でもあります。」
フレイルとは健康と要介護の中間で、筋力や心身の活力が低下した状態をいいます。健康な状態に戻れる一方で骨折や入院など、ちょっとしたきっかけで要介護の状態になる恐れがあります。
戸邉医師
「本人もなんか今までできたことができなくなったかなという、そういう感覚はあるんですけども、すぐに気が付くものではないです。」
フレイルには、買い物の荷物が持てない、信号が変わる前にわたり切れなくなったなど、日常生活の中で気が付くきっかけがあります。
フレイルには「身体的」「社会的」「精神的」の3要素
フレイルには「身体的」「社会的」「精神的」の3つの要素があります。
予防するにはどうしたらいいのでしょうか。
毎日5000歩が目安?まずは1000歩から!
戸邉医師
「身体的な要素として筋力の低下があります。筋力の低下はやはり歩くことですね。5000歩、歩けばある程度長生きにつながるというそういう臨床研究の結果はあります。」
でもいきなり5000歩と言われても、すぐにできるものではありません。
戸邉医師
「10分、だいたい1000歩くらいですので、10分余計に歩くようなことをしたらどうでしょうか。それがしばらく続いたら、また10分ぐらい長くすると、少しずつ少しずつ長くして4000歩、5000歩に近づけるようにしたらどうかなと思います。」
フレイル予防には家族の協力が必要!
フレイルの3要素のうち「社会的」「精神的」要素については
どうしたらいいでしょうか
戸邉医師
「親しい方がだんだん亡くなってきて一人ぼっちになりがちですね。そういう場合には、やはりあのご家族の協力が必要なんですね。で、その同居世帯であっても、おじいちゃん、おばあちゃんだけが1人で食事をするようなことがないように、ご家族の方が気を付けてあげるといいかなと思います。」
高齢者一人暮らしのフレイル予防は?
自分の親など親類が一人暮らしの場合にはどうしたらいいでしょうか
戸邉医師
「できればご家族の方が頻繁に訪問したり、訪問できない場合には電話をかけて、どうしてるって、ちょっと聞いてあげるだけでも、だいぶ違ってくるというふうに思います。」
もし趣味のサークルや老人会などから足が遠のいているようなら、再び参加して多くの人と交流を保つように促しましょう。
戸邉医師
「サークルとかに行かなくなってきた、行く頻度が減ってきたとか、そういうことがないか、ちらっと聞いてみる。そういう周りの方の働きかけが大事かなと思います。」
フレイルを予防するには早めの取り組みが大事です。
もし取り組んだらどんな未来があるのでしょうか
戸邉医師
「80歳を超えても元気な方、これを成功した高齢者、サクセスフルエイジングと言いまして、80歳になってもいろんなところに自分で行ける。そういう時代になると思います。
フレイルの特徴で、そのままにしておくと要介護、寝たきりになってしまうけど、周りからの支援がありますと、また元に戻りますので周りからの働きかけが非常に大事です。」
自分や家族で「フレイル」に心当たりがある人は、今からでも、できることから始めてください。