【いっちゃん☆メディコ】近年増えている子どもの歯周病!その原因は?
6月4~10日は、歯と口の健康週間です。
今回は、近年増えてきている子どもの歯周病について、富山県歯科医師会の常務理事で歯科医師の魚津公美(うおづ さとみ)さんに話を聞きました。
(2023年6月5日放送。情報はすべて放送時のものです)
魚津医師
「昭和の虫歯の洪水時代、その時代には、1本も虫歯がない子は珍しかったです。でも最近は、虫歯が1本もない子が非常に増えていますね。」
県内における、12歳で虫歯がない子どもの割合は年々増えていて、2021年には約8割の子どもに虫歯がありませんでした。
魚津医師
「1980年、そのころは子どもの虫歯の平均は5.5本もありました。
ところが2021年には平均0.63本にまで減っています。中学1年生の40人の1クラスのうち、35人までが1本以下、そして数本が2.3人、1人が10本ぐらい、こういうのが大体のイメージですね。」
子どもの虫歯が減った理由は?
子どもの虫歯が減った理由として考えられることは何でしょうか?
魚津医師
「虫歯は一度なると治らない、自然治癒する部分ではないです。保護者の皆さんが意識と行動を変革してくださった、お子さんを歯医者さんに連れていく、虫歯だから連れていくということではなく、予防のために連れていくっていう風に変更シフトしてきたっていうことが大きな理由の一つです。」
子どもの虫歯が減った背景には、歯磨き粉の変化もあるといいます。
魚津医師
「もう一つ、フッ素の歯磨き粉ですね。そういったものが1980年代後半から出てきました。フッ素は歯の表面につくことによって歯の質を強くします。そして、歯の表面、虫歯の初期の段階で表面が少しずつほころんだところを修復してくるという働きがあります。」
今年1月にはフッ素入り歯磨きに関して、推奨される利用方法が見直されました。今回の見直しでは、開始年齢や使用年齢が広がったほか、年齢ごとの使用量が定められるなど、これまでの利用実績をもとに大幅に変更されました。
魚津医師
「フッ素の濃度の高いものは世界的にも国際的にも使われています。日本はそこまでではない。今まで結構フッ素の量を制限してきた部分がありますそれが世界基準に合わせて少し濃度が高くなった。年齢、使用年齢が低くなったという風に認識していただければと思いますね。」
フッ素入りの歯磨き粉については、食べ物や薬でアレルギー症状を起こしたことがある子どもやぜんそくがある子どもの場合、使う際には念のため歯科医師に相談してください。
子どもの虫歯が減る一方で、歯周病が増加?
虫歯が減る一方で、歯周病になる子どもが増えているといわれています。
歯周病とは細菌によって歯の周りの歯ぐきが炎症を起こし、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。痛みはなく静かに進行し、そのままにしておくと歯を抜かなくてはいけなくなります。
魚津医師
「歯周病は大人の病気では決してありません。近年、子どもたちにも歯周病増えています。厚生労働省の調査でもだいたい10歳以上のお子さんで2人に1人は歯周病の初期の歯肉炎、そして4人に1人は歯石があるっていう風に報告していますね。」
子どもの歯周病が増えている背景は?
歯周病が増えている背景には、口呼吸をすることで口の中が乾燥することや柔らかいものばかり食べているため、かむ回数が減り、口の中の唾液量が減少していることなどがあげられます。
子どもの歯周病を防ぐにはどうしたらいい?
歯周病を防ぐにはどうしたらいいでしょうか?
魚津医師
「やはり口腔内を清潔に保つことです。お顔と一緒で、お口の中も2人として同じ形質はないわけですね。ですからその人、自分に合った歯磨きの仕方、ケアの仕方をやはりかかりつけの歯医者の先生に聞いて、教わってそれを実践していただくことですね。」