【いっちゃん☆メディコ】女性とダイエット① よくないダイエット
今回のテーマは「ダイエット」です。無理なダイエットは自分だけではなく
子どもの未来にも影響があることがわかってきています。
詳しいお話を、富山短期大学食物栄養学科の太田裕美子教授に聞きました。
(2023年5月22日放送。情報はすべて放送時のものです)
自分が「太っている」と思っている人の割合は?
太田教授
「男性で47パーセント、女性で52.6パーセント、大体女性の半分以上が『私は少し太っている、太っているかなと思っている』ということが分かっています」
厚生労働省の調査によると、男性が47パーセント、女性は52.6パーセントの人が、自分が「太っている」「少し太っている」と思っていることが分かりました。
太田教授
「ダイエット情報が氾濫していること、そして、痩せた、きれいなモデルさんが活躍しておられる姿を見て、私もあんな風になりたいって思う女性の気持ち、私も少しわかります」
日本人のBMI平均値は、22なのに…
体型の指標として国際的に用いられているのがBMIです。日本人の場合「22」が平均値とされていますが、理想と現実には開きがあるようです。
太田教授
「19、20くらいのBMIを理想と思っている人が多いようなので、一番平均値とされている22っていう数字から見たら、低いかなって思っています」
「◎◎だけダイエット」が及ぼす体への影響は?
今いろいろなダイエット情報が氾濫していますが、体への影響はどうなのでしょうか。
太田教授
「なんとかだけダイエットというのはお勧めしないなと思っています。例えばサラダだけとか、バナナだけとか。それだけ食べていると必ず足りなくなる栄養素が出てきます。それが体へのリスクになっていくと言われています」
栄養素、足りなくなると、どんなリスクがあるのでしょうか?
太田教授
「大きくは3つあるかと思います。1つは若い時からだと思うんですが、鉄欠乏症。鉄って普通に食事をしていてもなかなかとりにくい成分、栄養素なんです」
鉄分は赤血球の材料で体中に酸素を運ぶ働きがあるので、不足すると「めまい」などの症状が出ます。
太田教授
「もう一つは骨粗しょう症っていう言葉、聞かれていますか。骨の密度なんですが人の骨って20代が最高なんです。この最高値からどんどん少しずつ加齢とともに下がっていくといわれています。下がる角度が強ければあっという間に骨がスカスカになりますし、最高点が低ければ角度がちょっと緩やかでもあっという間にスカスカになるということです」
無理なダイエットが及ぼす子どもへの影響とは?
無理なダイエットによる影響をうけるのは、自分だけではありません。
太田教授
「無理なダイエットによる卵巣の機能低下ということは最近よく言われています。例えば、子どもを授かったときに低体重児といわれる小さな子どもが生まれてきたり。低体重児は大人になったときに生活習慣病を発症しやすいということが明らかになっていて、無理なダイエットは自分だけのことじゃなくて、次の大事な自分の子どもにも影響するんだなぁということがどんどん分かってきています」
ダイエット、間違った方法だとリスクがあるといえそうです。
太田教授
「人は食べる量と動く量とのバランスで少しずつ痩せていくのが1番自然なので、すごくダイエットに走ったりするとリスクがあるということでしょうか」
特定の食品だけを食べて、一時的に痩せることができたとしてもそれはけっして健康的とはいえません。