オーナー漁師の「全部のっけろ」で生まれた大漁全部盛り海鮮丼【水橋食堂 漁夫】今が旬の華麗なホタルイカ丼も
「うちのオーナーが漁師なんですけど、大漁だった日に『全部のっけろ』と威勢よく放ったひと言で誕生したのが、この大漁丼です」
こう話すのは富山市にある「水橋食堂 漁夫」の店長、上野誠さん。
その言葉とともにドンッという重量級の音で目の前に現れたのが、上の写真の大漁丼です。
地元漁師たちがうまい魚を広めるために営む食堂
「水橋食堂 漁夫」は、白岩川の河口にある水橋漁港の目の前、浦の橋のたもとに2021年にオープンしました。
店名の通り、地元の漁師たちが「水橋漁港で水揚げされた新鮮でうまい魚をたくさんの人に食べて欲しい。そして、漁業を身近に感じてほしい」という熱い想いで営んでいます。
彩り鮮やかな大漁旗が飾られた店内は、賑やかで活気あふれる空間。
目の前には漁港、すぐ横には白岩川を臨んでいて眺めもよく、夏の「水橋橋まつり」の日には夜空に上がる大輪の花火を窓から楽しむこともできます。
爆盛り大漁丼!漁師の黄金だしでひつまぶし風に
そんなわけで「水橋食堂 漁夫」では鮮度抜群の魚を海鮮丼や刺身定食などで楽しめますが、なかでも目を見張るのが、冒頭に紹介した「大漁丼」。
豊漁の日に、目の前に並んだ魚を見て漁師兼オーナーの安倍さんが「全部のっけよう」と言ったのがはじまりで、丼いっぱいに盛られたごはんに刺身やフライ、かき揚げなどが山のように盛られています。
「漁師さんのごはんをイメージして作っているので、この量なんです。これでも足りないという漁師さんがいるんですよ」(上野さん)
魚介ネタの量もさることながら、丼に使われるごはんの量は500g。
一般的なごはん一膳が180gなので、なんと3膳弱もの量に及びます。
その大盛りごはんに大量の海鮮ネタが盛られていきます。
この日は
- ガンドブリ(ブリの幼魚 ×7枚)
- スズキ(×5枚)
- マダイ・スズキなどの漬け
- とびっこ
- シロエビのかき揚げ(高さ5cm以上!)
- 白身魚のフライ(この日はシイラ ×2枚)
- ベニズワイガニ
- 甘エビ
- かますの姿上げ
が、どど~んと次々に盛られていきました。
魚は季節や仕入れによって変わりますが、真冬なら脂がのった寒ブリが豪華に盛り付けられることも。
こちらが完成形。
さぁ、どこから食べようか…悩みますよね。将棋崩しのようなドキドキ感も味わいながら、丁寧に食べ進めると幸福感もひとしおです。
添えられる醤油は、地元・水橋の醸造会社が富山の魚に合わせて作ったという3種類。新鮮な魚介のうま味をさらに引き立ててくれます。
さらに、500gという大量のごはんを食べきるために用意されているのが「黄金だし」。
カツオと昆布で丁寧にとった「漁夫」特製のだしで、そのままお吸い物として飲んでもOKですが、椀に小分けしたごはんと具に注げばひつまぶし風に。味に変化が出るので、さらさらっと食べることができます。
黄金だしとは別に魚の身がたっぷりを入ったあら汁もついてくるので、とにかくおなかがパンパンに膨れ上がります。
ホタルイカ50匹が咲かせる大輪の花
漁夫名物のホタルイカ丼も
もうひとつ、「漁夫」の隠れた名物となっているのがホタルイカ丼。
大量の青い光が水面に揺れる光景が神秘的なホタルイカの漁は、毎年3月に解禁される富山湾の風物詩。そのホタルイカを水揚げしてすぐにボイルして食べられるのも、漁港前で漁師が営むこの食堂ならでは。
通常は酢味噌和えや天ぷらで味わうことができますが、入荷が安定するシーズンの最盛期にだけ登場するのが、「ホタルイカ丼」。
50匹のホタルイカがきれいに並べられた様子は、大輪の花のような華麗さ。富山湾で獲れるホタルイカは身が大ぶりなのが特徴で、プリップリの食感を思う存分味わうことができます。
仕入れに左右されるので、料金は時価。店頭のメニューにはありませんので、食べたい場合は事前に問い合わせてからお出かけを。
2024年3月からはディナータイムに一品料理を味わうことができるようになりました。漁港前の漁師メシ、風情があってよさそうですよ。
【店舗情報】
【水橋食堂 漁夫】
住 所 富山県富山市水橋辻ヶ堂40-22
営 業 火曜 11:00~15:00 水~日曜 11:00~22:30
電 話 076-460-3758
定休日 月曜
駐車場 あり
記事編集:nan-nan編集部