【一体どんな味?】チューリップフェアで見つけた謎ソフト「まろやか」
富山県砺波市で5月5日(金)まで開催中の「2023となみチューリップフェア」。
21万本のチューリップで地上絵を描いた大花壇や花の大谷など、色とりどりのチューリップを楽しめますが、きれいな花と景色で目と心を癒した後はおなかも満たしたくなるのが人間というもの。
というわけで、フェア会場内にはご当地の食材を使った飲食ブースやキッチンカーなどがたくさんありますが…「どれにしようかな~」とパンフレットを眺めていると、何やら気になるものを発見!
ジャジャ~ン!
富山ご当地ソフト。
地元・砺波市名産の「ゆず」や呉羽梨が有名な「梨」など、富山県ならではの6つの味が並んでいます。
どれもおいしそうですね~…って、ん? ちょっと待った!
みなさん、お気づきですよね。
「ゆず」、「梨」ときて、「ホタルイカ」、「海洋深層水」はまぁちょっと想像はできないけど、味がしそうだからいいとして…
「チューリップ」って何味?
そして、「まろやか」にいたっては味なの? 味でいいの?
というわけで、一体どんなソフトクリームなのか気になったので、実際にお店で確かめてきました~。
まろやかソフトクリームが食べられるのは
文化会館脇の「富山県ご当地ソフト館」
パンフレットを手がかりにうかがったのは、文化会館南側に設置された飲食ブース、とやまグルメ広場。
あったあった、ありました、富山ご当地ソフト館。看板にも大きく「富山名産・名物大集合!」と書かれています。
早速、気になる「まろやか」味を注文しようとしましたが…あれ、「まろやか」の味がどこにもない。
ガーーーン! もしや知る人ぞ知る人気商品で、売り切れになってしまったのか!?
中にいる店員さんに聞いてみると…
ふつうに出てきました。
まさか、この白色は…そうです、まろやか味とは濃厚なバニラのソフトクリームだったのです。
並々ならぬこだわりから生まれた「まろやか」味
でも、なんでバニラがまろやかなの?
疑問をぶつけてみると、とても気さくな店主の道上さんが教えてくれました。
「最初は、まろやかっていうネーミングだったん!」
実はこの「まろやか」ソフトは、道上さんが並々ならぬ想いで作り上げたこだわりの一品。
複数の仕入れ業者から取り寄せたバニラフレーバーをミックスし、その配分を絶妙に加減しながらようやく完成させたオリジナルのバニラソフトなのです。
その舌触りがとろけるようにまろやかで、自慢できるほどの食感だったことから、「まろやか」と名づけました。
しかし、ひとつ問題が!
実はこの「まろやか」ソフト、機械の構造上、たくさん作れば作るほど、まろやかな食感が失われ、道上さんが提供したいソフトクリームよりもやや硬めになってしまうんだとか。複数のフレーバーを絶妙な加減でミックスしているからこそ、温度や出す量によって粘度が変わってしまうんでしょうか?
というわけで、「これではダメだ」と思った道上さん、味の名前を「濃厚バニラソフト」に変更しました。パンフレットの「まろやか」はその名残なんだそうです。
「まろやか」あらため濃厚バニラソフトは、乳成分が通常のバニラソフトよりも多く、濃厚な味わい。食感も十分になめらかですが、ご主人の厳しい品質基準には達してないようです。
それでも食べてみたい、「まろやか」ソフト
日によっては味わうこともできる!?
こうなれば、なんとしても幻の「まろやか」ソフトを食べてみたい。
なんとか食べられないのか、道上さんに聞いてみると、なんでも狙い目の時間帯があるそうで…それが
雨の日。
実は、機械があまり動いていない時は、道上さん理想の配合が効いていて、本来のまろやかなバニラソフトになるんだそう。
それが、機械があまり動いていない時、つまり、あまりソフトが売れない時。もっと率直に言えば、肌寒くて、みんながあんまりソフトを食べたがらない時。
うーん、どうせなら暖かい日に食べたいですが、実は取材に訪れたこの日は最高気温13度で、雨もぱらつくような肌寒い日。
ということは…???
こちらの表情を察したのか、道上さんが一言。
「今日は、まろやかだよ!」
なんと、奇跡的にも正真正銘の「まろやか」ソフトだったのです!
自慢の食感は、ほかのソフトと比べると一目(舌)瞭然。
なめらかさがまったく違っていて、ふわっとしたやわらかい食感でした。
せっかくのチューリップフェアも雨の日だと残念な気持ちになりそうですが、そういう日は気持ちを切り替えて「まろやか」ソフトの味わいを楽しんでみてもいいかもしれません。
そうそう、そんな日はあたたかい服装も忘れずに。
他にも気になるソフトの数々…
一体どんな味?
「まろやか」ソフトの謎は解けましたが、他にも気になるソフトがいくつか。
ホタルイカソフトとチューリップソフトについても聞いてみました。
まずは、ホタルイカソフト。
こちらも、富山湾の神秘・ホタルイカをなんとかソフトクリームで表現したいと、道上さんが試行錯誤の上に作り上げたフレーバーです。
食べてみると…
バニラの甘さがふっと広がったと思うが早いか、一気に干物のような独特の塩気と香りが口の中いっぱいに充満します。なんとなく、イカの塩辛やホタルイカの沖漬けに似ているような…そして、ごっくんと飲み込んだ後に残る香りは、なんとも言えない生臭さ。
こちらがしばらく言葉を発せずにいると、
「まずいだろ?(笑)」
と、道上さん。
「楽しんでもらおうと思って作っとるが!まずくても、面白くてチューリップフェアに来た思い出にしてもらえればいいが」
わざわざ足を運んでくれる観光客のみなさんに感謝の気持ちを込めて、話題作りで提供しているというホタルイカソフト。遊び心ある味つけに、わずかなお客さんは興味本位で注文するのですが、完食までいたる人はなかなかいないそう。
それでも、記憶に残り、みやげ話のひとつになればという想いで販売し続けているそうです。
過去には、「白エビソフト」も売っていて、こちらも魚介特有の生臭さが抜けず、同じような反応だったんだとか。
最後はチューリップソフト。
実は、濃厚バニラやゆずを抑えて、ご当地ソフト館の一番人気のフレーバーです。
花のエキスが加えられたソフトは、味はそこまで特徴的ではありませんが、鼻に抜ける香りに爽やかなフローラルの香りがほのかに漂います。
やっぱりチューリップフェアに来たら、チューリップソフト。色とりどりの花を見ながら味わうのは格別ですね。
そんなわけで、謎ソフトの調査は終了。
みなさんもチューリップフェア、楽しんでくださいね~。
記事編集:nan-nan編集部