【アルコール使用障害・AUD】心身に障害が出る進行性の病気 家族で抱え込まず早期に相談を【いっちゃん☆メディコ】
アルコールの問題は、自分だけではなく周りにも大きな迷惑をかけます。
「アルコール使用障害・AUD」の治療について、谷野呉山病院の谷野亮一郎院長に聞きました。
(2026年3月30日放送。情報はすべて放送時のものです)
アルコール使用障害・AUDの症状
谷野医師
「お酒を飲んでいて、転んだりして怪我をされたりとか、お酒を飲まなかった時に幻覚が見えたりとか、そういう症状が出てくると、ご家族は心配されます」
AUDは、心身に障害が出る進行性の病気
アルコール使用障害・AUDは、お酒を飲みすぎることで、自分でお酒をコントロールできなくなり、心身に障害が出る進行性の病気です。
谷野医師
「女性の方ですとやっぱり育児や家事、場合によっては介護なんかのストレスによって、いわゆるキッチンドランカーになってしまう方がおられます。あと、我々精神科医が見逃してはいけないのが、例えば、うつ病などの他の精神疾患が隠れている場合です。うつ病の症状の辛さを紛らわせるためにアルコールを飲んでいるうちに、アルコール依存症も合併してしまうという場合も見られます」
やめられない理由…脳の海馬が関係⁉
お酒はどうして簡単にやめられないのでしょうか。
谷野医師
「飲酒に対して、脳の海馬という場所で条件付けされてしまって、その記憶はずっと残ります。飲酒欲求というのは、長く断酒を続けていてもふとした瞬間にやっぱり生じる場合がいっぱいあるんですね。ずっと海馬が覚えている」
やめられない理由…遺伝も関与⁉
やめられない理由、中には本人の意志だけの問題ではないケースもあります。
谷野医師
「ある程度、遺伝が関与してると言われていて、40% から 60% ぐらいは遺伝の影響があるとも言われています。その方のご家族について聞かせていただくと、やはりアルコールによってお体を壊されて早くに亡くなっておられたりとか、アルコール依存症の方がご家族の中におられたりって方が時々おられます。やっぱりそういう方がご家族におられる方は、特にご自身の飲み方にはやっぱり注意する必要があります」
どんな治療をするの?
アルコール使用障害・AUDはどんな治療をするのでしょうか。
谷野医師
「ご自身で自覚がない方もおられて、ご家族にしぶしぶ連れてこられる方もおられます。来られてすぐ、あなたお酒をやめなさいっていうわけじゃなくて、まずは現状の把握、どれくらいの量をどれくらいの頻度で飲んでおられるかとか。まずご本人にアルコールによるプラス面ではなくて、マイナス面がどの程度、普段の生活に影響が出ているかってことを確認しあいます」
本人の自覚が重要
治療には本人に自覚してもらうことが何よりも重要なようです。
谷野医師
「まずは現状把握として、手帳であったりとか、今ではアルコール飲酒習慣を記録するアプリなんかもありますので、そういうものを用いて、日々のアルコール習慣を確認していただいて、あと最近ですと飲酒欲求を抑えるお薬なんかもあります」
徐々に回復の道を探ることが大切
ただ、お酒を断つのは、簡単なことではありません。
谷野医師
「しばらくお酒を断つことができても、また再飲酒してっていう方もおられます。ただその、行きつ戻りつしながら、仕事や家庭に支障が出てくるってことを徐々に気づいて、徐々に回復の道を歩んでいかれる」
AUDは病気 家族で抱え込まずに早めの対応を
アルコール使用障害・AUDは病気です。
「お酒はいつでもやめられる」と考えずに、ほかの病気と同じように早めの対応が大事です。
谷野医師
「アルコールの問題は意志が弱いというものではありません。気づいた段階で早めにご自身の健康を守るために、あるいはご家族との生活を守るために、早めに相談していただきたいと思います」
アルコールの問題は本人に自覚がないケースが多いといいます。
谷野医師は 家族だけで抱え込まずに、早めに かかりつけ医や保健所、厚生センターに相談してほしいと話していました。