だしをとったり、佃煮や和えものにしたり、さまざまな料理に使える昆布。その消費量が全国でも第1位なのが、富山です。（総務省「家計調査」2023年2月）

そもそも富山で昆布が好まれるようになったのは、かつて北前船の寄港地として栄えたから。北海道から運ばれる昆布によって、昆布食文化が根付いたと言われています。

そんな昆布大好き富山県民の定番グルメが、魚などの具材を昆布ではさみ、一晩置いてから食べる「昆布締め」。

水分を昆布が吸い取るため、身がきゅっと締まる一方、昆布のグルタミン酸などの旨味が移り、刺身とは違う食感とおいしさを味わうことができます。

近年では魚だけでなく、肉や山菜などを昆布締めにすることも増えています。

昆布なので食材の味を邪魔することなく、グルタミン酸がその旨みをさらに引き出してくれるのが特徴です。

そんな富山の新しいご当地グルメとして話題になっているのが、ローストビーフの昆布締め。

販売しているのは、プロ御用達の業務用食肉加工の専門会社、グランマルシェタケダです。

昆布締めに使用するのは、A4～A 5ランクの和牛。

熟練の職人が肉の状態を見極めながら丁寧に切りわけ、昆布で巻いていきます。すべて手作業のため、大量生産はできませんが、その分、味は確かです。

昆布に包まれて熟成された和牛肉は、舌に触れた瞬間こそ塩味を感じますが、噛めば噛むほど肉本来の野趣に富む味わいと脂が多い和牛ならではの上品な甘みを堪能することができます。

ローストビーフ以外に、鶏肉を昆布で締めたものもあります。

旨み成分が多くジューシーなムネ肉を使用していて、生のように柔らかく、食感はプリプリ。

そのままポン酢などのタレにつけて食べるのもよし、鶏しゃぶやお茶漬けなどの具材にするのもよし。そのままだとさっぱりした印象のある鶏肉ですが、昆布締めにすることによって引き出された肉の旨みを味わうことができます。

富山の歴史と食文化が生んだ肉の昆布締め。

お取り寄せができるのでギフトなどにもオススメです。

グランマルシェ タケダ

　住所：富山県富山市問屋町1‐2‐64

　営業時間：8:00~18:00

　定休日：日曜日、水曜日

出典：KNBテレビ「ワンエフ」

　　　2022年4月1日放送 

記事編集：nan-nan編集部