毎週火曜たった3時間だけ!富山・射水で味わう“幻のラーメン”【中華そば げんじ】煮干し4種類ブレンドのスープと絶品レアチャーシュー
富山県射水市に、週1日だけ、しかもランチタイムの3時間だけ営業するという幻のラーメン店があります。
店の名前は「中華そば げんじ」。
ステーキやローストビーフといったこだわりの肉料理や定食、焼きもつ鍋などの居酒屋メニューに、キッズメニューも充実しているとあって、若者や家族連れでにぎわう「口福食堂(こうふくしょくどう) げん太」の店主 皆元 徹さんが、別の屋号を立てて自身の店に2軒目の店として2022年にオープンしました。
営業は 毎週火曜の昼に3時間だけ
専門店も顔負けの本格中華そば
こう書くと、趣味が高じて本業の合間にサブブランドを作ったのでは?と勘ぐってしまいますが、侮るなかれ。
2枚看板の「煮干し中華そば」と「鶏白湯中華そば」は、本格的な専門的にまったく遜色ないこだわりと味を誇ります。
どちらの中華そばも人気ですが、「初めてなら、まずは煮干しを食べてみてください」と皆元さん。
その自慢の「煮干し中華そば」がこちらです。
さすがはステーキやローストビーフなどの肉料理を得意とする皆元さんの店だけあって、丼の真ん中に盛られた華やかなピンク色のレアチャーシューが目を引きますが、最大のこだわりはスープです。
厳選した国産煮干し4種類を丁寧に煮出して作ったというスープは、口に入れた瞬間に煮干しの風味がぶわっと広がります。
煮干し特有の苦みやえぐみはなく、澄んだスープにふくよかな風味と旨みが溶け出していて、上品な和風テイストでありながらパンチも効いています。
スープとの相性を考えて作られた特注の麺は、細めのストレート。
ズズズーッと吸い込んだ瞬間に小麦の香りを強く感じられる麺で、コシがあり、日本蕎麦のような歯応えを感じることもできます。
「歯切れと、のどごしにこだわったザクパツ麺にこだわりました」(皆元さん)
もちろん豚の肩ロースを低温調理して仕上げたレアチャーシューも名物です。
これだけ美しいピンク色は、丁寧に下処理しているからこそ出せる色合いなんだとか。食感がとてもソフトで、深みと高級感のあるおいしさです。
トッピングのタマネギの食感や岩のりの風味もいいアクセントになっていて、味変しながら思わずスープまで飲み干してしまいました。
ミシュラン掲載店の味にあこがれて…
こだわりのメニューに新たにまぜそばも仲間入り
ところで、昼は定食、夜は居酒屋として人気店を切り盛りしている皆元さんがどうしてラーメン店も始めようと思ったのか、そのきっかけが気になりますよね? それは…
「もともとラーメンが好きだったんですが、『中華そば つぼみ』さんの煮干しラーメンを食べたときに、これだ!と思って、射水市にもおいしい煮干しラーメンのお店を作りたい!!と思ったんです」(皆元さん)
皆元さんが惚れ込んだという「中華そば つぼみ」は、富山市にあるラーメン店で、ミシュランガイド北陸特別版でコストパフォーマンスのいい飲食店・ビブグルマンに選ばれた煮干しラーメンの名店。皆元さんは昼と夜の営業時間の合間を縫って「つぼみ」に通い、アドバイスをもらいながらも自ら納得できる中華そばを約2年かけて作り上げたと言います。
そんな「げんじ」もオープンから1周年。
それを記念した新作は、煮干しにとことんこだわったという「煮干しまぜそば」です。
スープを煮詰め、さらに濃厚な味わいに仕立てたというまぜそば専用のスープは絶品。中華そばよりちょっと太い中細のストレート麺を合わせるのですが…もっと煮干しを味わいたいという人には、別添えのトッピングのこれ。
カニ味噌や黒ゴマペーストのディップのようにも見えますが、実は煮干しの旨みを凝縮した「極にぼペースト」です。
スープに投入すると一気に魚介の味が増し増しになり、濃厚で香り高い煮干しスープを楽しむことができます。
仕上げには、スープにごはんを投入。煮干しの風味も手伝って、本当にカニ味噌のような奥深い旨みを味わえます。
ブラックペッパーのきいたレアチャーシューに、角煮のような大きなブロック肉を和風出汁で煮付けたチャーシューも。
どこをとっても細部にまでこだわった仕事を感じられるまぜそばです。
「ラーメンは日本料理をコンセプトにしています。日本を代表する食文化のラーメンを国内外を問わず、射水市から発信していけたらうれしいです」(皆元さん)
フレンチやイタリアンの料理に携わった経験もあるという皆元さん、そのキャリアがあるからこそ、ラーメンには和食のテイストを大事にしています。
週1回の営業となる火曜日には、毎週、開店の30分以上も前から行列ができるほどの人気ぶり。
営業日を増やしてほしいとの声も多いらしいのですが…
「高級な煮干しをふんだんに使って、誠心誠意、時間をかけてスープを作っているので。今のところは1日が…」
と、皆元さん。
週に1度だけ、行列必至のラーメン店。
中華そばやまぜそば以外にもこだわりがつまったメニューはぜひ楽しみたいところ。タイミングを合わせてわざわざ出向く価値はありそうですよ。
【店舗情報】
【中華そば げんじ】
住 所 富山県射水市下若75-1 口福食堂げん太内
営 業 火曜11:30~14:30
電 話 0766-30-2990
駐車場 21台
記事編集:nan-nan編集部