2024年能登半島地震で震度5強を観測した富山県射水市の新湊エリアにある「きときと食堂」の紹介記事です。
「きときと食堂」は、液状化や水道管の破損などの被害が発生した新湊漁港に隣接しています。海が近く、地震発生直後は津波の心配もありましたが、店舗に被害はなく、現在は魚も仕入れられることから営業を再開しているとの情報を受け、2023年4月に公開した記事を再掲載します。
なお、富山県射水市では、今も地震による液状化や余震などの影響が続いている場所があります。訪れる際は、安全を確保していただくと同時に、被災された方々への配慮もお願いいたします。
古くから水産業が盛んな新湊
地元の漁師が毎日のように通う“港の食堂”
「天然のいけす」として知られる富山湾。
中でも射水市の新湊港は古くから水産業が盛んで、「富山湾の宝石」として名高いシロエビをはじめ、「高志の紅ガニ」の名でブランド化されたベニズワイガニ、ホタルイカやバイガイ、ブリ、アマエビ、アオリイカなど、おいしい魚介が数多く水揚げされます。
そんな新湊の漁港の目の前にあり、港で働く漁師や漁協・水産業の関係者も頻繁に利用するのが、きときと食堂です。
店名に掲げられた「きときと」とは、富山の方言で「新鮮な」という意味。
それもそのはず。目の前の新湊漁港で水揚げされた魚介類を仕入れているため、鮮度ではどこにも負けるはずがありません。
競り落とされたばかりの新鮮な魚の味をお刺身や漬け、フライでたっぷりと味わうことができます。
鮮度だけじゃない!
漁港に出入りする鮮魚店直営ならではのコスパ
きときと食堂が選ばれる理由は、鮮度だけではありません。
実はこの食堂を営んでいるのは、地元で創業85年を超える老舗鮮魚店。仕入れコストが抑えられるため、通常の飲食店よりも安くおいしい魚を提供しているのです。
そんな安ウマ食堂の人気メニューは、「魚屋のまかないづけ丼」。
お値段は、なんと税込500円!
ワンコインで地元の旬の魚介が乗ったどんぶりを楽しむことができます。
魚はその日の仕入れによって変わる完全日替わりなので、何が乗っているか出てくるまでわからないところもお楽しみの一つ。
この日は、特製の漬けダレに一晩漬け込んだ肉厚のカジキとフグがたっぷり盛られていました。
漬けダレに使っている醤油は、地元の新湊で古くから親しまれている甘い醤油。
新湊の風土や食材に合うように作られているため、もちろん新湊で獲れる旬の魚にもぴったりです。特製ダレに一晩漬け込むことにより、刺身で食べるよりも魚の旨みが引き出され、また違うおいしさを楽しむことができます。
この「まかないづけ丼」、 もともとはお客さんに提供する料理で余った魚を利用して作っていた、本当に従業員のためだけのまかな い飯でしたが、現在はお客さんにも提供し、づけ丼用に仕入れをしているという人気ぶりです。
漁港で働く人たちも利用するため、営業は朝5時半から。
そのため、昼のランチ時間帯までで夜の営業はありませんが、もちろん県外の観光客でも気軽に入って利用できます。
新湊漁港では「競り」を見学できる観光客専用のスペースも用意されているので、一緒に楽しむのもいいかもしれませんね。
【店名】きときと食堂
【住所】富山県射水市八幡町1‐1100
【営業時間】5:30~
【定休日】水曜日
出典:KNBテレビ「ワンエフ」
2023年3月24日放送
記事編集:nan-nan編集部