夫婦合作のうどんに幕 上市町「おきつね庵」今週末最後の営業へ
上市町の知る人ぞ知る人気店「さぬきうどんのおきつね庵」が、今月29日で閉店します。
先週金曜日、お店を取材させてもらいました。
看板メニューは野菜がどっさりのった「カレーうどん」。
うどんが見えないくらいの具材に、思わず声が漏れてしまうほどのボリュームです!
店を切り盛りするのは、黒田保廣(やすひろ)さんと妻の浩子(ひろこ)さんです。
2016年のオープンから今年で10年目。二人三脚で地域の人たちに愛される店を営んできました。
しかし保廣さんが体調を崩し、去年夏に店を休業することに。
そのまま閉店することも考えたそうですが、「感謝の気持ちを直接伝えたい」と今年4月から営業を再開。
メニューを絞って3か月限定で営業してきました。
朝6時に店にお邪魔すると、すでに厨房には保廣さんの姿がありました。
保廣さんは上市町の元職員。退職後に香川のうどん学校で修行し、そこで培った技から作るコシの強い自家製麺が特徴です。
出汁も、昆布と煮干しから丁寧に毎朝とっています。
おきつね庵のうどんが“唯一無二”と言われる理由があります。
それは保廣さんのうどんと、妻・浩子さんの野菜が組み合わさった、夫婦だからこそできる“合作”だから。
うどんにのせられたカラフルな野菜は、浩子さんが自ら育てています。
「地球から離れてすぐの野菜はおいしい」とほほ笑む浩子さん。
季節に合わせた野菜を畑から収穫し、素揚げしてうどんに盛り付けます。
「どの色を、どこに置くか」。その感覚は浩子さんならでは。
「僕には全然ない感覚」と保廣さんは笑いますが、このバランスこそが“おきつね庵らしさ”なんです。
そんな二人が手を取り合って作る一杯を求めて、お店を訪れる人は後を絶ちません。
取材した日も、開店からわずか30分で完売。
かつて部活帰りに立ち寄ったという若者や、「今まで食べた中で一番おいしい」と声を弾ませる人もいました。
「10年間、好きなことをやらせてもらった。もう潮時かな」と語る保廣さん。
浩子さんはそんな保廣さんに「第三の人生をゆっくり歩いていってほしい」と寄り添っていました。
明日からの金、土、日が最後の営業です。
30食限定で店舗入口の整理券がなくなると終了です。
午前11時の開店前に並ぶ人も多いので、当日は売り切れの場合があります。
カレーうどんが人気ですが、他にも自家製チャーシューを使ったチャーシューうどんもおすすめです。
惜しまれつつ閉店するおきつね庵ですが、黒田さん夫婦はお店を引き継いでくれる方を探しています。
店舗は解体する予定ですが、うどん作りのノウハウや経営については次につなげていきたいということです。
上市に人を集めたいという思いでスタートさせたお店です。
お2人の味と、思いを受け継いでくれる方が現れる事を願っています!