自然に癒され、大地のエネルギーを感じることができるとされる「パワースポット」。
古来から日本では自然に八百万の神を見出す風習があり、山岳を崇拝する修験道などに発展してきました。
日本三霊山のひとつに数えられる「立山」も、そんな信仰対象のひとつ。
一帯が神の山々として崇められ、主峰・雄山の頂上に鎮座する雄山神社をはじめ、山中や麓では神道や修験道の信仰や修業の場が作られてきました。
1300年の歴史を誇る真言密宗大本山 大岩山日石寺もまた、修験道の流れを汲む神社仏閣のひとつで、富山を代表するパワースポットとして知られます。龍頭から流れ落ちる六本滝もあり、辰年の2024年に訪れるにはオススメのスポットを紹介します。
神秘の山へといざなう“百段坂”
日石寺への参道として、まず出迎えてくれるのが「百段坂」。
鬱蒼と茂る山へと続く、朱色の手すりと何十もの石段。いかにも別世界へといざなう入り口のようで神秘的です。
“百段”と名がつくものの、実際の数はもっと多く170段。
体力や脚力に自信がない方だとちょっと身構えてしまうほどの段数ですが、階段上の境内近くにも駐車場があってショートカットすることもできます。
大きな岩に掘られた不動明王は高さ3m超で北陸随一
境内に到着し、中に入ると、そこには「大岩のお不動さん」と呼んで親しまれている国指定史跡・重要文化財の「大岩山日石寺磨崖仏 不動明王」を拝むことができます。
信仰対象となる山そのもの、巨大な凝灰岩に直接彫られた不動明王は、高さ約3.5m。平安時代後期に行基が彫ったものとされ、大きく見開いた目や力強い形相には、荘厳さを感じずにはいられません。
かつては千厳渓で行われた滝行が境内で
龍頭から流れ落ちる六本滝
真言密宗の修業の場である日石寺で、古来から有名なのが滝行。
かつては険しい山の中に入り、近くを流れる大岩川の千厳渓で行われていましたが、修行者の安全のため1868年(明治元年)に本堂のすぐ横、境内に水を引き入れ、滝修行ができるようになりました。
それが、六本滝です。
「日石寺の滝はいまから150年前、修行のために作られた滝です。六本滝には“目” “口” “鼻” “耳” “体” “心”の六根を清浄するという意味があり、滝に打たれることで煩悩を洗い流すことができると伝えられています」と、住職の中田弘乘(なかた こうじょう)さん。
白装束に着替え、いざ滝行へ。
流れ落ちる滝は夏でも冷たく、真冬の時期の水温は6℃前後。
体の感覚がなくなるほどの冷たさで、煩悩を洗い流すにはぴったりの厳しい環境です。
さらに近づいてみると…
滝は、6体の龍頭の口から勢いよく流れ落ちています。この龍頭は、人間国宝で高岡市にもゆかりがある鋳物師の初代・須賀松園の作です。
高さ5.5mの高さから流れ落ちる水は、傍から眺める以上に強く勢いがあります。
滝行は2000円で、当日の受付もOK。
白装束の貸し出しや、別途有料で修業後にあたたかい風呂に入ることもできるので、希望される方は社務所へどうぞ。
夏だけでなく、冬の初詣や大寒の日にあえて滝行に励む参拝客も少なくないんだとか。
ほかにも、心柱を拝める三重塔や門前町など見所が
また、本堂の裏にある「三重塔」は、全国で唯一とも言われるある特徴が。
それは…
中が丸見えになった「未完成の塔」なこと。
江戸後期の1845年に建てられたものの、当時は財政難だったことから未完成になったとされ、壁や戸がつけられていません。
ただ、現在では当時の建築技法をしっかり見られることから学術的に価値が高い建物として注目されています。
東京スカイツリーにも採用された制震技術の「心柱(しんばしら)」など、日本の木造建築の粋を味わえるので、建築マニアには必見かも。
門前町では名物のそうめんやラーメン、精進スイーツも
さらに、日石寺を訪れたら、門前町のグルメも楽しみたいところ。
大岩名物として有名なそうめんはもちろん、近年はそのそうめんで培った技術を生かしたラーメンや精進料理の調理法を応用した精進スイーツを提供する店も増えています。
大自然に癒されつつ、おなかも満たすパワースポット。
辰年に訪れるにはぴったりです。
編集記事:nan-nan編集部



