2000を超えるラーメンスープのレパートリーを持ち、その独創的な1杯で多くのファンを魅了してきたラーメン店「栗ノ木」。その店主である唐芳 陸さんが、2026年7月、新たなラーメン店をオープンしました。
店の名は「富山 清湯そば芽麦(めむぎ)」。
「ここは、栗ノ木ではできなかった事を全て詰め込んだお店です。ラーメンという枠を超えた『最高の麺料理とおもてなし』を提供したいと思っています」
そう熱く語る唐芳さん。極限までこだわりぬいたというラーメンをさっそく味わってきました。
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富山市中央通りにオープン 「富山 清湯そば芽麦」
「富山 清湯そば芽麦」が店を構えるのは、富山市の中心エリア。中央通り商店街を東へ進んだ、雪見通り近くの場所にあります。
温もりのある木目の引き戸と白のれんが目を引く、和食店のような佇まいです。
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暖簾をくぐった瞬間に始まるラーメン体験
暖簾をくぐると、広々とした待合室が設けられています。
壁には、滝をイメージして水が流れる演出も。水の清らかな音と心地よい音楽が響き、待ち時間もゆったりとした心持ちで過ごすことができます。
注文はこの待合室でスタッフに伝えるシステム。客席の準備が整った段階で、スタッフに案内されます。
待合室の奥へ進むと、絵画が飾られた木格子の壁が現れます。「行き止まり?」と思わず足が止まりますが、実はこの先に客席があるのだそう。
カウンター6席にこだわった”もてなし”の心
扉を開け、中に入ると、寿司・割烹店のような清楚な空間が広がります。席は、カウンターに設けられた6席のみ。
「ラーメンを届ける最後の瞬間まで、自らの手で丁寧にもてなしたい、ラーメン一杯にかける想いが伝われば嬉しいです」(唐芳さん)
椅子はゆったりと腰掛けられるクッション性の高いソファ席。従来のラーメン店の枠にとらわれない、上品な設えです。
味は醤油・塩・富山の3種。トッピングは標準と豪華の2タイプ
メニューは、「醤油」「塩」、そして富山の食材をふんだんに使っているという「富山」の3種類。トッピングは2タイプで、標準仕様の「松風」と、具材をより豪華にあしらった「寿」があります。
・醤油のおそば(寿2200円/松風1300円)
・塩のおそば(寿2200円/松風1300円)
・富山のおそば(寿2300円/松風1400円)
初来店なら何を最初に食べるか、迷いますよね。唐芳さんにたずねてみると「どれも自信作なので選べないですね」とのこと。悩みつつも、今回はメニューの一番上に書かれている「醤油のおそば」をいただくことにしました。
醤油のおそば
11種類もの厳選食材から旨味を抽出した「清湯スープ」
スープは、地鶏や煮干し、昆布、野菜など、全国から吟味した11種類もの厳選食材を使って仕込んでいますが、驚くのはその製法です。
「11種類の食材をそれぞれ別の鍋で丁寧に引き出し、毎朝ひとつにブレンドしています」と唐芳さん。
そうして作られたスープは、タンパク質とアミノ酸のバランスを極限まで追求した「清湯(ちんたん)スープ」。そこに、3種類の醤油を合わせた特製のかえしを加え、思い描く極上の旨みを引き出していくのだそう。
その味は…
スープをひと口含むと、醤油の芳醇な香りがふわりと鼻に抜けていきます。角立つ塩味を感じさせず、まろやかな舌触り。こだわりの食材から丁寧に抽出された贅沢な旨みと深みをじっくりと味わうことできます。
厳選小麦をブレンド! 多加水全卵入の包丁切り麺
そして注目の「麺」。
唐芳さんが扱う小麦は数十種類にものぼるそう。顕微鏡で粒子を見極め、その日の状態を判断するこだわりようで、同業者からも「小麦の旨味を引き出す天才」と一目置かれるほどです。今回はその探求心をさらにアップデートし、これまでにない新たな麺づくりに挑んだといいます。
「オープンに向けて、香川のうどん職人のもとで勉強してきました。手打ち式の技法を取り入れることで、これまで表現しきれなかった理想の加水率と力強いコシを実現しています」(唐芳さん)
加水率の高いストレート麺は、コシや噛み応えがありますが、舌触りはかなり滑らかです。
「高加水だからこその食感だと思います。湯掻く水にもこだわりましたしね」(唐芳さん)
旨味溢れるチャーシューと九条ネギ、生胡椒の香味も◎
噛むほどに旨味が溢れ出すチャーシューと、鮮やかな見た目でシャキシャキ感がたまらない京都産九条ネギ。そこへほのかに漂う生胡椒の爽やかな香味が加わり、ひと口ごとに心地よいおいしさが広がります。
「提供するものすべてが、コース料理の一品だという想いで作ってます」(唐芳さん)
和食の料理人だった唐芳さんのこだわりを端々に感じる麺料理。トッピングをより豪華に楽しみたい方は「寿」をどうぞ。
米ソムリエの知識と経験をいかした「ご飯もの」
ラーメンと並ぶ店の看板メニューが、こだわりの「ご飯もの」です。
唐芳さんは米ソムリエの資格ももっていて、その日の気温や湿度に合わせて国産米をブレンドし、土鍋で最高の状態に炊き上げます。
ラーメンと一緒に味わうなら「芽麦の白ご飯」、お腹いっぱい楽しみたい人は「本日の一期一飯」がおすすめ。この日は、贅沢にもA5ランクの和牛が盛られた特別感あふれる一杯。まさに一期一会の出会いで、次回はどんなメニューと巡り合えるのか、ワクワクが膨らみます。
高級卵「天草の満月」
おすすめを挙げたら切りがないのですが、最後にもう一つ。
「熊本・天草の高級卵『タマンゴ』を使って温玉を作りました。麺をディップしたり、ご飯にのせたりして召し上がってください」と、唐芳さん。
確かに、オレンジ色に輝く濃厚な黄身の温玉は、ラーメンともご飯とも相性抜群です。
「最高の麺料理とおもてなしを」という言葉通りの満足感に包まれ、店を後にしました。
あくなき探求心を燃やし続ける唐芳さん。暖簾をくぐるたびに一期一会の味わいを楽しめそうです。



