2023年8月のオープン以来、ラーメンマニアの間で話題を呼び、連日行列ができていると噂のラーメン店が富山県滑川市にあります。
店の名は、「自家製麺 栗ノ木」。
場所は、滑川市上小泉の県道富山滑川魚津線沿いで、周辺には複数のラーメン店や飲食店もある飲食激戦区です。
早朝から朝ラーを求めて行列ができる
カウンター10席のみの小さなラーメン店
「栗ノ木」のラーメンが食べられるのは、朝と昼。
夜は完全予約制で、創作麺懐石のコースのみの営業です。
朝ラーメンの営業は6時から。
午前5時に記帳が店頭に設置されると、次々に客が名前を書いて駐車場に停めた車へと戻っていきます。
そして、開店の数分前になると、再び店の前に客が集まりはじめ、スタッフに名前を呼ばれると店の中へと入っていきます。
店内は、厨房を取り囲むように設けられたカウンター席が10席のみ。
注文は、入ってすぐの券売機で購入するシステムです。
それぞれの席には、敷紙や焼き印入りの割りばしとレンゲ、保冷タンブラーが整然とセッティングされていて、さながら高級和食店のよう。
BGMには上品なジャズが流れています。
朝ラーは日替わりのスープ1種のみ
トッピングやセットメニューは豊富
「栗ノ木」のラーメンは朝と昼でメニューが異なり、朝のスープは1種類のみです。
店主の気分で日替わりとなっていて、前日のインスタで配信されます。
どんなラーメンが食べられるのか、こまめにチェックするのも楽しみのひとつですね。
取材した日は「つけ麺」で、味は1択ですが、トッピングが4種類ありました。
- 中華そば 1000円(税込)
- 特製中華そば 1600円(税込)
- 味玉中華そば 1150円(税込)
- かけそば 600円(税込)
特製は、味玉やワンタンなどのトッピングが全部のせ。
朝から1600円の外食とはなかなかの贅沢ではありますが、せっかくなので食べてみることに。
すると、出てきたのが、こちら。
きれいな器に、盛り付けも負けじと上品な美しさです。
つけ汁となるスープは、「鴨とネギと煮干の出汁」。
煮干で丁寧にとった出汁は、魚介をたっぷり感じるコクの深さ。
見た目の色ほど塩味は強くなく、近江鴨の甘いうま味と薬味ネギのバランスが絶妙です。
朝6時。
起き抜けの体に沁みわたる味で、スープだけを一気に飲み干してしまいたくなる衝動に駆られます。
全部のせの特製中華そばなので、スープにはワンタンも。
スープをまとったとろっとろのワンタンの皮に、ごろっとひき肉が詰まっていてジューシー。
これだけで一品料理として出されても満足できるほどの味です。
こだわりの自家製麺は40種の小麦粉を使い分け
その日の気温・湿度やスープに合わせてブレンド
続いて、こちらは麺の器。
麺は、富山県産の「ゆきちから」や香川県産「さぬきの夢」など、なんと40種類の一等粉を使い分け。その日の気温や湿度、出汁に合うようにブレンドし、製造しているんだそう。
この日の麺はストレートの細麺で、つるつるとした蕎麦のような食感とのどごし。小麦の甘味と上品な香りも楽しめます。
麺の量も、その日のスープによって変わります。
おおよその量は160~170gとなることが多いらしく、一般的なラーメンと比べると少し多め。朝からしっかり食べ応えがあります。
そして、トッピングのチャーシューは富山ポークのバラチャーシューが2枚。箸で持ち上げたらくずれるほどの柔らかさで、味つけは決して濃くありません。スープと合わせて食べることで、深みある味わいを楽しむことができます。
スープも、麺も、トッピングも、すべてにワンランク上の高級感があり、いわゆる「ラーメン店」と聞いてイメージするような豪快さや大雑把なダイナミックさとは違う味わいです。
この日の朝ラーは、開店から1時間強の午前7時15分に限定50食が完売しました。
昼のラーメンは2種
地鶏と煮干しが香る「醤油」orホタテと魚介を味わう「塩醤油」
昼のラーメンは「醤油蕎麦」か「塩醤油蕎麦」の2択。
店主のイチオシは、「塩醤油」です。
普段はあまり自慢をしない店主が「これはなかなかないと思いますよ」と誇らしげに語るのが、ベースとなるスープです。
厳選食材を煮出した状態のスープは、器の底が見えるほど透き通っています。
実はここまで透明なスープを作りあげるのに、6~7年もの月日がかかったそう。タンパク質とアミノ酸のバランスを最高の状態に持っていくことによって、店主が求めている味に到達できたんだとか。
ベーススープに加える塩醤油の出汁は、粒子が細かくミネラルが豊富な雪塩や魚醤、ハマグリ、シジミ、アサリ、シロエビ、羅臼昆布、白醤油などをブレンドして作られています。
レンゲですくって口に含むと、甘み、塩味、うま味すべてがふんわりと広がり、余韻に深みがあります。
ストレートの細麺は、噛しめるごとに小麦由来の甘みと香ばしさが。
そして、トッピングには近江鴨のロースト、富山ポークのチャーシュー、鶏肉の自家製ハムに、ノドグロが1枚ずつ。
どれもラーメンのトッピングとしてはもったいないほどのこだわりの食材と手間暇で、絶品の味に仕上がっています。
「1000円払ってくれるお客さんががっかりしないラーメンを提供としたいと思って作っているんですけど…材料費は結構かさんでますね」と、少々困り気味の店主。
それでも、こだわりの味のために一切の妥協を許しません。
氷見牛、富山ポーク、土鍋炊き…
セットのごはんメニューもこだわり尽くし
さらに、「栗ノ木」のこだわりはラーメン以外にも及びます。
農家から直送で仕入れている、鳥海山の雪解け水で育った米と氷見牛を使った「富山肉ご飯」やA4~A5ランクの和牛を使ったハンバーグ、富山ポークのロースソテーなど、セットのごはんメニューもかなりのものが並びます。
ラーメン自体にボリュームがありますが、どれもおいしそうで食べてしまいたくなりそう。おなかをすかせていったり、2人でシェアしたりするぐらいがちょうどいいかもしれません。
東京や岩手で和食店の板前を経験して
小さい頃から夢だったというラーメン店をオープン
これほどまでにこだわり抜いたラーメンを提供する店主。
実は、東京や出身地の岩手の和食店で料理長の経験もある料理人で、かつては生産者の苦労や気持ちを知りたいと農業に携わったこともあるんだとか。
結婚を機に富山で飲食店を開業することになり、小さい頃から好きだったというラーメン店をオープンさせました。
「その原点は、実家の隣のラーメン屋さんですね」
実家の隣がラーメン店で、その主人のやさしい人柄とおいしいラーメンに惹かれて足しげく通っていたんだそう。いつかはラーメン店を…という小さい頃からの夢を、富山で叶えることができました。
「お客さんがラーメンを食べたときの顔を見たいし、話もしたい。それで自分の目が行き届く10席のカウンターにしたんです。僕の本気の昼ラーメンをゆっくり味わっていってもらえたら…閉店までいてもらってもいいんですよ」と、店主。
朝と昼、合わせて限定約250食は、閉店時間を待たずに完売することがほとんど。
日替わりスープの味や完売などの営業情報は、こまめにインスタグラムにアップされているので、チェックしてからおでかけください。
記事編集:nan-nan編集部



