県内に住んでる人でも意外に知らない!?
富山を代表する温泉街ができたワケ
日本一深いV字峡谷を形作った黒部川、その大自然のパノラマに架かる深紅の鉄橋やトロッコ電車と言えば・・・そう、宇奈月温泉です。
富山県を代表する温泉街であり、黒部峡谷鉄道の始発駅としてその観光や登山の玄関口としてにぎわう宇奈月。そんな宇奈月温泉はことし、2023年に開湯100周年を迎えるんですが、その成り立ちについて意外に知らない人も多いのでは?
きっかけは日本屈指の実業家、高峰譲吉
電源開発と観光開発を狙った奇抜な発想
宇奈月温泉の開湯は、1923年(大正12年)11月。
土木技師 山田胖(ゆたか)が改良した引湯管によって、7kmも離れた黒薙温泉から熱い湯を引くことに成功したことからその歴史は始まりました。
そもそも今の温泉街となっている地域は、明治時代の中ごろまでは桃の木が自生するただの荒れた原っぱでした。
そんな荒野を開発するきっかけとなったのが、タカジアスターゼやアドレナリンの発見で有名な富山県高岡市出身の化学者にして実業家、高峰譲吉です。高峰は出生地の富山に日本で初めてのアルミニウム製造の工場を作ろうと考え、そのために必要となる莫大な電力を黒部川の電源開発で賄おうとしました。
その際に高峰が考えたのが、温泉街としての宇奈月の開発です。
当時、電源開発をもくろむ企業は数多くありましたが、高峰は黒部市の平野部から資材運搬のために建設する鉄道を一般客も利用できるように営業し、宇奈月に温泉地を作ることで鉄道の建設・維持費用に充て、また、電源開発を担う工事作業員の福利厚生に役立てようと計画しました。
県出身の実業家であることに加え、こうした計画により高峰らが水利権を得るに至り、温泉街としての宇奈月の開発が始まったのです。
▽宇奈月温泉の歴史について詳しく知りたい方はこちらもチェック
黒部・宇奈月100のストーリー 宇奈月の歴史
https://www.knb.ne.jp/bangumi/asanama/951/
大自然に立ち向かった先人たちの知恵と苦労
その歴史に想いを馳せながら街を散策
そんな宇奈月の成り立ちを聞きながら、宇奈月の街を散策してみませんか?
できるのは、ことし5月13日から6月25日の毎週土・日曜に企画されている「春のうなさんぽ」です。
案内してくれるのは、宇奈月をこよなく愛する地元ガイドの会「ハートの台地」です。名前の由来は、おもてなしの心という想いだけではなく、上空から見た宇奈月温泉街が「ハートの台地」に見えることから。
どうです?ハートに見えますか?
宇奈月温泉観光案内所をスタート地点に、目指すはかつてトロッコ電車が走っていた鉄道橋「旧山彦橋」です。
黒部峡谷には新旧の赤いアーチが2本かかっていて、約100年前に建設された「旧山彦橋」からは、1986年(昭和61年)に新設された現役の「新山彦橋」を間近に望むことができます。
長さ166m、渓流からの高さが40mもある新山彦橋は、きっとガイドブックやパンフレットで見るよりも存在感が大きいですよ。
新緑の美しさと赤い山彦橋のコントラストをカメラに収めたら、今度はちょっと耳を澄ませてみて下さい。
トロッコ電車のゆっくりとしたどこか懐かしいガタゴトという音や汽笛が聞こえてきたかと思うと、峡谷にしずかにこだましているのがわかります。そう、「山彦橋」とは、汽笛が”やまびこ”となって温泉街に響くことから名前が付けられました。
そんな橋の建設も、渓谷にこだまするトロッコ電車のやまびこも、困難を極めた黒部の電源開発や宇奈月開湯のなりたちを学んでから味わうと、その美しさが一層心に沁みることでしょう。
「春のうなさんぽ」は、旧山彦橋までの往復で約1時間。
天候によって散策ルートは変更となりますが、宇奈月の歴史と街に見どころを聞いたあとは、温泉街を自由に散策し、日帰りでも楽しめる温泉や足湯、黒部の名水を使ったコーヒーや紅茶を楽しんで帰って下さい。
そして、2024年には、いよいよ黒部峡谷鉄道の終着駅、欅平から黒部ダムへとつながる黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放が予定されています。
楽しみですね。
【春のうなさんぽ】 ※要事前予約(3日前まで)
- 開催日時:5月13(土)~6月25日(日)の毎週土・日曜日
(※6月18日(日)は除く)
午前の部 9:30~10:30
午後の部 14:00~15:00
- 参加費:中学生以上 600円(税込) / 小学生 300円(税込)
- 集合場所:宇奈月温泉観光案内所
- 電話:0765‐62‐1515
宇奈月温泉開湯100周年関連イベント情報はこちら
https://www.unazukionsen-100th.com/
記事編集:nan-nan編集部



