黒部市の建設会社が25日、専門学校の生徒を対象に建設現場の見学会を開きました。見学会が開かれたのは、インターネット上に作られた3次元の仮想空間でした。その狙いとは。
「トロッコ電車で運べないものは全部ヘリ輸送で持ってきています。というような厳しい現場で仕事しています」
これは、黒部市宇奈月町の建設会社・大高建設がインターネット上につくった3次元の仮想空間です。
実際の建設現場が再現されていて、25日に開かれた見学会には、東京の専門学校の学生たちがインターネット上の分身「アバター」として参加しました。
大高建設の担当者は、VRゴーグルを着けてコントローラーを使いながら、仮想空間に再現した砂防堰堤の建設現場などを案内しました。
建設現場は、本来なら宇奈月から、トロッコ電車などを使って片道2時間ほどかかる場所ですが、仮想空間ではすぐに現地へたどり着けます。
学生たちは、アバターを通して奥深い山の中の現場の勤務体制はどうなっているのか、堰堤の3D設計データの作成にはどのくらい時間がかかるのかなどを、担当者に尋ねていました。
大高建設DX担当 山本健太郎さん
「メタバースという切り口を使って、建設業も最先端を行っているんだということを少しでも知ってもらうきっかけを作りたかったので、今回やりました。(建設業界は)担い手不足が深刻だというのがありますので、そういうところで、少しでもデジタルの人材に響けばいいなという思いはあります」
大高建設は、この取り組みを今後、県内の高校でも行う予定としています。