砂浜をまるで生き物のように歩くこの不思議な造形物、どこかで見たことがありませんか?
現代のレオナルド・ダ・ヴィンチとも呼ばれるオランダの造形作家 テオ・ヤンセンが生み出した巨大なアート作品「ストランドビースト」。緻密に計算された科学と芸術が融合したその姿は、世界中の人々を魅了してきました。
富山県美術館で開催中の「テオ・ヤンセン展」では、そのダイナミックな動きを間近で観られます。
高校生以下は観覧無料で、親子で楽しめる工作体験などの企画も満載です。この夏、大人も子どもも好奇心を刺激される、特別なアート体験に出会ってみては。
目次
テオ・ヤンセン展
展覧会概要
テオ・ヤンセン展
開催日:7月4日(土)~9月23日(水・祝)
時 間:9:30~18:00(入館は17:30まで)
休館日:水曜(8/12、9/2、9/23は開館)
会 場:富山県美術館(富山市木場町3-20)
観覧料:一般1600円、大学生1100円、高校生以下無料
「テオ・ヤンセン」ってどんな人?
テオ・ヤンセンは1948年オランダ生まれの造形作家。「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも評されるヤンセンは、アーティストでありながら物理学者としての顔も持つ希代のクリエイターです。
名門・デルフト工科大学で物理学を学んだ後、27歳で風景画家としてキャリアをスタート。その後、絵画から立体へ、そしてテクノロジーを融合させた唯一無二の世界観を確立していきました。
ストランドビーストってなに?
オランダ語で「砂浜の生命体」を意味する、ストランドビースト。その名の通り、自然のエネルギー、風の力を受けて砂浜を力強く歩く姿は、まるで本物の生きもののようです。
何で作られているのか、近づいて見てみると……驚くことに、ごく身近な材料である「プラスチックのチューブ」や、結束バンド、ウレタンチューブなど。身近な素材が緻密に組み合わさることで、生命のような動きが生み出されています。
展覧会の会場には、日本初上陸を含む大小12種ものストランドビーストが展示されています。中には全長17メートルにも及ぶ圧倒的スケールの巨大ビーストも。
どうして本物の生きもののように動けるの?
プラスチックのチューブがつながっているだけなのに、まるで意志を持つ生きもののように滑らかに動くビーストたち。その秘密は、どこにあるのでしょうか?
答えは、どこまでも緻密な計算。コンピューターによる膨大なシミュレーションを経て、滑らかな歩行を生み出す「各パーツの最適な長さの比率」が導きだされているのだそう。
会場には、パーツの実物やヤンセン直筆の構想スケッチ、貴重なコンピュータ解析データなど、創作の舞台裏に迫る資料も展示されています。天才の頭の中をそっと覗き見るような、ワクワクする空間が広がっています。
名前を知ればもっと愛おしい!?
会場に展示されているストランドビーストたちには、すべてに名前がついています。
今回のイベントチラシにも登場している注目の作品が、「アニマリス・プラウデンス・ヴェーラ」。ラテン語で「はためく帆」を意味するこのビーストは、江戸時代にオランダと長崎を行き来していた「帆船」をモチーフに創られたのだそう。
テオ・ヤンセンが名前に託した想いや背景に想像を巡らせてみると、さらに奥深く、味わい深いものとして見えてきます。
ストランドビースト誕生の背景にあったのは…
ストランドビーストが誕生した背景には、切実な環境危機がありました。
ヤンセンの母国オランダは、国土の4分の1が海抜0メートル以下。地球温暖化による海面上昇は、国の未来を脅かす死活問題です。「失われゆく国土を救うことはできないか」。そんな社会への問いかけから生まれたのが、この砂浜の生命体たちなのです。
必見! 展示室で巨大ビーストが歩きだす【リ・アニメーション】
テオ・ヤンセン展で絶対に見逃せない最大の見どころが、ストランドビーストが動く姿です。
特別実演「リ・アニメーション」は10時から17時まで、毎時間15分程度開催の予定。
風を受けて生き生きと歩き出す姿は、息をのむほどダイナミック。この巨大アートが動く様子はなんと撮影自由! 最高の写真や動画をカメラに収めて、何度も見返したり、みんなにシェアしたくなること間違いなしです。
【リ・アニメーション(Reanimation)】
開催日:7/4(土)~9/23(水・祝)
時 間:10:00/11:00/12:00/13:00/14:00/15:00/16:00/17:00(各回15分程度)
ミニビーストワークショップなど見逃せない企画も満載!
【講演会】「ミニビースト誕生のひみつ」
【講演会「ミニビースト誕生のひみつ」】
開催日:7月4日(土)
時 間:14:00~15:30(13:30開場)
会 場:富山県美術館3階ホール
定 員:80人程度
申込み:不要
参加費:無料
実はストランドビーストは誰でも簡単に作ることができるんです。
それを叶えてくれるのが、ミニチュアキット「ミニビースト」。ヤンセン本人から世界で唯一の公認キットとして認められ、発売から15年を経た現在も高い人気を誇っています。
7/4の講演会では、ストランドビーストをミニチュアキット化した、学研の組み立てキットつき書籍「大人の科学マガジン」の編集長の西村俊之さんが、誕生の背景や開発の裏側を紹介。モノづくり・科学が好きな人は必見です。
ミニビースト体験コーナーでレースも楽しめる!
会場の一角には、ミニチュアキット「ミニビースト」の体験コーナーが設けられています。うちわでパタパタと風を送ると、ユーモラスに歩き出します!
「ゴールまで何秒でたどり着けるか」のタイムレースも楽しめます。小さな子供でも簡単に動かせるので、家族や友達と気軽にチャレンジしてみてください。
【かんたん工作体験】オープンラボ「かぜでゆらゆら ストローヒンメリ」
【オープンラボ「かぜでゆらゆら ストローヒンメリ」】
開催日:2026年6月25日(木)~10月6日(火)
時 間:10:00~12:00、14:00~16:00(入場は30分前まで) ※時間内は随時受付
会 場:富山県美術館3階 アトリエ(ラボ)
対 象:子供から大人まで
参加費:無料
テオ・ヤンセン展にあわせて工作ワークショップ「かぜでゆらゆら ストローヒンメリ」が開かれています。
いろいろな色や形のかわいいストローに糸を通して、風でゆらゆら動くフィンランドの伝統的な飾り「ヒンメリ」を作ることができます。まるで生きているみたいに、風をうけてクルクルまわります。予約の必要なし。親子でカップルで気軽に楽しめそう。
物理と昆虫のプロが語る特別解説【スペシャル リ・アニメーション】
【スペシャル リ・アニメーション】
8/22(土)14:00~ 講師:市川真史さん(富山市科学博物館学芸員[物理担当])
8/29(土)14:00~ 講師:岩田朋文さん(富山市科学博物館学芸員[昆虫担当])
※予約不要
展示室内でストランドビーストが実際に動く様子を間近で見ながら、科学博物館の専門家と一緒にその謎に迫る特別な解説イベントです。
風を動力になめらかに歩くビースト。その不思議な動きには、どんな秘密が隠されているのでしょうか? 「物理」と「昆虫」の専門家が、モノが動く仕組みなどをわかりやすく教えてくれます。
【要申込】ミニビーストワークショップ&レース
【ミニビーストワークショップ&レース】
開催日:8月8日(土)、9月5日(土)
時 間:10:00~12:00、14:00~16:00
会 場:富山県美術館 3階アトリエ
対 象: 小学生(3年生以下は要保護者1名同伴)~中学生
定 員:各回12名
参加料:無料 ※ミニビースト(3500円)持参
【申込み】
※オンラインフォームで事前に申込み
※応募者多数の場合は抽選
申込期間:7月3日(金)~7月17日(金)
当選通知:7月22日(水)までに当選者のみメールで通知
ミュージアムショップで販売しているミニチュアキット「ミニビースト」を美術館スタッフと一緒に組み立てて、レースを楽しみます。自由研究にもぴったり!
「テオ・ヤンセン展」会期は9月23日まで。夏休みのおでかけに、自由研究に、大人の知的探求に…感性を刺激する新しいアートの世界へ、一歩足を踏み入れてみませんか?



