2025年も残りわずか。年末年始で何かと物入りな時期ですが、物価高騰に収まりは見えませんね。
私たち消費者だけじゃなく、店のほうも苦しい判断を迫られている状況。ランチ代を少しでも抑えようと久しぶりに「ごはんのおかわり無料」の飲食店に訪れてみても、少し前から泣く泣く止めた…なんてことも。
そんな中、ボリューム満点のランチが税込1000円、ごはんのおかわり無料も続けているという定食屋さんが富山県高岡市にあります。
能登から高岡伏木へ 親族の想いも重ねて開店「ほろ馬車」
高岡市の小矢部川河口近く、伏木駅から徒歩1分の場所にある「お食事処 ほろ馬車」です。かつて「味処 千両」が営業していた場所に2024年11月オープンしました。
「高岡市伏木の“ほろ馬車”」と聞いて、懐かしい記憶がよみがえった人もいるのではないでしょうか。伏木エリアで25年にわたり親しまれてきた「レストラン&カフェ 幌馬車」。
2005年に惜しまれつつ閉店しましたが、その名前と想いを形こそ変えながらも受け継ぐ店です。
笑い声が響く アットホームで居心地のいい店内
店内に入ると、カウンターと小上がりがあり、昔ながらの定食屋さんを思わせる佇まいです。
席に座ってメニューを眺めていると、店主とお客さんの明るい声や笑い声が耳に入ってきます。こじんまりとしていて、アットホームな雰囲気。居心地の良い空間が広がります。
「きっとみんなよろこぶ」 伏木で愛された屋号を引き継ぐ
やさしい笑顔の店主は、石川県七尾市出身の川端珠実さん。
子育てが一段落し、大好きな調理の仕事に就きたい、店を始めたいと場所を探していた矢先、2024年1月の能登半島地震に見舞われました。
「七尾の自宅は中規模半壊で被害も大きかったですね。先の見通しが立たない中、いろいろ悩みましたが、母の故郷でもある伏木でお店を開くことにしました」(川端さん)
能登半島地震では、伏木エリアも液状化などの被害を受けました。母方の故郷という地縁に加えて、同じ被災地として肩を落としていた伏木の復興や盛り上げに少しでもつながればという想いもあったようです。
「『幌馬車』をやっていたのは、私の親戚なんです。その家族から『名前を引き継いでもらえたら、きっとみんなよろこぶ』と言われて、『ほろ馬車』としてオープンすることになりました」(川端さん)
フライやカツ… ほっとする洋食を定食や弁当で
手書きで書かれたあたたかみのあるメニューには「当時を再現!! 幌馬車名物 大きなエビフライ」の文字。
「『幌馬車』は、メニューがとっても多い店だったんですが、レシピも残っていないので、再現にも限界があって…でも可能な限り、『幌馬車』の味を楽しんでもらえたらと思って作ってます。」(川端さん)
ほっとする和風スタイルの洋食が人気だった『幌馬車』の味に近づけようと、「能登カキフライ」や「あじフライ」「ヒレカツ」を弁当定食で提供しています。
それらと並んで人気なのが、日替わりプレート。
この日のラインナップは、
・塩こうじのささみフライ
・チキン南蛮(からあげに変更可)
・カレイの唐揚げ
・いわしフライ
の、4種類。
どれもおいしそうで迷ってしまいますが、とりわけ店の常連客に人気だという「チキン南蛮」を注文しました。
ボリューム抜群 タルタルたっぷり「チキン南蛮」
運ばれてきた定食は、思わず笑みがこぼれてしまうほどボリューミー。
大きな3つのチキンには自家製タルタルソースがたっぷり。山盛りのキャベツに、山盛りのごはん、煮物、そして、この日は特別に、川端さんのお母さんが手作りしたというブリのかぶら寿司がついていました。
チキンはとってもジューシーでボリューム満点。『幌馬車』で教えてもらったという煮物は、薄味ではなく、そうかと言って味が濃すぎるわけでもなく、家庭的ないい塩梅のおいしさです。
定食のごはんは おかわり無料
さらにうれしいのが、ごはんがおかわり無料なこと。
タルタルと甘酸っぱいソースでごはんが進んでも、おかわりできると思うと安心してばくばく食べられます。
昔はよくあったサービスとは言え、昨今の米価高騰の折、なかなか儲けが心配になってしまいますが…
「儲けは二の次で、まずはみなさんによろこんでいただきたいなと。それに、『ごはんは少なめで』っていうお客さんもおられるので、その分、たくさん食べたい人にはおかわりしてもらったらいいかなって思ってます」と、にこやかな表情の川端さん。
『幌馬車』の名物だった大きなエビフライやピラフなどのメニューも揃います。
夜は居酒屋として営業
昼は定食スタイルの食事処として営業していますが、夜は一品料理をおつまみにお酒を楽しめる居酒屋として営業しています。
「『幌馬車』に通っていたお客さんが思い出話を聞かせてくれることがあるんです。『昔、デートで行ってたんですよ』とか、『よく出前してもらってました』とか…」(川端さん)
ちなみに、「幌馬車」の店名の由来をたずねると、
「徳島にある人気の喫茶店の名前にあやかって…ということです」(川端さん)
高岡市伏木で人気の「幌馬車」の味や想いを受けついだ、2代目の「ほろ馬車」は、昼も夜も常連客で大にぎわい。もちろん、初めての人もあたたかく迎え入れてくれます。
「幌馬車が懐かしい」という人も、「おなかいっぱい食べたい」という人も、大歓迎のお食事処です。



