どこのまちにもひとつは残る町中華。
ラーメンや餃子などの定番をメインに日本人の口に合わせた中華料理でおなかをいっぱいに満たしてくれ、どこか懐かしい雰囲気も魅力のひとつです。
仕事の昼休憩に、夜のちょい飲みに、週末の家族勢ぞろいの食事に。飾らない居心地のよさから、毎日のように通う馴染みの店がある人も少なくはないでしょう。
富山県氷見市にある「香華園」も、そんな町中華のひとつ。
氷見漁港にも近いまちなかで半世紀以上も愛されるボリューム自慢の中華料理店です。
氷見で愛されて半世紀以上の町中華「香華園」
氷見市の海沿い、氷見漁港からもほど近い潮風通り商店街。その通りを1本裏に入ったところに店を構えるのが、「香華園(こうかえん)」です。
創業は1971(昭和46)年。氷見で50年以上愛される町中華の店です。
「お客さんに言われると辞められん」 80歳で現役のベテラン店主
重たい中華鍋を振るのは、店主の池田健治さん。2025年で80歳になるベテランです。
腰が痛いこともあるそうですが、体の調子と相談しながら仕事を続けているのだそう。
「『辞められたら他に食べに行くところないから、辞めんといて!』とお客さんに言われると辞められん」(池田さん)
テレビなどのメディアで80歳や90歳でも現役で働く人の姿を見るのが励み。「自分もやれるだけやってみよう」と毎日、厨房に立ちます。
しかし、その仕事ぶりは、老いを一切感じさせません。
軽やかに鍋を振り、一度にいくつもの料理をさばく俊敏な動きは、まさに職人。一つひとつ味付けが違うメニューをすべて手作りしていて、手間暇を惜しまない姿は長年通う常連客から愛され、厚い信頼を得ています。
料理の基本は丸鶏ダシ その日だけの新鮮スープ
そんな池田さんが作る料理は、ラーメンや焼きそば、野菜炒めに八宝菜、ギョーザなどの中華の定番メニューに加えて、親子丼やカツ丼などの丼もの、チキンライスやカツカレーなどのごはんものと多岐にわたります。
和洋のジャンルをまたいで丼や定食がそろうあたり、いかにも老舗の町中華といった風合いですが、その料理のベースになっているのが、丸鶏のダシ。ラーメンのスープをはじめ、さまざまな料理に使われています。
丸鶏ダシが効いてる! あっさりなのにコク深いラーメン
そのダシの旨みがもっとも伝わるのが、やっぱりラーメン。
香華園のラーメンは、赤いうずまきかまぼこがのった素朴な見た目で、鶏の深い味わいを感じることができます。シンプルゆえに飽きがこず、毎日でも食べたくなるようなラーメンです。
スープは鶏ガラではなく丸鶏から。仕込みは、欠かさず毎日です。
つまり、どれだけスープが余ったとしても、翌日には持ち越さず、その日だけで捨ててしまうということ。次の日にはまた新しい新鮮なスープを作ります。
池田さんによれば、丸鶏は継ぎ足してもおいしくならないのだそう。そのため、手間がかかったとしても毎日仕込んでだしをとる必要があるのです。
「香華園」の特製スープは、そんな丸鶏だしに煮干しを合わせて作ります。
ラーメンだけでなく、ほとんどの料理のベースとなる、店の味を支える存在。つるっとのどごしのいい麺との相性も抜群です。
町中華ならではの個性が光る「カツカレー」
この特製スープで作る町中華ならではの人気メニューがほかにもあります。
それが「カツカレー」。
家庭のカレーとも専門店のカレーとも違う、「香華園」の個性が光るカレーとあって、遠方からこの味を求めて通うファンもいる名物の1皿です。
その最大の特徴とも言えるのが、カレールー。大鍋で大量に煮込んで作るのではなく、注文が入ってから具材を炒めて作ります。
炒め料理のように具材を投入した中華鍋に注がれるのが、さきほどの丸鶏だしのスープ。そこへ、濃いめに調合した自家製のカレー粉。スープで溶くと、独特のとろみがあるカレールーに仕上がります。
さっくりと揚がった厚めのカツに、とろみあるカレーがたっぷりと。食感もよく、一緒に食べると至福の味です。
半ギョーザ、半チャーハン。なのに、満腹!
ボリューム自慢のサイドメニュー
来たからにはおなかいっぱいで帰ってほしいという池田さんのサービス精神から、「香華園」の料理はどれもボリューム満点です。
メインの料理とセットで注文するサイドメニュー、町中華によくある「半」がついた「半ギョーザ」や「半チャーハン」も、まったく半分という言葉があたらないほどのボリュームです。
4つ入りの半ギョーザは、ひとつずつが大きいので、4つだけで十分に満足感が得られます。
こちらも「半」とはつきながら、1人前と言っても疑わないほどのボリューム。
刻んだかまぼこや卵と米を手際よくパラパラに炒めた、香ばしさが食欲をそそる品です。
プラス200円で超大盛り! とろ~り中華あんの天津飯
こちらは天津丼の大盛り。なんとどんぶりの直径は約30cmです!!
通常サイズの天津丼は950円。それにプラス200円でこのサイズになるというから驚きです。
大盛りごはんと卵の間にはたっぷりの野菜炒め。こちらにももれなく、ラーメンと同じ丸鶏の特製スープが使われています。
ふんわりととじた厚みのある卵、とろみをつけた中華あんが全体をまとめあげていて、食感もよく食べごたえがあります。
「普通の量、値段が高かったら誰も来ん。これが香華園のいいところやちゃ。他と違うことして差を出さんと」(池田さん)
丁寧な仕事と、このボリューム感で、この値段。簡単に継続できることではありません。
店を訪れる客には力仕事の労働者が多いこともあって、たくさん食べておなかを満たしてほしいという池田さんの真心があってこそ。心もおなかも満たされる、人情味あふれる町中華です。
出典:KNBテレビ「ワンエフ」
2025年10月3日放送
記事編集:nan-nan編集部



