高い山々に囲まれて雪解け水が豊富な富山。
稲作が盛んで良質な米がとれる米どころとして知られ、もち米の生産や消費量でも全国トップクラスを誇ります。
そんな富山の自慢のもち米を100%使った「もなかの皮」の専門店が、富山市の郊外、八尾地域にあります。
八尾のまちをうるおす井田川の近く
「もなかの皮」の専門店
おわら風の盆で全国に知られる八尾地域。
そのまちなかを流れ、婦中の田畑をうるおす井田川のすぐ近くに高野屋商店、通称「高野もなか店」はあります。
創業は1950年。県内の和菓子店をはじめ、県外の菓子店や料亭からも続々と注文が入る「もなかの皮」の専門店です。
「『いい品を作れば、想いは伝わる』っていう、先代の言葉があるので、それを代々受け継いでます」
こう語るのは、2代目店主の高野幸作さん。
小さな店内は昭和の面影をそのまま残す佇まいで、奥さんの典子さんが、明るい笑顔とハツラツとした声で出迎えてくれます。
もなかの皮に使うのは、富山県産の新大正もち米。
粘りの強さや甘み、絹のような口どけの滑らかさから「もち米の最高級」と評されることもあるもち米を100%使用しています。
「春夏秋冬、水の加減とかいろいろ変わるんですけれども、気を付けながらやっております」(幸作さん)
製粉から生地作り、焼きの加減まで、製法は70年以上前の創業当時からまったく変えていません。
「もち米本来の香ばしさを楽しめるように、製粉は粗めです」(幸作さん)
さっくりと香ばしいもなかの型は、丸・三角・四角の3種類。
投入する型に合わせて生地の量も微妙に変えながら、火の中を1周くぐらせ、焼き上がった皮を型から外す…一見、単純そうに見えますが、淀みない作業の中の随所に職人技が光ります。
「ちょっと焦げ目がついてしまった皮はお客さんに提供することはできません。なので、それを専用のミキサーで粉砕して、もう一度、生地の中に混ぜ込むんです。そうすることで、実は香ばしさが増すんです」(幸作さん)
「高野のもなか」の食感と香ばしさを支えているのは、職人の厳しい目に惜しくも弾かれてしまった“失敗作”。そんな裏話にも、長年培われた経験と歴史が感じられます。
「皮」の香ばしさと甘さを引き立てるもなかアイス
30年据え置きの価格は 子供を想う専門店の矜持
おわらの編み笠を模様にあしらったもなかの皮。
食べると「パリッ」と乾いた甲高い音が響き、ほかにはない食感の心地よさと香ばしさがもち米の甘さと一緒になって鼻のほうへと抜けていきます。
口の中の水分を奪われて舌や上アゴにくっつく、なんてこともありません。
皮だけなのに、それだけで十分味わい深いのが高野のもなかの特徴です。
このパリパリの皮にアイスをのっけてくれるのが、もなかアイス。
バニラ・抹茶・イチゴの3種類、どれも税込み100円で、30年以上値段は据え置きです。
「子供が100円玉を持って買いに来てくれるからね。値上げしにくいし、お父さんが値上げするなっていうから」と微笑む典子さん。
もなかアイスは店内のベンチで食べることができますが、天気がいい日には幸作さんが手作りした屋外のイートインスペースで味わうと爽快さもひとしおです。
もなかの皮は2枚1組30円の単品でも販売していて、アイスやフルーツ、小倉あんといった自分好みの食材を自宅でトッピングして味わうこともできます。
皿代わりにおかずをのせれば、いつもの料理とは違う食感も楽しめそう。
もなか一筋の専門店が作るもなかの皮、驚きのパリパリ食感と風味を楽しんでみてください。
出典:KNBテレビ「ワンエフ」
2021年8月13日放送
記事編集:nan-nan編集部



