富山県の最も東に位置する朝日町。
新潟県糸魚川市、長野県白馬村と隣接し、標高3000m級の北アルプスに連なる朝日岳の尾根が海岸線まで迫るダイナミックな自然にあふれた町です。
そんな朝日町でお隣の長野県から移住してきた宮澤さん夫妻が営むのが「ビストロけざけざ」。2023年12月にオープンしたカジュアルフレンチの店です。
駅すぐそばの古民家で営むビストロ
店があるのは、あいの風とやま鉄道「泊駅」の目の前。
駅から100歩とかからない距離にあり、地元住民はもちろん、電車での旅でも利用しやすい店です。
外から見ると…フレンチのビストロと聞いて抱くイメージとはほど遠い店構え。趣きある古民家は、まるで老舗割烹の佇まいです。
畳張りの店内には、靴を脱いで上がります。
障子の雪見窓とカウンター席にちりばめられたカラフルなタイルが違和感なく共存する和モダンでかわいらしい内装です。
ほっと気楽に…箸とごはんで味わうフレンチ
ランチは週替わりで、肉と魚、パスタのセットから楽しむことができます。
肉のランチセットは、メインのほかにオードブル、サラダ、スープ、そして、パンやバケットではなくごはんがついてきます。
角盆で提供されるランチは、フレンチなのにまるで和定食の御膳のような見映えです。
取材で訪れたこの日の肉料理は、「豚肩ロースのフリカッセ」。
フリカッセとはフランスの家庭料理で、炒めた肉や野菜を生クリームで煮込んだもののこと。豚の甘い脂が溶け出したホワイトソースが、白いごはんとよく合います。
さらに、カトラリーには、スプーンやフォークではなく、箸。
この日のメニューに合わせてたまたまというわけではなく、「けざけざ」では店のあたたかい雰囲気に合わせて「ごはん」と「箸」をコンセプトに料理を組み立てているんだとか。
「お箸っていう僕らの一番身近にある食器で食べることで、少しでもフレンチっていうものの敷居を下げたいんです」(宮澤さん)
ひとり親で育ててくれた父の姿を見て料理の道へ
目指すのは、記憶に残るあたたかい料理
そんな店主の宮澤さんが料理の道を志したきっかけは、幼い頃に離婚してひとり親で育ててくれた父親の姿だったそう。
男手ひとつの子育てにもかかかわらず、レトルトやインスタントの食材をほとんど使わず料理を作ってくれた宮澤さんのお父さん。そんな父の姿を見て、「料理とは人が喜んでくれるもの」という印象が残り、料理人となることを決めました。
長野から移住し、朝日町で店をオープンして3か月余り。
夫妻ともに富山のことが大好きだということで、妻の絵美子さんは毎日海に通っているんだとか。
店の名前「けざけざ」は、古語で「はっきりと鮮やか」という意味があります。はっきりと客の思い出に残る店にしたいという想いを込めています。
服装や細かなマナーを抜きに、箸とごはんで楽しめるカジュアルフレンチ。宮澤夫妻のあたたかく気さくな人柄がにじむ料理は、町や旅の思い出と一緒に深く印象に残りそうです。
出典:KNBテレビ「ワンエフ」
2024年4月5日放送
記事編集:nan-nan編集部



