北陸自動車道の富山インターすぐ近くにあるカフェと雑貨の店「maybe」。
国道41号線からひとつ路地を入った場所にひっそりと佇む、隠れ家のような店です。
木製の重厚な玄関ドアを開けると、木を燃やすツンとした香りをほのかに感じます。刺激的でありながらほっとする香りの正体は、薪ストーブ。
店の中央に鎮座する重厚な存在感とあいまって、どこか懐かしく、心を落ち着かせてくれます。
木のぬくもりを感じる店内は、まるで山小屋に来たかのよう。
車通りの多い大きな幹線道路のすぐ近くというのに喧騒からはほど遠く、ゆったりとした空気が流れています。
店主の田岸登志江さんがこの場所に店を構えてから30年。
重厚感と素朴さが共存する店の様子や、リラックスしながら会話と食事を楽しむ客の表情に、カフェとして長く愛され続けてきた店の年月や時間の積み重なりを感じます。
品数豊富な家庭料理ランチ
手作りの丁寧な味にほっとする
maybeセット 1200円
数あるランチの中でも人気なのは、品数豊富な「maybeセット」です。
磨かれた木製盆に小鉢がたくさん並んでいて、食べる前からうれしくなっちゃいます。
田岸さんは「特別なことはない家庭料理です」と話しますが、どれもひと手間かけた丁寧な料理です。
この日のメインは鶏むね肉のバジル焼き。
むね肉なのにパサつきはなく、しっとりやわらか。やさしい味です。
白ワインやニンニク、ショウガなどで手作りしたバジルソースとオリーブオイルを合わせて、鶏むね肉を漬け込んでいるそう。そのため肉にしっかり味がしみ込んでいて、固くなりがちなむね肉もジューシーに仕上がっています。
小鉢も手が込んでいます。
千切りにしたじゃがいもとしめじの炒め物は、食べるとほんのりシソの香り。和風かと思いきや少しエスニックな感じです。中華風の味付けにドライ赤たまねぎ加えることで、ひと味違った風味が出るんだとか。
サラダは大根やレッドキャベツなど6種類の野菜に、この日は豆腐と豆。もちろん、和風ドレッシングも手作りです。
ひじき、ピリ辛のザーサイと豆もやしの炒め物、味が染み込んだ煮物…と、そのほかの小鉢も丁寧に作られたやさしい味わい。
「手作りで、なるべく自然の味を」が田岸さんのポリシー。
食べすすめるにつれ、懐かしい気持ちになって、心がほぐれていくよう。おなかも心も満たされるランチです。
玄米コーヒー 450円(食事かスイーツとセットで250円)
食後にはちょっと珍しい玄米コーヒーを。
飲んでみると香ばしく、わずかに苦いコーヒーのような風味を感じますが、お茶っぽいテイストも…。
実はこちらは玄米を焙煎して煮出したもので、厳密にはコーヒーというよりは濃い「玄米茶」。コーヒー豆不使用で、ノンカフェインです。
コーヒーが苦手な人や、カフェインを控えたい人におすすめだそう。
「maybe」にはみつ豆やぜんざいなどのスイーツメニューもあるので、そちらと合わせてゆったり過ごすのもよさそうです。
店主が自ら買い付けた海外の雑貨がずらり
異国情緒あふれる店内
「maybe」にはカフェだけでなく、もうひとつの顔があります。
それが、雑貨店。
店のドアをくぐって正面にカウンター、右手にカフェスペースが広がりますが、左手側の部屋はまるっと雑貨スペースとなっています。
並ぶのは、アジア、アフリカ、ヨーロッパなどの雑貨で、アクセサリーにポーチ、服、食器、インテリア用品と、そのジャンルも幅広く扱います。
これらすべて、田岸さんが現地に赴いて買い付けてきたものだそう。
毎年1~2月にかけて各国を回り、アンティーク市や小さなマーケットを訪れたり、作家さんの元に足を運んだりして仕入れています。
コロナ禍で海外に行けない期間は日本国内を回っていたそうで、店の一画には沖縄の琉球ガラスや島根の石見焼、岩手の小久慈焼など、職人の手仕事を感じるものも。
田岸さんによると、実は「maybe」の原点は、こうした雑貨たちのほう。
もとはヨーロッパのアンティークを扱う仕事をしていたという田岸さん。
遡ること約40年前、富山にも古道具などを扱うマーケットがあればと、仲間たちとともに月に1回、市内の神社の一角を借りて市場を立ち上げ、それが護国神社の「のみの市」の始まりになったんだとか!
その事務局として場所を借りたのがきっかけで、カフェとしての「maybe」がスタートしたんだそう。さらにその数年後には、現在の場所に移転しました。
2024年春にはリニューアル予定
創作料理にパティシエのスイーツも
そんな「maybe」、2024年の春にはリニューアルを予定しています。
東京で料理人をしている田岸さんの息子さんが富山に戻り、夜は創作料理のレストランとして営業する予定。さらにランチメニューもブラッシュアップされるそう。
そして、息子さんの奥さんはパティシエということで、敷地内の民家を改装してスイーツも提供するようですよ。
移転前から数えると40年近く愛されてきた「maybe」。
田岸さん手作りのやさしい家庭料理に新たな魅力を加えて、さらに長く愛される店になりそうです。
記事編集:nan-nan編集部



