最大震度7を観測し、約4mもの地面の隆起やそれに伴う津波、液状化や大規模な火災などの被害を引き起こした2024年1月の能登半島地震。
富山県内でも西部の沿岸部を中心に建物の倒壊や断水など多くの被害が発生し、富山湾でも津波が観測されました。
今なお続く余震に加え、今後も大きな地震がいつどこで起きるかわからない中、不安は募りますが、災害時のリスクを正しく理解し、適切に備えることによって、万が一の時の被害を最小限に抑えることはできます。
そんな時にぜひオススメしたいのが、2012年4月に富山市に開館した「四季防災館」。
地震や津波、台風や火災など、富山で起こりうる様々な災害にどう備えるか、体験しながら学ぶことができる施設です。小さな子供でも楽しみながら学べるように工夫されているため、親子や友達同士でも退屈することなく体験できます。
自分や大切な人の命を守るため、この機会に防災について再確認しておきませんか?
※この記事は、能登半島地震の発生から1か月経過したことを受け、防災意識をより一層高めるために2023年5月に掲載した内容を一部変更・追記して配信するものです。
防災は難しく考えなくてOK!
体験型で身につく地震や暴風雨への備え
地震大国と呼ばれる日本。
阪神・淡路大震災や東日本大震災に加え、近年では熊本地震や北海道胆振東部地震、能登半島地震など、全国各地で震度7を観測する地震が相次いでいます。
富山県内には主要な活断層が5つあるほか、能登半島や中越沖の海底断層や活火山である立山・弥陀ヶ原の火山活動の影響を受けるおそれがあります。
また、近年頻発するゲリラ豪雨による浸水、富山湾特有のうねりが強い高波「寄り回り波」など、自然災害にどう備えるかはとても重要です。
とは言え、いつ来るかわからない災害におびえながら暮らすのも、なんだか息苦しいですよね。
大事なのは、リスクを正しく理解し、適切な備えを行うこと。
今回は、富山県の暮らしの中で起こりうる災害について体験を通して学び、防災・減災のための対策やその取り組みの歴史について理解を深めることができる施設についてご紹介します。
「わかっていても怖い!」
実際にあった過去の大地震と同じ揺れでリスク体験
地震や災害について学べる施設は全国各地にありますが、富山県富山市の四季防災館では、富山の地形や自然の特性を踏まえ、季節ごとに考えられる災害を実際に体験しながら学べることが特徴です。
まず館に入って1階右手にあるのが、地震の揺れを体験できる装置。
3次元で揺れを再現する振動装置で、震度7までの揺れのほか、阪神淡路大震災や東日本大震災など、過去に実際に起きた地震を体験することができます。
東日本大震災と同じ揺れを体験した人は「揺れるとわかっていても怖くて、心臓がバクバクした」「こんなに揺れたら、何もできないと思う」などと話します。
いつ発生するかわからない地震。
だからこそ、どんな時にどういうシチュエーションで被災するかによって、取るべき避難行動も変わります。
次に挙げるのは、「地震から身を守る10ヶ条」を参考にして被災シチュエーションごとにまとめた重要ポイントです。
万が一の時にどう備えるか、家族や知人同士で話し合い、とっさの判断ができるようにしておきたいですね。
地震から身を守る10ヶ条
どんな時でも慌てずに、まずは身の安全を
スマートフォンやテレビ・ラジオなどで緊急地震速報が発表される場合、それから実際に揺れるまでの時間は数秒~数十秒。震源からの距離やその深度によっては緊急地震速報と同時に揺れることもあります。
ケガをしたら避難や火の始末が遅れてしまいます。まずはこのわずかな時間のあいだに落ち着いて、周りの人に声をかけながら身の安全を確保しましょう。
屋内にいる時に地震が発生したら
頭を守りながら、丈夫な机の下などに隠れましょう。大きな家具や落ちてきそうなものからは、できるだけ離れてください。阪神・淡路大震災や能登半島地震では建物の倒壊によって多くの命が奪われています。
また、慌てて外に出たり、無理に火を消そうとすると、かえって身の危険を招く場合もあります。揺れの程度や建物の強度などによって取るべき行動が変わってくるため、「今、地震が来たらどうする?」という危機の想定訓練を繰り返すことも大事です。
人が大勢いる場所で地震に被災したら
出口や階段に殺到しないよう、注意が必要です。
慌てて行動すると、思わぬ二次災害やトラブルにつながる可能性があります。周囲の人たちと協力し、施設管理者がいるような場所では落ち着いてその指示に従いましょう。
エレベーターに乗っている時は
最寄りの階で停止させて、すぐに降りましょう。
そのためのポイントは、揺れを感じたら、すぐにすべての階のボタンを押すこと。今いる位置がわからなくても、最寄りの階に停止させることができます。また、新しいエレベーターなどは揺れを感知した場合、自動的に最寄りの階で停止する機能を備えているタイプもあります。
緊急停止や扉が歪んで開かないなど、閉じ込められてしまったら、非常ボタンやインターホンで通報してください。
屋外にいる時に地震を感じたら
壊れやすいものや危ないものから離れましょう。
身近によくある代表的なものは、ブロック塀や自動販売機。割れた窓ガラスなどの落下などにも注意してください。
車に乗っている時は
ハザードランプを点灯して、周りの車にも注意をうながしましょう。急ハンドルや急ブレーキはかけると、追突などの事故を誘発する恐れがあります。後続車を確認し、緩やかに速度を落とし、状況に応じて道路左側に停止するなど、安全を確保しましょう。
車を離れる場合は、エンジンを切り、エンジンキーは付けたまま、もしくはわかりやすい場所に残し、ドアロックせずに安全な場所に避難しましょう。
火事の被害を最小限に抑えるために大事な初期消火
正しい消火器の使い方や放水の仕方を学ぼう
地震の際に、揺れと並んで怖いのが火事です。
最近は揺れを感知して自動消火するレンジやストーブも販売されていますが、揺れが収まったら火の元を確認しましょう。万が一火が出たら、大きな声で「火事だ!」と叫び、周りに火事が発生したことを知らせながら、初期消火にあたることが重要です。
四季防災館には、火災の映像が流れているスクリーンに向けて放水を行う「初期消火体験コーナー」があります。
消火器の使い方や正しい放水の仕方を学ぶことができるので、地震に限らず、火災に遭った際に被害を最低限に食い止めるための対処法を知ることができます。
ただし、初期消火が大切なことは間違いないですが、決して無理はしないでください。何よりも第一に考えなければならないのは、自分や周りの人の安全を確保することです。とにかく命を守るためにはどうしたらいいかを考え、行動しましょう。
<風速30m>はどんな風?<1時間150ミリ>はどんな雨?
言葉以上におそろしい雨風を身をもって体感
近年、深刻なのがゲリラ豪雨や台風などの自然災害。急激な天候の変化により、河川の増水や排水インフラのキャパシティオーバーによる浸水なども珍しくなくなってきました。
天気予報では、よく「風速〇メートル」や「1時間の降水量〇ミリ」などと聞きますが、実際にはどれくらいの風や雨なのか、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか。
四季防災館の風雨災害体験コーナーでは、風速30m、1時間の降水量150mmの雨風を体験することができます。
「気を抜いたら飛ばされそう」「息をするのも苦しい」とは、体験者の声。身をもって体感してみると、数字で聞く以上に恐ろしい雨風であることがわかります。
「これぐらいなら大丈夫だろう」「ひどくなってから避難しよう」など、ちょっとした油断が命取りになるのが、自然災害。緊張感を養うためにも、体験してみるのは大事かもしれません。
冠水した道路を歩くのは思っている以上に危険!
水深15~45cmの流水を体験
カッパを着て、流れる水の中を歩くことができる流水体験コーナー。
こちらでは、大雨で冠水した道路を服を着た状態で歩くことの大変さを実感することができます。
水深は15cm、30cm、45cmの3タイプ。
たとえば30cmの水深を体験してみると、成人男性でも水圧で足がからめとられ、前に進むのが困難なことがわかります。
近年は、大雨や台風被害で道路冠水してしまうことも少なくありません。
冠水した道路を移動するのは大変危険です。
最新の気象情報や避難情報に注意し、状況が悪化する前に避難することを心がけましょう。
「命を守る行動」とは?
「命を守る行動」――災害報道や避難訓練などでよく耳にしますが、実際には被災した時間や場所、災害の状況によって取るべき行動は異なります。
瞬時の判断を求められますが、その場合に何より必要なのが正しい知識です。正しい知識を持っていることで、落ち着いて判断し、確実に行動に移すことができるのです。
そのために、まずは体験して学ぶことから始めてみるのはいかがですか?
身をもって体感することで、きっと防災について興味を深め、地域や家族で考えるきっかけになるはずですよ。
出典:KNBテレビ「ワンエフ」「ニュースエブリィ」
記事編集:nan-nan編集部



