富山湾の王者と呼ばれるブリ。
約500種もの魚が分布する富山湾で水揚げされる魚介の中でも、冬に獲れる寒ブリは、まるまると太った身に脂がのっていて存在感も味わいも別格です。
特に、富山県内で最も多いブリの水揚げを誇る氷見漁港では、「ひみ寒ぶり」としてブランド化。
6kgを超える大きさや形、安定した水揚げ量などを総合的に判断して、本格的なシーズンが訪れると「ひみ寒ぶり宣言」を行い、その品質基準に合致するものだけを証明書つきの「ひみ寒ぶり」として出荷します。
文字通り、天然ぶりのことをもっともよく知る漁師や仲買人らの折り紙つきの「ひみ寒ぶり」は味も品質も抜群で、高級料亭やレストランなどでも重宝される全国的な知名度を誇ります。
そんな氷見のブリを、通常なら関係者以外は入れない漁港の中で食べられるのが、氷見漁港2階にある「魚市場食堂」。
店の前からそのまま場内を見下ろすことができる貴重なシチュエーション。開店すぐの早朝に行くと、水揚げして並んだ魚や競りの様子などを見られることもあります。
漁港で競り落とされた地魚がそのまま食堂へ
人気はブリ三昧の贅沢ブリ丼
地魚の刺身やブリカマなどの単品料理や定食、漬け丼や魚介だしのラーメンなどを食べることができますが、なんと言っても人気はブリ丼です。
どーん!とブリが何層にも。
「これでもか!」というくらいのっています。
数えてみたら、その数は18枚(入荷状況や仕入れ値によって変わります)。
腹や背など、脂のりが異なる部位がグラデーションのように並べられ、食べやすさのためか、炙りで脂を落とし焼き目をつけた切り身もあります。
そして、中央には見た目からも脂の霜降り具合がはっきりとわかるブリトロ。
どこから食べようか迷ってしまうほど、贅沢なブリ丼です。
丼には漁師汁がついてきますが、こちらも負けず劣らずのボリュームです。
土鍋にたっぷりの汁で、中にはおおきなすり身が2つ。
ブリなどの魚介のアラも入っていて、地魚の旨みがたっぷりと出ています。
老舗魚問屋が経営する食堂
正真正銘の地物を使うからこそ、値段は時価
さて、これほどまでのボリューミーなブリ丼、気になるのはお値段ですが…時価なんです。
取材した2023年11月は2500円(税込)でしたが、地物を使っているからこそ、漁獲量や仕入れ値によって価格が変わります。
実は、食堂を運営するのは、江戸時代から150年以上にわたって氷見の魚介を扱ってきた老舗魚問屋。他の産地の魚や養殖ものを使わず、価格やメニューが変動しても地物にこだわるのは、目利きのプライドです。
さらに、同じ天然の寒ブリでも「ひみ寒ぶり」宣言後は需要が一気に増して、価格が高騰するんだとか。そのため、リーズナブルに氷見の天然ブリを食べるなら、寒ぶり宣言前が狙い目のようです。
ただし…
「寒ぶり宣言が出てからのブリは脂ののりがもう一段上がって、やっぱり旨いんだよね」
と、店長の中田さん。
ただ脂が多いだけでなく、質がよく、とろけるような濃厚な甘さは、やはり「ひみ寒ぶり」ならではなんだとか。
魚市場食堂では、本格的なシーズンに入り、脂の量が多くなってくると、ぶりしゃぶもメニューに加わります。
12月から2月ごろの寒ブリシーズンには、市内の旅館や飲食店で寒ブリを味わうことができる「ひみぶりフェア」も開催され、ぶり一色に染まる氷見市。
全国から求められるその味わいを堪能してみてください。
記事編集:nan-nan編集部



