自由研究の宿題がまだ終わっておらず、どうしよう!!と悩んでいる家庭のみなさん。まだ、大丈夫です。
なるべくお金や時間をかけずに、しかもきちんと勉強にもなる!
そんな夢のような自由研究のテーマを富山市科学博物館の学芸員に聞いてみたシリーズ。
3回目は、子供も興味津々で食いつくかもしれない!?
おいしい手羽先を食べて、骨格標本作りに挑戦です。
教えてくれるのは、背骨のある動物(脊椎動物)担当の学芸員、清水海渡さん!
清水さんのアドバイス通りに、nan-nan編集部が試してみたので参考にしてみてください。
【用意するもの】
本題に入る前に、まずは準備しなければいけない物から。
とは言っても、特殊なものや専門的な器具は必要ありません。一般的な家庭にあるもので十分できるので、気軽に試してみてください。
【用意するもの】
・鶏の手羽先
・ピンセット
・歯ブラシ(使い古したものでOK)
・鍋
・ザル
・接着剤
【あるとよいもの】
・台所用の生ゴミネット
・オキシドール(漂白するため)
・入れ歯洗浄剤(タンパク質を分解するため)
① 手羽先をよ~く観察しよう
骨格標本作りの前にまず必要なのは、肉がついた状態の手羽先をしっかり観察すること。
スーパーや精肉店で買ってきた生の手羽先を、よく観察してください。
たとえば、関節はどれぐらい動くかな?
肉がついた状態で動かしてみると、思ったよりもかなりグニャグニャしていて、160度くらい広がりましたよ。
骨がどのように動くか、どれくらいの太さの骨が何本あるか…
事前に予想しながらじっくり観察することで、骨格標本を作ったときの理解や学びが一層深まります。
② 手羽先を調理して、食べよう
次は、手羽先の肉を削ぐ作業。
てっとり早く食べてしまいましょう。
調理の方法はなんでも大丈夫です。
甘辛く焼いても、唐揚げにしても、大根などと一緒に炊き上げてもOK。
簡単においしく調理して、肉を食べて骨だけにしてください。
食べる時に骨をバラバラにしても構いません。
ただし、1個だけ注意が。
それは、ナンコツは食べずに残すこと。
コリコリ食感がおいしくて食べちゃいたくなる気持ちもわかりますが、グッと我慢して残してください。
③ 骨だけになった手羽先をスケッチ(写真でもOK)
なるべくきれいに食べ終わったら、肉がなくなった状態の骨をスケッチしてみましょう。
写真に撮っておいてもOKです。
肉が付いた状態の手羽先とはどのように違うか。
全体のフォルムや太さなどを意識して、しっかり記録に残してください。
④ 手羽先を茹でて身の部分をすべて取り除く
スケッチや写真の記録をとったら、残っている細かな肉や脂を取るために鍋で手羽先の骨を湯がきます。
目安は弱火で30分~1時間。
正直、かなり長く感じますよね…ただ、脂を抜くにはそれぐらい時間がかかります。
ギトギトだとその後の作業がやりづらいので、ここはじっくり我慢して脂を抜くようにしてください。
茹で終えたら、ザルにあげます。
このとき、小さな骨をなくさないようにするため、台所用の生ゴミネットに入れておくのがオススメです。
さらに、骨に残っている肉を歯ブラシやピンセットで取り除きます。
かなり細かくて神経を使うので面倒くさいかもしれませんが、辛抱強く丁寧に作業してみてください。
投げやりに作業するのではなく、じっくり観察しながら取り除くことで、骨と肉がどのようにくっついているか、関節のナンコツはどうなっているのかなど、発見することができます。
ここまでくると、ほとんど骨格標本はできたも同然!
時間重視でできるだけ面倒な作業はしたくないという人は、次の作業は省略しても構いません。
もっときれいで本格的な骨格標本を作りたい場合は、さらに次の手順に進みましょう。
⑤【省略OK】脂抜きと漂白を完璧にする
鍋に新しい水と入れ歯洗浄剤を入れて、さらに弱火で1~2時間ほど煮ることで脂を完全に抜くことができます(常温で1日ほど放置するのでもOK)。
さらにその後、オキシドールに数時間ほど漬けておけば、骨が漂白され、本格的な標本のように真っ白できれいな仕上がりになります。
⑥ 骨を乾燥させ、接着剤でくっつける
骨を乾燥させたら、元の形のように並べてみましょう。
その時に参考にするのが、③で描いたスケッチです。
とは言え、小さな骨の位置や向きなどは正直、わからないですよね…というわけで、下の図Aもあわせて参考にしてください。
並べ終わったら接着剤などでくっつけます。
手先が器用でないと難しい作業ですが、実はできあがりが上手だろうが下手だろうが、自由研究の完成度には関係ありません。
スケッチや図を見ながら骨を並べてくっつける作業を通して、骨格を立体的に理解することがもっとも大事なのです。
⑥【ここがポイント!】ヒトの手を比べてみよう!
骨格標本ができあがりました。
いよいよ研究の最後となる考察です。
手羽先の骨格をよく観察しながら、自分(ヒト)の手のどの部分にあたるのかを考えてみましょう!
上の2つの図はそれぞれ、トリの手羽先(図A)と、私たちヒトの肘から先と同じ部分(図B)です。
手羽先の手根骨(しゅこんこつ)がある部分が、ヒトの手首部分とおなじで、その先が指となっています。
上下の骨格をよ~く見比べてみてください。
第1、第2、第3の指骨が、ヒトの指骨とかなり違うことがわかりますね。そして、第4、第5の指骨はありません。
私たちヒトは指が5本ありますが、トリは翼を支えるための骨に変化していていて、骨同士が癒合(ゆごう。くっついていること)し、骨が残っているのは指3本分だけなのです。
このように、トリとヒトの骨を見比べて、同じところや違うところ、気づいたところを書き出してみましょう。
どうしてなのかを考えることで、さらなる研究につながります。
さらにもっと知りたい人は…
今回は、小さくて手軽にできる手羽先を使いましたが、同じ要領で他の部位の骨格標本を作ることもできます。
手羽元や骨つきの鶏モモ肉、ブタの豚足などにも応用できるので、気になった人はどんどん試してください。
トリの指は3本、ヒトの指は5本だけど、ブタの指は何本かな?
ヒトの指が5本なのはどうしてかな?
などなど…
疑問に思ったことを書き出したら、来年の自由研究のテーマにもなります。
関心や興味を持ったことを日々、メモをしておいて、なんでも調べるクセをつけておくと、自由研究だけでなく学校での勉強も楽しくなるかもしれませんね。
記事編集:nan-nan編集部



