万が一の時、あなたは動ける?
防災士に聞く、普段の準備と防災意識
2020年ごろから石川県 能登半島周辺で頻発している地震。
地下深くの水が影響していると言われていて、人が揺れを感じる有感地震から揺れを感じない小さなものまで、発生回数が多く、発生エリアも広がっていることから、今後もしばらくは警戒が必要とされています。
また、震源が沖のほうへ拡大した場合には津波が発生する可能性もあり、隣接する富山湾の沿岸一帯でも注意が必要です。
そんな防災を考える上で大事なのが、普段からの備えと意識。
いざという時に備えておけば、地震や津波だけでなく、台風や大雨・大雪など、急な自然災害にも対応できることがあります。
何に気を付けたらいいのか。
防災士で富山県防災士会理事長の佐伯さんに聞きました。
【メモ:防災士とは?】
災害の基礎知識を身につけ、地域での防災啓発・訓練などを実施。
災害からの被害を最小限にとどめる地域防災力の担い手。
取材協力:防災士 佐伯邦夫さん(富山県防災士会理事長)
緊急地震速報が鳴ったら「慌てない」
緊急地震速報が鳴ると誰でも驚きますよね。突然のことにどう動けばいいか分からないという人も多いのではないでしょうか?
速報が発表されてから強い揺れが来るまでの時間は、数秒から数十秒しかありません。ただし、慌てすぎる必要もありません。
緊急地震速報を見聞きした時は、まず落ち着くこと。
まわりの人に声をかけながら「周囲の状況に応じて、慌てずに、まず身の安全を確保する」ことが基本です。
とは言っても…頭でわかっていても慌てちゃう
だからこそ、事前のシミュレーションが大切!
とは言っても、突然のことに驚いてしまいます。
頭ではわかっていても、咄嗟の場合はなかなか判断や行動ができないですよね。
どんなことを心掛けるべきでしょうか。
防災士の佐伯さんによれば事前のシミュレーションが大切だそう。
佐伯さん
「全国いつどこで地震が起きてもおかしくありません。いざという時にどう行動しないといけないか、事前に考えておきましょう」
特に怖いのは 寝ている時
日頃から安全な環境づくりを
地震はいつ起きるかわかりません。特に怖いのは深夜など、寝ている時。
咄嗟に起きたはいいものの、なかなか状況が理解できなかったり、電気が消えているので焦ってしまったり…。
それが怖くて、大きな地震に遭った後はなかなか寝つけず、精神的にまいってしまうという方も多いのではないでしょうか。
就寝時に地震が起きても対応できるように、寝室は日ごろから安全な環境を整えておくことが大切です。
佐伯さん
「寝室にはなるべくタンスなどの物を置かないように。置く場合は背の低いものを選びましょう。大きなタンスや家具は倒れないよう固定してください」
また、ベッドの近くには厚底のスリッパや運動靴を置いておくといいそうです。
地震の際は、家の中にものが散乱し、ぐちゃぐちゃになります。落ちたものや割れたガラスなどを踏むと足をケガしてしまうので、足を保護して安全に避難できるよう準備しておきましょう。
家や家具、住環境の見直しを
行政の支援制度が活用できることも
地震でもっとも怖いのが、家の倒壊。住んでいる家の耐震性は大丈夫なのか、調べておく必要があります。
耐震診断や改修工事にかかる費用は決して少なくないため、「いつ来るかわからない地震のために耐震工事は…」と考えてしまう気持ちもわかりますが、万が一への備えが自分や身の回りの人の命を守ることにつながります。
たとえば富山県では、一定の木造住宅に対して耐震診断費用の9割を、耐震改修工事の費用の8割(最大100万円)を補助するなど、行政が設けている支援制度を活用するのも一手です。
また、家具やテレビ、パソコンなどが固定されていなかった場合、震度6以上の揺れが生じると、倒れたり、飛んで来たりすることもあります。硬い角や尖った液晶パネルの破片などは、凶器になり得るため、非常に危険です。
しっかり固定する、転落防止のグッズを使うなどしておきましょう。
一つ一つは些細なことでも、実行することが大切です。
木造住宅の耐震診断・耐震改修の支援制度(富山県WEBサイト)
https://www.pref.toyama.jp/1507/bousaianzen/bousai/jishin/kj00002134/kj00002134-001-01.html
非常用持ち出し袋は「自分仕様」にして玄関に
万が一の備えで重要なのが緊急時の持ち出しバッグです。
賞味期限の長い水や食料、懐中電灯や簡易トイレなど、避難生活に必要なものがセットで販売されています。家族構成にあわせて「自分たちで必要なものを組み合わせて準備している」という家庭もあるでしょう。
セットの中にはどういったものがあるとよいのでしょうか。
佐伯さん
「市販されている持ち出し袋には、あれば便利なものがいっぱい入っています。ただ、自分や家族にとって本当に必要なものは限られています。中身を確認して、不要なものは抜き、足りないものを足しましょう。
また、災害時には携帯・スマートフォンが頼りになります。充電装置などを手早くまとめて鞄に入れられるように、日ごろから意識しましょう」
普段から飲んでいる薬やスペアのメガネ、小さな子供がいる家庭ではおむつや液体ミルクなども必要かもしれません。
家族構成に合わせて必要なものをしミューレーションし、適切に見直しましょう。
持ち出し袋を準備したあとは、いつでも持って避難できるよう玄関に置いておくのがポイントです。
非常時こそ食べ慣れた「お菓子」を
災害時には不安や緊張が続き、感覚がいつもと変わることも。
そんな時は、普段食べ慣れているようなものがあると安心できるかもしれません。
たとえば、子供が安心して食べられるように、お馴染みのお菓子で非常携帯用に缶入りバージョンを販売しているものもあります。
子供たちのおやつとして定番のビスケット「たべっ子どうぶつ」。
非常時用に作られたものは5年保存が可能で、卵不使用のため、卵アレルギーの人でも食べることができます。
災害時にお腹を満たしつつ、かわいい動物たちがホッとさせてくれそうですね。
湖池屋のポテトチップスも、5年保存が可能な缶入りがあります。塩分や炭水化物を手軽に補給ができる点が非常食として優れているそう。
防災対策として具体的に何を集めればいいのか迷う人も多い中で、身近なスナックを家に備えるだけで防災になること、また、非常時こそ普段食べているものでほっとしてほしいという思いから開発されたそうです。
非常時には体が食べ物を受けつけない可能性もあり、その時その瞬間に何が食べられるか、食べたいと思えるか、わかりません。
非常食には定番の缶詰やレトルトのほかに、甘いもの、しょっぱいもの、固いもの、柔らかいもの…バリエーションをもたせて準備しておくとよいかもしれませんね。
子供の命と心を守るために
小さな子供がいる子育て世代や大家族にとっては、自分の命に加えて「子供の命をまもる」ことも大切なミッションとなります。
揺れた時の行動や非常用持ち出し袋に入れておきたいものなどを調べてみました。
一番大切なのは「あたまを守ること」
赤ちゃんや小さな子供と一緒の時に揺れを感じたら、真っ先に頭を守ってあげましょう。
抱っこをして移動などをする際も、頭を守ることが大切です。
小さな子供であれば、お腹に子どもの頭をくっつけて折り重なるように抱えて守る方法もあります。
子供が嫌がらないように普段から遊びに取り入れるなどして、慣れておくのも一つの手ですね。
持ち出し袋には「安心できるもの」を
避難する時の持ち出し袋については公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが公表している「子どもにやさしい非常用持ち出し袋チェックリスト」が参考になります。
重要なのがリストの24番目「安心できる大切なもの」。
たとえばぬいぐるみや、遊び慣れたおもちゃ、触ると安心できる毛布など。いわゆる「防災グッズ」ではないので見落としがちですが、慣れない避難生活で大人以上に不安を感じる子供に安心感を与えてくれ、少しでもストレスを軽減することにつながります。
また非常食も、レトルト食品やカンパンといった定番品に加えて、お菓子など普段から食べ慣れているものがあると、安心につながりそうです。
▽こちらも参考に
子どもにやさしい防災(セーブ・ザ・チルドレン)
https://www.savechildren.or.jp/lp/drr/
今すぐできるのは「考えておくこと」
重要だとわかってはいても、住宅の耐震性チェックや家具の設置方法の見直しなどは少し時間がかかりますよね。
ただ、この記事を読んだあとすぐできることがあります。
それは「頭の中でシミュレーションする」こと。
- 緊急地震速報が出たり、揺れを感じたりしたらどう動くか?
- 避難場所はどこか?どの経路で行くか?
- 緊急時の連絡先は?
- 非常用持ち出し袋には何を入れる?
などなど…
いざという時に備えて、どういう行動をとるのかあらかじめ決めておき、家族で共有しておくことが大切です。
自分、そして大切な人の命を守るために、今すぐ行動しましょう。
出典:KNBテレビ「いっちゃんKNB」
2023年5月8日放送
記事編集:nan-nan編集部



