加賀棒茶ならぬ富山棒茶も!お茶の飲み比べに茶スイーツも味わう「お茶コース」が人気の富山の老舗茶舗【藤岡園】

石川県で広く飲まれている「棒茶」。
茶の「葉」ではなく、通常は商品にならない「茎」の部分を炒って作るため茎茶とも呼ばれ、安価に楽しめるお茶として明治ごろから加賀地方で飲まれるようになりました。
一般的ほうじ茶よりも香ばしく、苦味成分のカフェインも少ないため、近年では「加賀棒茶」としてブランド化されつつあります。
が、富山県にも風味豊かなこだわりの「富山棒茶」があるのをご存知ですか?
ワイングラスで茶を飲み比べ…
老舗茶舗の「お茶コース」

「富山棒茶」を販売するのは、富山県射水市黒河にある藤岡園 黒河本店。
1878(明治11)年に日本茶の製造と卸売り始めた老舗の茶舗です。

創業当時は、富山県内にも茶畑や加工工場があり、富山産の茶を扱っていましたが、時代とともに減少。
そのため、現在は全国から厳選した茶葉を荒茶(摘んで蒸し、乾燥した状態)の段階で仕入れ、味や香り、大きさを整えるなどの仕上げ加工を丁寧に施したオリジナルの茶を製造し、販売しています。

そんな「藤岡園」では、日本だけでなく富山の茶文化を伝え、守っていきたいという想いから、お茶を通した体験や学びを楽しめるようになっています。

そのひとつとして用意されているのが、3種の茶の飲み比べと茶を使った2種のスイーツを楽しむことができる「お茶コース」。

カウンターに座って注文すると…

なんと、ワイングラスが出てきます。
香りを存分に味わってほしいということで、ワイングラスの中でも口が広い大きなブルゴーニュ型グラス。
そこに注がれるのが、「富山棒茶」です。
試行錯誤の末にたどり着いたやわらかな香りと甘み
風味豊かなこだわりの「富山棒茶」

藤岡園の「富山棒茶」は、緑茶の茎の部分を弱火で焙煎し、遠赤外線の効果で茎茶本来の甘みと柔らかい香りを最大限に引き出しているんだとか。
試行錯誤を繰り返してようやくたどり着いた、こだわりの風味です。
藤岡園のほうじ茶部門では、人気ナンバー1。
ちなみに、その香り高い富山棒茶をたっぷりと使った、ほうじ茶ロールケーキも人気なんですよ。

藤岡園では、生産地の茶畑を実際にたずね、生産者の想いを直接聞くことで、自社での加工に活かしています。
そこで大切にしているのが、一期一会の出会い。
たとえ同じ茶畑や生産者でも、まったく同じ品質の茶葉に出会えることは一度としてないと言います。
そんなお茶との一期一会を楽しめるよう、茶葉によって抽出方法やグラス・茶器も変えます。
たとえば、さわやかな香りとのどごしを味わってほしい水出し緑茶には、富山棒茶とは違うフルート型のグラスを。

丁寧に仕上げた茶だからこそ、その特徴を味わい尽くすことができるように最適な形で提供してくれるのです。
普段、お茶はあまり飲まないという方も、藤岡園で学ぶと富山のお茶、日本茶のイメージがちょっと変わるかもしれませんよ。
(※お茶コースで提供される茶や菓子は、日によって変わります)



【店舗情報】 藤岡園 黒河本店
住 所 富山県射水市黒河3235
営 業 9:00~18:00
電 話 0766-56-0338
定休日 不定休
駐車場 あり
出典:KNBテレビ「いっちゃん☆KNB」
2023年9月5日放送
記事編集:nan-nan編集部