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むし歯菌って本当にある?ママから赤ちゃんにうつる?――歯医者さんに聞いた歯と口のケアQ&A

歯間ブラシとフロスはどっちがいい?
かぶせ物で金属アレルギーになる?
気になる「歯と口の疑問」を歯科医師に質問!

6月4日~10日は「6(ム)4(シ)」にちなんで「歯と口の健康週間」です。

 

富山市ではあす4日(日)、子供と一緒に楽しみながら歯と口の健康を学べるイベントが開催されます。

むし歯や歯周病の予防は毎日の歯みがきで…と、歯や口に関する健康は大切な生活習慣ですが、意外に知らないことも多いのでは?

 

たとえば、

  • むし歯菌って本当にあるの?
  • スプーンや箸を親と子供とで共有するのはよくない?
  • 歯磨きにプラスするなら歯間ブラシとフロスどっちがいい?

などなど、わかっているようで実は知らないこともありませんか?

 

今回は、歯と口のケアについて気になることを、歯科医師に教えてもらいました。

 

 

取材協力:城川和夫医師(富山県歯科医師会副会長、富山歯科総合学院学院長)

Q. 俗に言う「むし歯菌」って本当にあるの?

A. あります。でもケアをしていれば大丈夫。

「ミュータンス菌」という名前を聞いたことがありませんか?

 

むし歯の原因となる「むし歯菌」の代表は「ストレプトコッカス・ミュータンス菌」。赤ちゃんのころにお母さんやお父さんからうつると言われています。

 

ただし、むし歯菌そのものが歯を削るわけではありません。

 

ご飯やおやつを食べたあと、歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目には細かい食べかすが残ります。ミュータンス菌はそれを栄養にして「歯垢(プラーク)」を作り、さらにその歯垢の中で「酸」をつくります。この「酸」が歯を溶かして穴を作るのです。この穴が「むし歯」の正体です。

 

むし歯ができるのは「甘い物」「歯の形や性質」「むし歯菌」の3つの条件が重なった時。そして、それら3つの条件に長時間さらされるほど、リスクが上がります。

 

つまり、裏を返せば、むし歯菌が口の中にあっても歯みがきなどのケアをしっかりしていれば、むし歯はできないということです。

Q. 赤ちゃんと大人で食器の共有はしないほうがいい?

A. あまり神経質にならなくても大丈夫です。

唾液の中には口の中の細菌が含まれているので、親が使ったスプーンや箸をそのまま使って子どもに食べさせたり、同じストローで飲み物を飲んだりするといった行為で親から子にむし歯菌がうつります。

 

ただ、どれだけ気をつけていても唾液は飛散します。

たとえば熱い食べ物を冷まそうと「フーフー」と息を吹きかける、この息の中にも唾液が含まれている可能性はあります。

 

0~2歳の間にすべての人が主に親からむし歯菌がうつります。

「絶対にむし歯菌をうつさない!」と神経質になるよりは、日々のケアを大切にしましょう。

誰の口の中にもむし歯菌はいるので、「毎日の歯磨きをしっかりする」「甘いものをダラダラ食べない」といったことに気をつけていれ

ば、むし歯のリスクは激減します。

ちなみに、日本人のむし歯は激減しています。

12歳の子供のむし歯の平均本数は、約40年前の1984年で1人あたり4.75本でしたが、2021年には0.6本まで減っています。

近年は歯科医の肌感覚としても、学校の1クラス約40人のうち、むし歯があるのは2~3人という状況なんだそうですよ。

Q. 歯みがきにプラスするなら歯間ブラシ?フロス?

A. 人それぞれです。歯医者さんでアドバイスをもらいましょう。

歯間ブラシやデンタルフロスは、歯と歯との間や歯ぐきとの間など、歯ブラシの届かない場所の汚れを落とすものです。

 

人によって歯の形や、歯と歯の隙間の大きさ、歯ぐきの状態などは異なるので、どちらが適しているのかは一概には決められません。

 

歯医者さんで定期的に健診を受けて、どちらを使えばいいか、サイズや形はどんなものがいいかなど、自分の状態に合ったアドバイスをもらうようにしましょう。

Q. むし歯治療のかぶせ物で金属アレルギーになるって本当?

A.本当です。しかし、頻度は高くありません。

虫歯治療のあとにかぶせる金属(いわゆる「銀歯」「金歯」)は、長い年月をかけて溶け出し、まれに金属アレルギーを引き起こすことがあります。

 

ただし、金属アレルギーが発症する確率はそう高いものではありませんし、金属のかぶせ物があれば必ず発症するわけでもありません。

 

どうしても気になる人は歯医者さんで相談しましょう。

金属を含まない別の素材に付け替えることもできます。保険診療が適用されることもあるので、気になったらまずは相談してみましょう。

Q. 口臭が気になる…いい対策方法は?

A. 毎日のケアで改善しないなら、受診を。

口臭の原因はさまざまです。

むし歯や歯周病といった病気のほか、胃腸や鼻の病気に由来するものもあります。それ以外に、たとえば口呼吸が習慣になっていると、口の中が乾燥し、口臭の原因となることも。

 

毎日歯みがきをして気をつけていても臭ってしまう…という人は、一度病院を受診しましょう。

クリーニングで歯垢や歯石を除去したり、自分に合った歯みがき指導を受けたりすることで改善できるかもしれません。

Q. 歯の色素沈着をきれいにしたい!家でのケアで改善する?

A. ホームケアでは難しいので、定期的に歯医者さんへ。

コーヒーや紅茶は色素沈着の原因になりますが、飲んだ直後にすぐ歯磨き!というのは現実的ではありませんよね。

 

毎日歯みがきしているのに歯の表面が汚れているという場合は、歯医者さんでクリーニングしてもらいましょう。むし歯や歯周病はなくても、クリーニングで定期的に歯医者さんに通っている人は増えています。

 

また、色素沈着しやすい人は唾液の量が少なくなっているかもしれません。

色素が沈着するほど飲み物が口の中に滞留しているということは、本来口の中を洗い流しきれいにする唾液が減っているのかも。

 

食事の時はよく噛むなど、唾液量を増やすよう意識してみましょう。

歯に不調がなくても、歯科の受診・健診が効果的

歯医者さんはむし歯を治療する場所…だったのは昔の話。

現在は、むし歯や歯周病の予防や、噛む力・飲み込む力などの口腔機能を増進・維持することがメインというクリニックも増えています。

 

歯と口の健康は、全身の健康にもつながります。

特に不調を感じていなくても定期的に歯科健診を受けたり、クリーニングをしてもらったりして、歯と口の健康を保てるよう意識したいものですね。

記事編集:nan-nan編集部

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