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アナウンサーブログ

ニュース原稿の“デザイン”

番組 2020/11/13

実際に使用しているニュース原稿

私たちが読んで伝えるニュース原稿にも“デザイン"があるのです。新聞記事は同じ縦書きでも、一つの文章が途中で改行されることなく連続して文字が並んでいます。

これに対し、アナウンサーなどが声に出して読む放送のための原稿は、一つの言葉や一つの文脈で改行されています。しかも、その一行一行が原稿用紙の上から書かれていたり、途中から書かれていたりと、まちまちです。このスタイルを「千鳥書き」と呼びます。酔っぱらいの“千鳥足"のように、左右にジグザグとふらつくように見えるから名付けられたのだと推察しています。


「千鳥書き」の原稿

でも、これには理由があるのです。読み手が、文章の捉え方や言葉の区切り、文脈、段落などを間違わないように、ひと目で分かりやすくするための工夫です。書く際の基本は、主語を頭にして、左肩下がりに書いていきます。共同通信のニュース原稿も千鳥書きを採用しています。


共同通信が配信するニュース原稿

ニュースを読む側から言わせてもらうと、視界の端に、これから先に読むであろう文章のまとまりやつながりを直感的に捉えることができ、文章の構成を理解しやすいのです。自分も原稿を書く際は千鳥書きです。文章が長い場合は、文脈の“山"を2つ作ることもあります。1枚の原稿用紙を見た時の全体のバランスも意識してデザインしています。


「雨だれ式」の原稿

一方、原稿の上端を一列に揃えて書くスタイルの記者もいます。これを「雨だれ式」と呼びます。軒先から落ちてくる雨だれのようなので付けられたのだと思います。上が揃っていると見た目はすっきりとしています。しかし、これだと、どこで文脈や段落が切れているのか目で捉えにくいのです。何度か下読みすれば大丈夫ですが、速報で入ってきたニュース原稿を“初見"で読む時には“嚙んでしまう"可能性が高いと思います。


パソコンソフトも縦書きで入力

ニュース原稿の“デザイン"、もう一つは“縦書き"になっていることです。このブログもそうですが、パソコンで文書を作成するときには横書きが主流です。しかし、ニュース原稿を作成するソフトは縦書きで入力します。その理由は次の通りです。日本語の文章を声に出して読むと、始まりは音程が高く、終わりになるに従って低くなります。こうした音声表現を「頭高尾低」(とうこうびてい)といいます。縦書き原稿は、文章が上から下に向かっていて、生理的にもこうした表現をとりやすいのです。これが横書きになると、音の高低を出しにくく違和感があります。以前はアクセントをつけて読んでいた単語、例えば「映画」や「電車」が、今ではアクセントのない“平板"になってしまったのも、こうした横書きが主流になったからなのかもしれません。

言うまでもありませんが、ニュース原稿はもちろんデザインも大切ですが、その中身と分かりやすさ、そして、読み手の理解度があって初めて多くの人に伝わるものだと考えています。


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