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夏の「後立山連峰」縦走・後編(五竜岳~八峰キレット~鹿島槍ヶ岳~爺ヶ岳)

プライベート 2020/08/28

モルゲンロートに輝く五竜岳

8月17日から白馬岳~唐松岳~五竜岳~鹿島槍ヶ岳~爺ヶ岳までの後立山連峰を縦走する3泊4日の単独登山をしてきました。ルート上には、日本三大キレットのうち、不帰嶮(かえらずのけん)と八峰キレット(はちみね)の2つがあり、山のグレーディングで最難関の登山道です。前半で不帰嶮を報告しました。後半2日間は、八峰キレットなどを通過する山行記録です。


五竜岳登山道から眺める雲上の山並み


五竜岳の山頂にて 左の双耳峰が鹿島槍ケ岳

【3日目】五竜山荘~八峰キレット~鹿島槍ヶ岳~冷池山荘(約8時間・10km)
早朝から高気圧による下降気流パワーを感じる絶好の登山日和。体調も万全で3日目を迎えました。眼前の五竜岳(2814m)をガシガシ登ると東側には雲海に浮かぶ幻想的な山並みが。40分ほどで山頂へ到着。山頂部は富山県黒部市です。南側に望む双耳峰(そうじほう・山頂付近に2つの耳のように対になったピークを持つ山のこと)鹿島槍ヶ岳(2890m)を目指します。


常に右手に見える剱岳と立山が見守るよう


この切り立つ岩峰を乗り越えていく


“G5"は岩の中を潜り抜ける感じ

八峰キレットばかり意識していて、その手前の五竜岳からキレット小屋に到るまでのルートの厳しさは予想外でした。全体的には下り基調ですが、足場はザレていて滑りやすく思わず鎖に頼ってしまいます。“G4"、“G5"という難所では目の前に立ちはだかる岩稜に怖気づきそうでした。
※「G」とはグラート(ドイツ語でやせ尾根の意)の略で0~5まである(山頂はG3)


標高を上げると次第に深さを増す空の色

緊張した気持ちを和らげたのが群青色の空。高気圧シャワーが降り注いでいることを感じます。積乱雲を作り出す上昇気流を抑え、山岳地帯特有の夕立すら起きない予感。出発から4時間後、八峰キレット直前に建つ“八峰キレット小屋"が見えてきました。よくぞ、こんな場所にあるかという山小屋。水分を補給し小休止。これから向かう難所に気持ちを整えます。


八峰キレット小屋と鹿島槍ヶ岳

取り付きからハシゴと鎖場の連続。すれ違った登山者から「大人のアスレチック、楽しんで」と声をかけられました。その最大の難所が“八峰キレット"。深く切れ込んだV字の谷を通過します。滑落すればどこまで落ちるのか、生きては帰れないでしょう。しかし、緊張感はあったものの、あっさりクリア。正直、物足りなさを感じたほどでした。その後は鹿島槍ヶ岳を目指して登ります。
※登山後、冷静に考えると、五竜岳山頂~八峰キレット小屋までが最難関だったように感じました。


ハシゴや鎖があり整備された登山道という印象


これが八峰キレット、中央やや右下の登山者が向かう


キレットに向かってハシゴで降りる


ハシゴの途中で記念撮影

鹿島槍ヶ岳は、北峰(2842m)と南峰(2889m)の2つのピークがある双耳峰です。日本百名山の著者、深田久弥は「魅力は何と言っても両槍とその間の吊尾根の美しさ」と表現しました。五竜岳からの登山道は、その吊尾根の途中に合流します。リュックを合流地点にドロップして5分ほどで北峰頂上に到着。続いて“魅力的な吊尾根"(日本百名山より)を通って約30分で南峰頂上へ。前日よりさらに大きく見える剱岳と立山を正面に望みながらの食事は最高でした。


鹿島槍ヶ岳 左:北峰~吊尾根~右:南峰 


吊尾根との合流点 左後ろは「五竜岳」


北峰から見た南峰へ至る美しい吊尾根


これまでの縦走路をバックに充実感


黒部川を挟み対岸のほぼ真西に望む剱岳と立山

ここから先は、この日宿泊する冷池山荘(つめたいけさんそう)まで下り基調の稜線歩きです。右手には常に剱岳と立山を望むことができます。一部、樹林帯にも入るので念のためクマ鈴で用心。至る所に高山植物が咲き誇り、チングルマはそろそろ綿毛に変わりそうでした。


爺ヶ岳(3峰ある)に続く稜線 爺ヶ岳で西に湾曲している


綿毛前のチングルマが群生するポイント

午後1時半という早い時間に予約していた冷池山荘に到着。名物というピザを注文し、翌日の下山スケジュールやバスの出発時間を確認するなどしてゆったり過ごしました。山荘のベンチからくっきり見えるのは登ったばかりの鹿島槍ヶ岳の姿。室内は1人ずつカーテンで仕切れるようになっていて、コロナの感染防止対策を工夫する山荘の姿勢がうかがえました。


予定より早く冷池山荘に到着


1人でたいらげたピザ


カーテンで仕切って感染防止対策


夕日を浴びて東斜面が日陰になった鹿島槍ヶ岳


◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



4日目に目指す爺ヶ岳

【4日目】冷池山荘~爺ヶ岳~扇沢駅(約3時間・9km)
最終日も快晴。山荘で朝食を済ませ午前5時半前に出発しました。難所はなく南に続く稜線歩きで爺ヶ岳(じいがたけ・2669m)を目指します。黒部川を挟んだ対岸に剱岳と立山を見ながらの縦走です。爺ヶ岳は北峰、中峰、南峰の3峰ありピークは中峰です。そして、北から南へ真っすぐに伸びてきた後立山連峰の稜線が、この爺ヶ岳で西に湾曲し黒部ダム方向に向かいます。


樹林帯の間からもつい剱岳と立山を意識してしまう

個人的には南峰からの眺望が最高でした。振り返ると鹿島槍ヶ岳からの縦走路が手に取るように分かり、西を望むと剱岳、立山はもちろん、薬師岳、赤牛岳、水晶岳、槍ヶ岳まで北アルプスの主要な山々をほとんど一望できます。


これまでの縦走路を望み感慨深いものが


北アルプスを一望できるパノラマビュー

爺ヶ岳周辺は、国の特別天然記念物・ライチョウが多く、晴天でも登山道の脇に親子ライチョウが姿を見せ、エサをついばんでいました。


母鳥とヒナ2羽のライチョウ親子


高山植物の花畑の中に建つ“種池山荘"

オレンジ色の屋根が印象的な種池山荘から柏原新道を下って立山黒部アルペンルートの長野県側の起点・扇沢駅に下山です。柏原新道はよく整備された登山道で、トレイルラン大会のように気持ちよく走り降りることができました。扇沢駅から車を停めた白馬八方バスターミナルまでは直行バスが運行されていますが1日1往復。このダイヤに間に合うかどうか気にしていましたが、予定より1時間以上早い到着でした。


走れるトレイルも多い“柏原新道"


冷池山荘から3時間あまりで下山

今回の山行で発見したことがありました。後立山連峰というと、富山県側からは立山連峰の奥にあるため平野部から望むことができません。このため富山県民にはあまり馴染みがなく長野県の山のように感じていました。しかし、そうではありません。後立山連峰は黒部川を挟んでその対岸に存在する富山と長野県の両方にまたがる山々です。"黒部川の浸食"という同じ成り立ちから考えると「一卵性双生児のようなもの」(立山カルデラ砂防博物館)で、後立山連峰を登ることで立山連峰の魅力も再発見できました。そして、その両方を知ることで初めてお互いの魅力の全てを味わうことができると実感しました。

後立山連峰の縦走を始めた白馬岳から下山直前の爺ヶ岳まで、どこからでも見えたのが剱岳と立山でした。その日のうちに富山市内に戻り、向かったのが呉羽山展望台。いつもの景色を望みたいと考えたのですが、残念ながら雲に覆われていました。


呉羽山山頂にある“立山開山の祖「佐伯有頼」の像"

※4日間の山行で体を絞ることができました。下山後に測定した体脂肪率は6.3%!
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