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アナウンサーブログ

「日本武尊」伝説の山を駆ける75km

プライベート 2019/09/27

受付時にもらう「武尊山神宮」の御守り

群馬県北部にある日本百名山「武尊山」(ほたかやま・2158m)。山名の由来は、日本武尊(やまとたけるのみこと)の東征の故事によるものといわれています。その周囲をめぐるトレイルランニング大会が「上州武尊山スカイビュートレイル」。9月22日(日)、3種目あるうちの中級編「スカイビュートレイル70」に参加しました。距離は約75km、累積標高は約4500mとかなり手強いコースです。ただし、制限時間は24時間あり、主催者は「歩いても間に合う設定」と説明しますが・・・。


コース図:スタートとフィニッシュ地点が違う


予想していた以上の好天に安堵

台風17号接近の影響で大雨と強風を心配しましたが、青空が広がる絶好のコンディション。午前6時、秋の冷えた空気の中、宝台樹スキー場を550人余りが一斉にスタート。全体の真ん中あたりの位置をキープしながらゲレンデを駆け上がる・・・、ことはできず、最初から歩きます。


走る人はおらず行列になって歩く


武尊神社の前ではランナーが足を止めて参拝

スキー場を過ぎると、コース最高地点の「武尊山」(2158m)を目指します。登山口には「武尊神社」があり、多くのランナーが手を合わせてレースの無事を願っていました。登山道は狭いため、先行ランナーを追い抜くことはできず周囲のペースに合わせて進むしかありません。途中、長いハシゴを下る大会専用コースも。


ランナー渋滞回避のためハシゴが2本かけられている

今回の大会では、スタートからフィニッシュまで全区間でストックの使用が認められていたため、初めて使ってみました。結果、上りは腕の力で体を引き上げることができ、下りは膝への衝撃をやわらげることができて効果は絶大でした。感覚的にですが、使用しない場合に比べて2割ほど“足を温存"する効果がありました。


ランニング仲間から借りたストックを使用


「武尊山」山頂からの眺望

スタートから約3時間で「武尊山」山頂(2158m)に到着。まだ10kmも進んでいません。エネルギー補給しながら眺望を楽しむ余裕もありました。下りは気持ちの良いトレイルコース。集団がバラけ、自分のペースで快調に走ることができました。コースには1kmごとに距離看板が、加えてリボン、点滅灯が設置され、ランナーが迷うことがないよう配慮されています。


スピードを出しやすい武尊山下りのコース


迷いやすい場所に取り付けてある目印のリボン


「尾瀬岩鞍スキー場」のゲレンデを上る

最初のエイドステーションを過ぎてから現れるのが「尾瀬岩鞍スキー場」のゲレンデ。写真では伝わりにくいのですが、標高差300m以上とかなりの急勾配を一気に上ります。本来、スキー場は滑り降りるもの。「しんどい」と思うと余計に「しんどい」ので、「1、2、3・・・」と歩数を数えながらリズムで上ります。2000歩弱でピークに到着。2時間ほど前にいた武尊山の全景を眺めることができました。


8つの峰からなる百名山「武尊山」(2158m)

次のエイドステーションを通過して走っていると、「スカイビュートレイル140」(143km)の招待選手、望月将悟選手に抜かれます。望月選手は、静岡市の消防隊員です。富山県魚津市の日本海を出発し、日本アルプスを越えて静岡県の太平洋に到達する約415kmの山岳レース「トランスジャパンアルプスレース」に4大会連続で優勝(開催は2年に1度)。2018年は、途中の山小屋などでの食事の補給を受けず、全てをザックに背負って挑戦。その結果は、6日と16時間07分で完走、7位でした。


鍛え上げられた足の筋肉が印象的な望月選手

こんなチャンスはないとペースを上げて並走。「さすがに速いですね」と聞くと「まだまだ速い人がいるから完走狙いです」と望月選手。太いふくらはぎの筋肉とは裏腹に控え目なコメント。ところが、この大会、望月選手はDNF(途中棄権)でした。


大会専用に架けられた仮設の橋


見事な広葉樹林帯の中を走るコース


「オグナほたかスキー場」の急斜面を下る

大会専用に架けられた橋を渡り、見上げると美しい広葉樹林帯の中を駆け上がり、スキー場の急斜面を下ると、楽しみにしていたエイドステーションが。地元の野菜を使ったカレーライスです。スープが多めで食べやすく、疲れた体に溶けていくようです。スタートから約9時間半、でも残る距離はまだ半分近い30kmありました。


エイドには地元産のリンゴやトマトも


地元産の野菜入りカレーライス

午後6時を過ぎると山の中は暗く、ヘッドライトを点灯。急な上りを1人で黙々と歩いていると、後ろに付いてくる男性ランナーが。「お先にどうぞ」と道を譲ろうとすると、「いいペースなので一緒に」と。夜の山中は本当に真っ暗闇で、1人で走るのは心細い限り。このため同じペースの人に出会うと一緒に走ることがよくあります。いわば“バディ"です。


ヘッドライトを点灯した午後5時半すぎ

同じリズムで「ザクザク・・・」2人で登っていると何だか楽しく、可笑しくなってきます。“バディ"の男性は40代で東京からの参加。急坂を登り切ると気持ちよく走れるトレイルコース。フィニッシュまではまだ15kmあります。途中でしんどくなったので先頭を交代し引っ張ってもらいます。暗闇の中、結構いいペースで進みます。きつい上りや下りもあり、互いに声をかけ合いながらペースを維持。1人だと「歩こう」という自らの誘惑に負けてしまいますが、2人だと頑張れます。コース最後のピーク「雨乞山」(1068m)からはフィニッシュ地点の夜景を望むことができました。あとは下るだけ。ペースは落とさず走り続けます。足の疲労はピークを過ぎていましたが、まだ売り切れてはいませんでした。


「雨乞山」(1068m)から望む街の灯り

スタートから14時間34分20秒でフィニッシュ。85位でした(554人中)。50歳以上の部門では7位(142人中)。上々の出来でした。結局、“バディ"と2人で走ったのは約3時間。いつかどこかの大会や登山での再会を期待し、固い握手を交わして互いの帰途に就きました。


フィニッシュ後、2人で(川場村ふれあい広場前)

この大会を完走したことで、2018年以来の目標を達成しました。それは、「ウルトラ・トレイル・マウント・フジ」、略して「UTMF」のエントリー資格を得たことです。UTMFは、富士山周辺の約170kmを走る国際的なトレイルラン大会(2019年は4月に開催)。募集人数は2400人ですが出場は抽選で、2019年大会の競争倍率は1.68倍(第1次)。いつかは出場し“ウルトラトレイル"という新たな世界に挑戦してみたいです。
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