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アナウンサーブログ

シンガポールで「旅ラン」

プライベート 2019/08/30

中心市街地にあるマリーナベイから望む

夏休みを利用してシンガポールへ家族旅行してきました。80歳を超える義母が「もう一度行ってみたい」と希望した海外の地です。日本から西へ5000km、飛行機で約7時間。私は初めての訪問でした。


マリーナベイ越しの高層ビル群

旅行や仕事の出張など、出かけた先で楽しみにしているのが「旅ラン」。見知らぬ街をその時々の気分や思いつきで、探検するように走るのが好きです。ざっくりとした街の距離感や概要が分かるだけでなく、走るスピードならではの新たな発見があるからです。特に海外では、知的好奇心をくすぐられます。2018年は、仕事の関係でスウェーデンに出張し、氷点下に凍える初冬の街中を走ってきました(2018年12月のブログ参照)。

 
走り始めるとすぐに汗が吹き出す

シンガポールは熱帯の国。赤道のわずか130km余り北に位置しています。8月の最高気温は31度から33度ほど。富山と変わらないか低いくらいです。一方、とても高いのが湿度。海からの湿った空気が入ってくるため日中も湿度が80%以上あり、常にベタッとした空気の重さを感じます。

 
「マーライオン」と「マリーナ・ベイ・サンズ」

到着したのは早朝。家族がホテルの部屋で休んでいる午前中に走りました。もちろん、事前に計画した家族の予定に影響が出ない範囲内で、自分の走る時間を工面します。まずは、シンガポール最大の観光名所「マーライオン」と「名探偵コナン」の最新映画内で爆破された地上200mの屋上にプールがあるあの有名ホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」を望むマリーナベイ内湾を周ります。「マーライオンは拍子抜けするほど小さい」と聞いていましたが、高さ約8mあり予想以上に大きく感じました。その裏には、さらに小さなマーライオンを見つけました。


小さいマーライオンも水を吹く

3km余りの内湾を周回した後は、その南東側に造られた人工植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」の園内を走ります。世界中から集められた2000種類以上、150万本以上もの植物が展示されているのです。水辺や木陰も多くあるため、涼しく感じます。巨木をイメージした人工の「スーパーツリー」が12本。この日、寄り道しながらゆっくり走ったのは約11km。


バオバブの木とマリーナベイサンズ


12本あるスーパーツリー 高さ9~16階建てビルに相当


夜のショーでライトアップされると幻想的に

翌日からは早朝、家族がまだ寝ている時間に走ります。といってもシンガポールの夜明けは遅く、午前8時前でもまだ薄暗いのです(標準時刻設定の関係)。マリーナベイの内湾は把握したので、その西に向かって市中心部を流れるシンガポール川を遡ることにしました。この両岸には歩道があり、多くの地元ランナーも走っています。川に架かるいくつもの橋の下は地下道になっていて、信号で止まらずに走り続けることができます。電動キックスケーターで移動する人も多く便利です。


午前7時40分すぎに撮影


シンガポール川の両岸には様々な店が軒を連ねる


川の両岸にある地下道で人の流れがスムーズ

観光地シンガポールは、きれいな街です。シンガポール川では、水面に浮かんだ落ち葉やゴミなどを回収する船が忙しく動き回っていました。船首に付けたザル状の装置でゴミをすくい上げるというものです。そもそもチューインガムは国内持ち込み禁止、ゴミを捨てると罰金1000ドル(約8万円)、この川で釣りをすると日本円で約24万円の罰金が科せられるなど、美しい国を維持するために規制が厳しい国です。でも、よく見ると、捨てられたタバコのパッケージや吸い殻も目立ちました。


川に浮かぶゴミを回収する船


釣りをすると罰金3000シンガポールドル(約24万円)


落ちているゴミの数は富山市内と同程度

街中心部にあるのが「フォート・カニング・パーク」。約60mの高台になっていて、イギリスの植民地時代に要塞(フォート)として使われていました。きつい階段の先にあるのは「ラッフルズ・ガーデン」。ちょうど200年前の1819年、イギリス東インド会社のトーマス・ラッフルズが上陸し、住居とした場所です。ここは、かつては王宮のあった歴史ある丘でもあります。今は、市民の憩いの場。ランナーとしては、強度の高い坂練習の格好の場所だと言えます。


「フォート・カニング・パーク」の入り口


奥に見えるのがラッフルズの住居だった建物


きつくはないが練習するにはいい坂

「海運大国」を象徴するのが、シンガポール海峡に浮かぶ無数の船。近くまで行って見てみたいと思い、早朝ランで出かけました。ガーデンズ・バイ・ザ・ベイを右手に見ながらマリーナ運河沿いを南に海を目指します。車の通行は規制され、ランナーと自転車の走路も分かれていて安全に走ることができます。運河の河口には水量を調整する「マリーナ・バラ―ジ」がありました。低地を洪水から守る重要な施設です。施設の一角には黒部市の「ウォー太郎」に似たゆるキャラが。水をテーマにすると似てしまうのでしょう。


マリーナ・ベイ・サンズの展望台から撮影


高温多湿ながらランナーが多い国


黒部市のゆるキャラ「ウォー太郎」を思い出す

この施設の屋上展望台からシンガポール海峡を眺望。潮の香りが漂い、海への憧憬が募ります。「あれ?」。近未来的な独特の船体なのですぐにそれと分かりました。富山新港にもたびたび寄港し、地元紙で話題となった「ヨットA」です。ロシアの大富豪、アレクサンドル・メリニチェンコ氏が所有する全長100m以上のメガヨット。氏は、プライベートジェットで富山空港にも降り立つ姿が何度も目撃されています。まさか、シンガポールで「ヨットA」をこの目で見るとは。これもランナーならではの醍醐味だと感じました。


海峡に停泊する多くの船


中央の白い船が「ヨットA」

マリーナブリッジを渡って運河の対岸(東岸)「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ・イースト」へ。マリーナ・ベイ・サンズやシンガポール・フライヤー(観覧車)などを運河越しに望みながら戻ります。走路には「カワウソ横断注意」の看板が。「近寄らないで離れて見てね」というメッセージが添えられていました。日本ではカワウソ人気が過熱し密輸事件も発生。さすがに出合うことはありませんでした。


マリーナベイ東岸から中心市街地を望む


「Otters」=カワウソ横断注意の看板

そのままマリーナベイを遡り、東側から注ぎ込むゲイラン川沿いを走ると見えてくるのが「ナショナルスタジアム(国立競技場)」。世界最大級の開閉型ドーム競技場です。拙い英語で交渉してチェックインゲートの様子を撮影させてもらいました。スタジアムの周囲には1周2.4kmのランニングコース。膝にやさしいゴムマットかと思いきやコンクリートに色を塗っただけ。雨には濡れないものの、これは減点です。施設敷地内には、スーパーマーケットや「湯の森」という温泉(スパ)施設が併設されていて、こちらは好印象でした。


遠くに見えるナショナルスタジアム


2頭のライオンが出迎えるスタジアム正面


入場するためのチェックインゲート


スタジアムの周囲には2.4kmのランニングコース


敷地内にあるスーパーマーケット

シンガポールでは、立ち入り禁止の公的施設には赤い看板が掲げられています。描かれているのは、銃を向けられて「ホールドアップ」する人。日本では信じられないものです。少し走って観察しただけですが、上水道や貯水施設にこの看板が掲げられていたように感じました。シンガポールは水が少ない国で隣りのマレーシアから水を購入しています。大切な水を守るためなのだと理解しました。


銃でホールドアップのイラストが目を引く


ヤシの木が植えられた川沿いの遊歩道


ランニング大会を知らせる看板

再び、ゲイラン川を南下して出発したホテルを目指します。川沿いのコースには8月25日にランニング大会の開催を知らせる看板が。多くの市民が日頃からランニングのコースとして親しんでいることをうかがわせます。
さらに先に進むと、横切って行ったのは水陸両用車。水の中に入る瞬間を目にすることができました。


観光客を乗せた水陸両用車


目の前を横切り川の中へ「ドボン!」


川岸に流れ着いたヤシの実

シンガポール・フライヤーのそばまで戻ってきた時に気づいたのが、サーキットのような工事現場。そう、F1の「シンガポールグランプリ」の準備です。9月下旬開催の1か月前、急ピッチで観戦スタンド設置などの工事が行われていました。中心市街地の一般公道がレースの舞台。確かにコース上には、万が一の事故に備えコンクリート製の大きなブロックが置かれていました。レースは夜。日本の首都・東京の中心部で開催するようなものです。エンターテインメントにはかなり寛容なようです。


サーキットコースや観戦スタンドの設置工事中


一般公道に続くコース 頭上には照明装置が

滞在中(4泊5日)に走った距離は累計で63km、プールでのスイムは3km。ゴーグルを着けて泳いでいるのは私一人だけで、居合わせたスイス人から「長く泳いでいましたね」と声をかけられ苦笑するしかありませんでした。さらにジムでは、バイクを漕いで筋トレしてと、旅先でありながらまずまずの練習ができました。
いよいよ9月1日(日)、2019年の目標レース「佐渡国際トライアスロン大会(Bタイプ=ミドル131km)」に臨みます。不安は多々ありますが、挑戦できることを、楽しむ気持ちと前に進む力に変えて完走を目指します。


ホテルのプールでスイム練習


ジムではバイクと筋トレに励む

ところで、シンガポールはどのくらいの大きさか知っていますか?その面積は721.5㎢。富山県のわずか17%です。富山市より小さいのです。そのシンガポールを訪れる外国人の数は?元々、特別な観光資源があるわけでもない赤道直下の小さな島国(人口564万人)に年間1850万人余り(2018年)の外国人が訪れます。県内を訪れる外国人は宿泊者数で28万人余り(2017年)。立山連峰と富山湾の幸がありながら、世界の観光客を十分に魅了できているとは言えません。


マリーナ・ベイ・サンズ前で毎晩行われる光と噴水のショー

シンガポールでビジネスをしていた知人に教えてもらいました。シンガポールを現在の姿に導いたのは「シンガポールの哲人」と呼ばれた初代首相リー・クアンユー(2015年没)。数々の常識外の発想でシンガポールを繫栄させました。規制の多い「罰金国家」とするなど独裁政権だと批判の声があった一方で、マリーナ・ベイ・サンズのような海外からの巨額投資を成功させました。経済政策が全てではありませんが、今も街の至るところで新たな開発工事が行われているなど、次から次へと人々を魅了するプロジェクトが動いているようです。街が生きているとはまさにこのことだと実感。一人の強力なリーダーで国は変わるのだと知りました。


義母は車いすで移動

今回の旅で足腰が弱い義母は、車いすを使用して移動しました。空港内は国内、シンガポールとも対応はとてもよかったです。しかし、よくなかったのがシンガポールの街中。歩道には段差があり車いすは通れない。ある交差点では横断歩道がなく歩道橋を渡るよう標識があり、ショッピングセンター内に誘導されました。しかし、館内のエレベーターは全て停止したまま。途方に暮れました。シンガポールの高齢化率は9%、日本の25%に比べるとまだまだ低いので、こうした点からの街づくりは、これからだとも感じました。
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