北日本放送|KNB WEB [テレビ] 1ch/[ラジオ] AM738kHz/FM90.2MHz

  • ゲストさん
めっぴ
ゆっちゅ
エチュー

10/18(月) きょうの天気

東部
18℃ -℃
西部
16℃ -℃

アナウンサーブログ

「朝日岳」を日帰りピストン

プライベート 2019/08/16

2019年4月に撮影した「朝日岳」(中央やや左)


8月11日(日)は「山の日」。トレーニングを兼ねて「朝日岳」(2418m)に登ろうと計画しました。ふるさと「朝日町」の名前の由来となったシンボルでもある山です。これまで仰ぎ見ることはありましたが、登るのは初めてでした。


訪れた際には無人だった北又小屋

いくつかの登山ルートがありますが、実家近くの小川温泉元湯から北又小屋を経由するルートを迷わず選択。登山口となる北又小屋(690m)を出発したのは、午前6時すぎでした。


提高35mの北陸電力・北又ダム


赤い吊り橋の下には澄んだ川の流れ

初めてだと登山口が分かりにくかったです。北又ダムサイトのコンクリート製の階段を下りると、すぐに赤い吊り橋が見えてきます。澄んだ川の水が印象的です。しかし、吊り橋は足下が見えるグレーチングの金属板。高度感があり、高所恐怖症には引き返したくなる場所です。


所々にある急登に息が上がる


眼下に見える北又小屋の赤い屋根


標識には標高も記載されている

この吊り橋を渡ってから登山道が始まります。まずは、朝日岳に至る途中の「イブリ山」(1791m)を目指します。広葉樹林帯の中にある気持ちのいい登山道です。少し登るとすぐに開けた地点に到着します。眼下には先ほど出発したばかりの北又小屋。「1合目」の標識が設置されていました。イブリ山の頂上が10合目で、標高約100mごとに設置されています。どこまで登ったかの目安になってよかったです。


直径30cmはありそうな立派な「サルの腰かけ」


ヘビに見えてしまう黒い木の根


目の前を威嚇しながら横切っていった「マムシ」

ブナの白い大木を見上げると、「サルの腰かけ」が。実際、サルに遭遇しました。遭遇といえば「ヘビ」。巳年生まれですが、とにかくヘビが苦手です。木の根がヘビに似ているので、しばしばドキリとします。そうこうするうち、本物のヘビが、しかも「マムシ」。下山まで3匹と遭遇しました。


写真右に小川の扇状地


左:朝日岳 右:前朝日


岩に打ち込まれた鎖


鎖を張り替える作業員


枕木状の木が外された登山道


付け替えられたばかりの木道

7合目を過ぎると、日本海側を展望することができ、小川の扇状地が遠くかすんでいました。一気に視界が開けたそこがイブリ山頂上。約2時間で到着です。左に見えるのは、目指す「朝日岳」、右側の「前朝日」の頂上を巻いて登山道が続きます。途中に鎖場もありますが、難易度は低く、あっさりクリア。この鎖の付け替え工事が行われていました。さらに進むと、登山道に埋められていた枕木が外され、茶色い土がむき出しに。木道に付け替えるための工事の最中でした。工事は今年中に完了するということです。


チングルマの花畑


暑さで小さくなってきた雪渓


雪解け水の冷たさで気分をリフレッシュ 


「夕日ヶ原」からの眺望

ここを過ぎると、高原植物が咲き誇る台地に出ます。可憐な花々が短い夏を謳歌しているかのようです。そして小さくなった雪渓が。沢の水に手を浸すと何と冷たいことか。「夕日ヶ原」からは、西に黒部川扇状地を望むことができ、日が沈むころには絶景が広がっているだろうと容易に想像することができました。


赤い屋根が目印の「朝日小屋」


小屋のスタッフ総出でバンザイ


小屋の3階の部屋

北又小屋から約3時間。白く輝く木道の先に「朝日小屋」が見えてきました。ちょうど小屋のスタッフがバンザイをしています。宿泊した登山者が出発し、姿が見えなくなる通称「バンザイの丘」に達した時、小屋のスタッフが総出でバンザイをして見送るというのがこの小屋の流儀だというのです。小屋は2018年の台風21号で、給水タンクが壊れるなど大きな被害が出て、今も復旧作業が続いていました。3階建ての小屋の部屋はとてもきれいで、いつか泊まってみたいと感じました。


朝日小屋前から望む絶景

その小屋の南東方向には絶景が広がっていました。写真左側のなだらかな稜線が雄大な「雪倉岳」(2610m)、真ん中奥が「白馬岳」(2932m)、そして右側の尖がった「旭岳」(2867m)。この小屋を起点に足を延ばしたくなります。実際、そんな登山者が多いのです。中には、「親不知」から登り始め、白馬岳や唐松岳など後立山連峰を縦走し、最終目的地「上高地」へ至る予定という強者もいました。


「朝日神社」と奥に見える「朝日岳」


朝日平に建つ朝日小屋 左の山は「前朝日」


左端:「白馬岳」 右端:「剱岳」 

朝日小屋のすぐ脇にある「朝日神社」で登山の無事を祈願します。池塘に映る青い空と白い雲が夏山登山の象徴です。登山道を振り返ると、朝日小屋の赤い屋根が小さく見えます。そして、標高を上げた山岳地帯ならではの群青の空の下には、白馬岳(左端)から剱岳(右端奥)までの大パノラマが広がっていました。


朝日岳山頂直前の緩やかな木道


山頂で剱岳をバックに記念撮影

なだからに登る木道の先が、朝日岳の山頂(2418m)。北又小屋から4時間あまり。360度のパノラマが楽しめるはずですが、すでに北東方向には雲が湧き上がっていました。山頂には合わせて3つのルートがあり、それぞれから登山者が登ってきます。「次は別ルートから登ってみたい」と思わせる、北アルプスの奥深さです。


いつかは泊まってみたい朝日小屋の前で


小屋の前にできた急ごしらえの露店 

朝日小屋に戻ってからの昼食は、カップラーメン。これが何と美味しいことか。スープまで一滴残さずたいらげました。多くの登山者が訪れる「山の日」。小屋の前には、残雪で冷やした缶ビールを販売する露店ができていました。


ガスで視界が悪くなってきた登山道


5合目近くにある水場

下山途中の午後からは気温が高くなり、水蒸気も多くなって、ガスが発生。積乱雲が発生し落雷がないかと心配しましたが、無事、通過。登る時にはスルーした5合目そばにある水場に立ち寄ってみました。わずか3分ほどで到着した涼しげな沢には、塩ビ製の管が差し込まれ、水が流れていました。手で汲んで口に入れると、その冷たさとうまさで生き返るようです。


北又ダム下流の吊り橋


最後の階段が足にくる

高度を下げるにつれて次第に蒸し暑さを感じます。再び雲が切れ、青空が見えてきました。集中力を途切れさせないよう細心の注意をしながら下山。赤い吊り橋が見えた時には、正直、ほっとしました。最後の階段の上りが、わずかに残った体力を奪います。午後2時過ぎに出発地点の北又小屋に到着。往復約20km、約8時間の登山を楽しみました。ほとんど走れませんでしたが、持久力をアップするいいトレーニングになりました。


小川温泉元湯の「不老館」


緑の反射光がまぶしい浴場

麓の小川温泉元湯で露天風呂に入りたかったのですが、宿泊客以外は午後3時までの時間制限があり、隣接の「不老館」に入浴。浴場から小川の流れと夏の濃い緑を楽しむことができます。湯船に浸かろうと足を入れると「熱い!」。よく訪れるという客曰く「この熱さがいいんだ」と。なぜなら「湯から上がると暑い夏でもさっぱりするし、汗が流れてもベタベタしない泉質だから」と。確かに湯から上がった後は肌がさらっとしていました。

初めての「朝日岳」。実際に登ってみると、山自身の素晴らしさはもちろん、その周囲には次に行ってみたくなる魅力的な山やコースがたくさんあり、北アルプスの懐の深さを感じました。夏だけでなく、紅葉の秋に登れば、また違った景色が広がっているはず。富山県の山の楽しさと奥深さを少しでも伝えられるよう、現地での生の情報や感じたことをこれからも紹介していきます。
  • ことばの泉
エチュー