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アナウンサーブログ

【高校サッカー】ONE~伝統校最後の選手権~

高校サッカー 2021/10/19
全国高校サッカー選手権大会は今大会で節目の100回目を迎えました。
憧れの全国の舞台への切符を懸けた富山県大会は例年通り、熱い戦いが繰り広げられています。

先週日曜日には2回戦14試合が行われ、今大会も実況を担当する私は滑川高校と水橋高校の一戦を観に行きました。
滑川市の会場は激しい雨と風により、決して恵まれたコンディションとはいえない中でゲームが行われました。


試合は、粘り強い守備から素早いカウンターを狙ってゴールを目指す滑川が前半から何度も良い形を作っていきます。
前半14分と前半27分に立て続けに⑪中田陸がゴールを決めて、リードを広げます。
前半から苦しい展開となった水橋でしたが前半30分、ゴール前へのロングボールがスリッピーな芝生の上で伸び、GKが弾いたところをエース⑭津波尚旺が押し込み、1点差で前半を終えます。

追いかける水橋は後半、CKから⑩松波壮飛のヘディングシュートがポストを叩くなど何度も滑川ゴールを脅かしますが、カラダを張った堅守によって滑川ゴールをこじ開けることができません。

そして後半21分には、カウンターで一瞬の隙をついた滑川が⑧宮下莞太朗のゴールでリードを広げます。
その後も終始球際で強さを見せた滑川が守り切り、3対1で水橋を下して、見事3回戦進出を決めました。



再編統合による閉校のため、今大会が最後の選手権だった水橋高校でしたが結果は初戦敗退。
最後の挑戦は突然終わりを告げることになりました。


過去6度の全国選手権出場を誇る富山のサッカー強豪校・水橋高校。
いまの3年生が水橋高校に入学したのは、すでに閉校が決まっているタイミングでした。
「中学3年生ながら、決して簡単ではない決断をして、誰よりも強い覚悟をもって入部してきてくれた」と彼らが入学してきた時に、そう上田裕次監督が話していたことを覚えています。

今大会の登録メンバーはわずか18人。
最後の1年となった今年は部員が3年生一学年のみと、決して恵まれた環境とはいえない中でサッカーに打ち込んできました。

それでも夏の高校総体では、苦戦を強いられながらも粘り強く最後まで戦う"水橋"らしさを見せて準優勝。
決勝進出を決めた後、一戦一戦勝ち進む中でどんどん頼もしくなっていく選手たちについて、上田監督が嬉しそうに話してくれた姿を思い出します。

だからこそ、試合終了の笛が鳴り響いた後もしばらく立ち上がることができない選手たち、涙が止まらない選手たちの姿を見て、わたしも胸が熱くなりました。


試合後に上田監督は「自分の中でも大きな時間だった。この時間を彼らと共有できたことは本当に嬉しかった。」と必死に言葉を絞り出しながら、3年生と共に過ごした時間を振り返りました。
「私も含めてこの選手権に育てられてきた。今年1年間を含めて、こうした経験をすることは他のどのチームにもないことだと思う。この経験を次に繋げることができれば、彼らはきっと良い大人になってくれると思います。」そう話す上田監督の目には光るものがありました。


水橋地区で生まれ育ち、水橋高校サッカー部OBでもある上田監督がずっと抱いていた「水橋をサッカーの街にしたい」という夢は一つの区切りを迎えたと言えるかもしれません。
それでも愛情溢れる恩師のもとで、かけがえのない仲間たちと3年間を過ごした水橋高校の最後のサッカー部員である彼らには、伝統ある水橋の魂が宿っています。そしてその魂は、彼らによってこれから先も長きにわたって受け継がれていくことと思います。

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