北日本放送|KNB WEB [テレビ] 1ch/[ラジオ] AM738kHz/FM90.2MHz

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延対寺

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グッドミュージックをフルコーラスでお届けします♪音楽が一番輝いていたあのころに、青春を過ごした人そして、そんな時代の音楽が大好きな人へお届けする30分です。

竹中晃のコラム ポケットにいつも音楽を入れて -ロック・おやじのつぶやき-

第102回 「ミック・ジャガーというプロフェッショナル」

 先日、ローリング・ストーンズのライブに行ってきた。ボブ・ディラン同様、“最後の日本公演・感”がどうにも堪らなくなったのだ。

確かにこの先の未来など誰にも分からないわけで、“これが最後”かどうかは確かめようもないが、ハッキリしているのは現時点でストーンズのオリジナル・メンバーが全員七十歳を超えているという事実。

かりに、これが“最後”じゃなくて、数年後にまた来てくれたらそりゃ嬉しいに決まっているが、年齢を考えるとそこまで望むのはファンのゴリ押し、酷ではないかと思ってしまう。もちろん、彼らが元気で、イスに座りながらでも演奏を楽しんで、そしてそれを私たちに聴かせてくれるのなら、そのときは彼らが七十五歳だろうと八十歳だろうと、ろくに唄えていなくてもぜひ観に行きたいと思うわけだが―。

日本公演最終日、様々な想いを抱いたファンたち―おそらく世代ごとに想いの相違はあるにしても―で東京ドームは溢れていた。外壁に掲げられたライブ告知看板を撮る人々やグッズを買うための列は東京ドームでのライブのいつもの景色だが、やはり観客の平均年齢は高い。だが、ロック度も高い。寒さをものともせず、年寄りのナントカなんて知らねえよと、コートも着ずに頑張ってベロTシャツだけの尖がった同輩もいたりして、実にそこがストーンズなんだなあと。

冷静になって考えてみると、そんな我々よりもストーンズのメンバーの方が十歳以上も年長なのだ。自らの体力や気力の衰えを感じざるを得ない今日この頃だけに、昨年のポールにしてもストーンズにしても“どんだけ元気なんだ!?”と敬服してしまう。

子供の頃はストーンズの曲や雰囲気に憧れていたのだが、今や彼らの齢の取り方にも憧れてしまうわけで、これはこれで二重にすごい。

 ライブはいきなり!の「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」で始まったが、ストーンズは予想以上に弾けていた。初日、動きの悪さが心配されていたキースも快調で、そりゃ十年前や二十年前には及ばないにしても七十歳代のロックンロール・バンドとは思えないパフォーマンスで、さすがストーンズ、ダテに五十年やってないゼ!と。

そんな熱源の中心はやはりミック・ジャガーだ。100メートルほどもあるステージを何度も走り回り、スキップで花道を跳びはね、四万人の客を煽りに煽ってリードする。奇跡の七十歳!ホントに七十歳か!?とツッコミをいれたファンは多いだろう。

それだけではない。何度も日本語で『カエッテキタゼ!トーキョー!』とか、客席の女の子に『チョウ・カワイイ!、アトデ、デンワスル!』などと、スタッフが教えたであろう悪ガキ風のセリフをたどたどしくも一生懸命に喋って悪ジジイを演じて客席を沸かしたりもする。もちろん、失笑気味ではあるものの四万人がドッとウケた。

それにしてもミックのスリムな体形の維持と衰えないシャープな動き、そして経験に裏打ちされたファン・サービスはまさしくプロフェッショナルそのもので、<グローバル企業ローリング・ストーンズ>のCEOに相応しい存在感があった。そしてそこにミック・ジャガーの<ポップ・スターの責任と自覚>を観た。

ローリング・ストーンズ最後の曲は「サティスファクション」だ。ストーンズならずともアンコール曲は盛り上がるが、今回の「サティスファクション」は異様なほどの熱気だった。ミックがバンドを煽り、客を煽り、その結果渦巻くように生じたグルーヴにミック自身が煽り返されて陶酔するという繰り返しによって急上昇していく様は、ミックが“ロックンロールの司祭”であることの確かな証明だった。

そして♪ジャーン!といつもどおりのエンディングだと誰もが思ったそのとき、サウンドは一転してスローブルースとなって終わるという、私が知っている限りにおいて異例のエンディングだったのだが、短い時間ではあったがこのスローブルース部分でのミックとバンドと観客の一体感と高揚感はちょっと体験したことのないものだった。実にいいライブだったと思う。

 と、あれから十日間ほど過ぎてこの文章を書いているのだが、今もあのインパクトは消えない。で、あっさり前言を翻してしまうが、大変だろうけどなんとか節制してもうしばらくは活動を続けてほしい。そしてもう一度、日本でライブを!。まだまだ満足できないんだから。

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