北日本放送|KNB WEB [テレビ] 1ch/[ラジオ] AM738kHz/FM90.2MHz

  • ゲストさん
第22回 福祉フォーラム

サイト内検索

グッドミュージックをフルコーラスでお届けします♪音楽が一番輝いていたあのころに、青春を過ごした人そして、そんな時代の音楽が大好きな人へお届けする30分です。

竹中晃のコラム ポケットにいつも音楽を入れて -ロック・おやじのつぶやき-

第99回 “来日ラッシュ”に想うこと

 今春は我々1960年代からロックを聴いてきた世代にとって“ライブ状況”がものすごい事になっている。
 二月にエリック・クラプトンとローリング・ストーンズが、ほぼかぶる日程で来日するだけで“悶絶もの”なのだが、それに加えて3月から4月にかけてボブ・ディランとジェフ・ベックがこれまた日程被りの状態で日本にやって来るのだから、これはもう“失神寸前もの”だ。

 まさにここ数年の空白を取り戻すかのような来日ラッシュだが、ここまでロック・レジェンドのスーパースターたちが続々と来日する状況というのはちょっと記憶に無い。1970年代前半にかなり多くのバンドや大物ミュージシャンが来日していたが、ほぼそれに匹敵するのではないか。

 なにせ、クラプトン!ストーンズ!ディラン!ジェフ・ベック!だ。
 名前を書いているだけでも唸ってしまう顔ぶれだが、この面々が短い期間に次々と日本でライブを行うわけで、これはロックの聖地であるニューヨークやロンドンでもそうあることではない。いやはや、なんとも豪華な春になった。

 ただ、こうなると“嬉しい悲鳴”などと悠長なことは言ってはいられない。この信じ難い事態に私及び私の友人のロック・ジジイやロック・オヤジたちはカレンダーとクレジットカードを見つめながら幾通りもあるライブの日程を決めかねて苦悶する“ライブ観戦アリ地獄”に陥っているわけで、血圧は上がるわ動悸はするわと、なんとも楽しくも悩ましい日々が続いている。
 
 だが、嬉しいばかりではない。“嬉しさ”の裏側には“哀愁感”も漂っている。というのも、今回のスーパースターたちの来日には<ラスト・ライブ感>が色濃く存在していることを否定できないからだ。

 昨年11月のポール・マッカートニーの来日がそうだった。ファンの心底には『おそらく(71歳という年齢を考えると)、これが最後の日本公演だろう』という拭い難い想いがあって、その想いがロック・オヤジもしくはロック・ジジイを中心とした多くの老若男女の心を揺さぶり、予想を超える多くの人々がライブに詰め掛けた。つまり、“ラスト感”という想いの前では高額なチケット代もさほど高いハードルではないということなのだが、それはさておき―。

 この“ラスト感”は今回も同様だ。クラプトンはこの3月で69歳になり、ストーンズのミック・ジャガーとキース・リチャーズは共に70歳、チャーリー・ワッツは73歳だ。そしてディランは73歳、ジェフ・ベックは六月で70歳になる。風貌と行動が若く感じられるジェフ・ベックはともかく、常識的に言って来日するスーパースターたちの“ラスト感”は強いと言わざるを得ない。

 そういえばクラプトンが『ライブはいいが、移動が辛くなってきた―』とコメントしている記事を読んだ記憶があるが、正直、60歳そこそこの我々でさえだんだんと疲れが取れにくくなっていることは否めない以上、彼らの肉体的な疲労は例えチャーター機やファースト・クラスを利用しての移動だとしても、やはり大きな時差の中で行われるツアーともなると身体に堪えないはずはない。そのあたり、察するに余りある。

 もし、仮に、ボブ・ディランが自分の親父だったら、『そろそろ外国でのライブは止めて、観光だけにしたら?』と絶対言うはずだ。まあ、それでもディランだったら行くような気がするが・・・。

 それにしても、思えば時間が経ったものだ。我々が丸坊主の中学生だった頃にラジオから流れていた<ルビー・チューズディ>を唄っていたローリング・ストーンズのメンバーは20代だったのだ。そして今、あの時の中学生が60歳を超え、彼らは70歳になった、という。

 人間誰しも“その日”から逃れられない以上、“その日”を意識せざるを得ない。若い頃にはそんなことは露ほども思わないものだが、人生という時間を重ねるにつれて、その意識がリアリティを持つようになってしまう。“それが齢を取るということだ”ということも今では分かってしまっているのだ。

 そんな想いを抱きしめながら今回のエリック・クラプトン、ローリング・ストーンズ、ボブ・ディラン、ジェフ・ベックのライブに出かける同輩は多いと思う。そして演奏する彼らもまたそう感じながら唄うのではないだろうか。

 少しセンチメンタルに過ぎたかもしれないが、何はともあれ、彼らはやって来る。かつて憧れ、今も憧れ続けている彼らが長時間をかけて日本まで来てくれてステージに立って唄ってくれることに感謝しつつ、また彼らと同時代に生きられた幸運を慶びながら、思い切り<Live>に浸りたいと思う。


※番組では今月8日放送の「エリック・クラプトン」を皮切りに、今春来日する上記のスーパースターのライブ特集を順次(といっても不定期ですが)お送りします。どうか楽しんでください。

三沢厚彦展
  • ちょこミラ
  • いっちゃんクイズ
  • いっちゃん通信
  • KNB LINE 友達追加
  • ZIP
  • つづく富山、えがく未来

↑ページ先頭へ