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第22回 福祉フォーラム

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数家 直樹のブログ

諦めない心

番組 ] 2015/12/29
夫婦が同じ姓を名乗ると定めた民法の規定は、憲法に違反せず「合憲」。12月16日、最高裁大法廷が初めて示した判断です。憲法違反であると訴えていたのは富山市の元高校教諭、塚本協子さん(80)ら男女5人。いわゆる「夫婦別姓訴訟」の判決で塚本さんを取材しました。



「判決を聞いた途端、涙があふれ出て、やっと止まったところです。本当に悲しいです。辛いです。塚本協子で生きることもできなく、塚本協子で死ぬこともできなくなりました」

判決後、開かれた原告団の記者会見で塚本さんは声を詰まらせました。

自らの姓に愛着を持っていた塚本さんは1960年、婚姻届を出さず「事実婚」を始めました。そして、3人の子どもを授かりますが、婚外子にしないため出産前に婚姻届を提出、出産後には離婚届を提出して「塚本」姓に戻ることを繰り返しました。しかし、第3子を出産した後、勤務先の高校の校長に「今度、離婚届を提出すればクビだ」と咎められ、それ以降、塚本さんの名前は、戸籍上は夫の姓である「小島」となっています。



塚本さんら原告の5人は、夫婦別姓を認めていない民法の規定は、個人の尊重などを定めた憲法に違反しているとして国に賠償を求めましたが、1審、2審で敗訴し上告していました。



判決の日、最高裁前には傍聴券を求めて300人以上が並び、富山からの支援者も約20人来ていました。塚本さんはそうした人たちに駆け寄って手を取るなど感謝の思いを伝えていました。判決直前の心境を聞くとこんな答えが返ってきました。

「静かな心で判決を待っているが、本当を言えば勝ちたい」

塚本さんのそばには息子と夫である小島明久さん(81)の姿がありました。小島さんに「本人は塚本という名前で死にたいと言っているが夫としてどう考えているのか?」と質問すると、「そう思う、そうしてやりたいと思う」と答えました。



結局、最高裁は判決で「夫婦が同じ姓を名乗るのは日本社会に定着している。家族の呼び名を一つにするのは合理的だ」と指摘。また、「結婚して姓を改めた女性がアイデンティティーの喪失などの不利益を受けるかもしれないが、通称の使用が広まれば緩和できる」として、夫婦が同じ姓を名乗ると定めた民法の規定は憲法に違反しないとしました。一方で、15人の裁判官のうち5人が憲法違反だという判断を示しました。



判決後の記者会見で塚本さんは次のように語りました。

「一つ救いがあります、それは5人の裁判官が違憲だと言ってくれたことです。この違憲の判断に将来を託すしかないと思います。80歳でできることは少ないけれども、皆さんと助け合っていきたいと思います」



判決から数日後、富山市にある塚本さんの自宅を訪ねました。ショックのため、毎朝起きるたびに涙を流していたという塚本さん。話をしているうちに思い出したのか、再び涙が溢れそうに・・・。しかし、その後、引き締まった表情で「諦めるわけにいかないから、実現するまで頑張っていく」と前向きに決意を話してくれました。

どれだけ年齢を重ねても、決して折れたり、腐ったり、諦めたりしない・・・。塚本さんの強い意志に心を打たれました。
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