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数家 直樹のブログ

秘境”雲ノ平”をぐるっと1周

日記 ] 2017/09/08
8月11日の“山の日"、KNBは、“黒部川源流域で最も美しい"といわれる赤木沢の沢登りに武道キャスターが挑戦するなどの特別番組を放送しました。その映像を見て「山に行きたい」と思った私は、自身の夏休みに出かけることにしました。
さすがに沢登りは無理なので、目指したのは日本最後の秘境と呼ばれる“雲ノ平"や富山市の最高地点で黒部川源流域での最高峰“水晶岳(2986m)"などです。

■1日目
前回、このブログに記した“剱岳早月尾根ルート日帰り"から2日後の8月22日(火)午前7時、登山口の富山市折立(1350m)を出発。当然、日帰りはできず、3泊4日の日程を急きょ決めたため単独での登山となりました。最初の“太郎坂"は樹林帯の急坂、すぐに「ゼエハア」と息が上がります。


登山口の富山市折立から出発


見上げるほどの樹林帯の急坂

トレーニングの一環でもあるので休憩を控えめに登ること3時間弱、標高2330mにあり、いくつもの登山道のいわば交差点にある“太郎平小屋"に到着です。山の日の放送でスタッフの宿泊先および中継地点となった小屋です。ご主人にお礼のあいさつをするとともに“登山届"を出して先を急ぎます。
と、そこで「剱岳で会いましたよね」と私に声をかける人が。2日前に早月尾根ルートの難所“カニのハサミ"を渡るところを撮影させてもらった東京から来た男性ではありませんか!聞けば剱岳から室堂に行き、さらに薬師岳を縦走して黒部五郎岳に向かう途中とのこと。こんな偶然の出会いもある山って、いいですね。


木道の奥に見える太郎平小屋


2日前に剱岳で会った登山者と再会

2017年夏山シーズンは、単独行の中高年男性の遭難や道迷いが目立ちました。私も初めてのルートで単独登山だったので“道迷いによる遭難だけは避けたい"と様々なものを準備しました。登山者必携の“山と高原地図(5万分の1)"はもちろん、この地図を携帯電話のアプリでも購入しました。現在地のボタンに触れるとGPSで位置が示される優れもの。登山道の分岐点の確認や自分が今どこにいるのか一目瞭然です。そして、GPSウォッチには進んできた道のりが示されるので、万が一の時には同じ道を引き返すことができます。とはいっても、いずれもバッテリーが切れれば何の役にも立ちませんが・・・。
初日の宿泊先は“雲ノ平山荘"を予定していたので、いったん薬師沢へと下り、ここで休憩を兼ねて昼食タイムです。出発から4時間半。湯を入れるだけで出来上がる“きのこパスタ"で腹を満たしました。


山と高原地図と携帯電話のアプリ、GPSウォッチ


眼下に見える澄んだ水の流れる薬師沢


昼食は湯を入れるだけでできる“きのこパスタ"

薬師沢出合いの吊り橋を渡ると雲ノ平へのきつい登りが始まります。“急坂ガンバレ!"と看板も応援してくれます。登山道脇にあるこの木は、体を支えやすいのか、多くの登山者が幹を握った跡が光って見えました。急坂に加えてさらに体力を奪うのが、至る所にゴロゴロしている苔が生えた大きな岩。滑りやすく細心の注意が必要です。


薬師沢出合いの吊り橋は足がすくむ


看板に書かれたメッセージで気合いを入れる


人の手で握られて光る登山道脇の木の幹


丸い苔が生えた大岩も

薬師沢から登り始めて約2時間。木道に変わってしばらくすると視界が開けます。看板には“アラスカ庭園"。針葉樹林帯が広がりアラスカを思わせるので名付けられたそうです。さらに先には“奥日本庭園"が。そう、日本最後の秘境と呼ばれる“雲ノ平"にはいくつもの“庭園"があるのです。
登山口の折立出発から約7時間、途中で雨が降り出し雷鳴が聞こえる悪天候の中、“雲ノ平山荘"に到着。2010年に新築されたばかりで、ジャズが流れる山小屋の窓からは“ギリシャ庭園"が望めます。驚いたのは宿泊客が男性より女性が多かったこと。確かに、秘境を感じる静かで洒落た雰囲気の山小屋です。夕食は山荘定番の“石狩鍋"でした。


針葉樹林帯が広がるアラスカ庭園


さらに先にあるのが奥日本庭園


雲ノ平山荘をバックに自撮り


山小屋の窓から眺めるギリシャ庭園

■2日目
翌23日(水)は“雨"。晴れていればどんな景色が広がっているのだろうか・・・、ガスもかかりテンションが下がります。それでも富山市の最高地点・水晶岳(2986m)を目指して午前6時すぎに雲ノ平山荘を出発。祖父岳(2825m)を経由して水晶小屋に着いた時には暴風雨になっていました。中には途中で引き返す人の姿も・・・。
小屋でヘルメット(無料)を借りて、同じく水晶岳を目指していた静岡県から来たという男性と2人で出発。岩場を30分ほど登った午前9時すぎ山頂へ到着しました。しかし、ガスが濃い上、谷からは猛烈な風が吹き上げてくる状態。眺望の“ち"の字もなく下山。近くの“鷲羽岳(2924m)"にも登る計画でしたが暴風雨の中、稜線を歩くのは危険と判断、断念しました。


雨とガスの中の雲ノ平を行く


「じいがたけ」とひらがなの看板がある山頂


眺望が全くない水晶岳頂上

そこで、黒部川源流域にいったん下る迂回ルートを選択。登山道脇には小さな沢が流れています。これが黒部川の源流です。雪渓からの“ひとしずく"が集まり豊かな水量になることが実感できる風景でした。
三俣山荘に到着したのは昼頃。小休止中にほんの一瞬、槍ヶ岳が間近に見えましたがすぐにガスの中へ。時間に余裕があったので富山、岐阜、長野の3県の県境の山、三俣蓮華岳(2841m)の頂上に向かいました。しかし、周囲は真っ白でどこの山頂にいても同じにしか思えません。しかも、一人ぼっち。途中、ガスが切れて今夜の宿泊先、黒部五郎小舎が見えてきた時には明日への期待が高まりましたが・・・。


黒部川源流に残る雪渓


3県の県境にある三俣蓮華岳頂上


赤い屋根の黒部五郎小舎

■3日目
翌24日(木)も雨の朝。目の前にそびえ立っているであろう黒部五郎岳(2840m)を目指します。“五郎"というのは大きな岩が“ゴロゴロ"しているから名付けられたと教わり、納得。ガスの中で大岩がかすんで見えました。荒天だからこそ出てくるライチョウを見ながら約1時間半で山頂へ。きのう、水晶岳山頂に立った時と同じ静岡の男性と再び一緒となりました。「きっといつかまたどこかで会える気がする」と握手した後、それぞれ別の登山道で下山しました。


雨が降る中、黒部五郎小舎を出発


山腹の大岩がガスでかすむ


黒部五郎岳の頂上で互いに撮影しあう


前日の水晶岳でも一緒に頂上に立った静岡の男性と

ここから先は、北ノ又岳(2661m)を経て初日に立ち寄った“太郎平小屋"を目指す尾根伝いのルートです。晴れていれば眼下に雲ノ平を見渡すことができるはずですが、きょうも西から吹き上げてくる暴風と雨で眺望の“ち"の字もありません。
未明から激しく降った雨のため登山道には大きな水たまりが。池塘の周りでは多雪地帯の高山植物を代表するイワイチョウが黄色く色付きはじめ、山はすでに秋の気配が漂い始めています。一方で、古い登山道が崩れている個所もあり、自然の美しさと同時に猛威の片鱗を見せていました。


前日からの大雨で登山道には大きな水たまり


池塘の脇から黄色く色付きはじめたイワイチョウ


豪雪や大雨などで崩れた古い登山道(写真左側)

黒部五郎小舎を出て約5時間で太郎平小屋に到着。ここで1泊して翌日は薬師岳(2926m)を目指す予定にしていました。しかし、低気圧の通過に伴う寒冷前線の南下が予想されたため1日繰り上げて下山することに。午後2時前に登山口の折立に無事に戻ることができました。


昼食にラーメンとカレーを食べた太郎平小屋


ハイシーズンが過ぎて空きが目立つ折立駐車場

2泊3日の山の旅、けれども肝心の山の眺めは、ほぼゼロ。うまい空気をいっぱい吸って、素晴らしい風景を堪能しながら、高地で心肺機能を高めるという“一石三鳥"を思い描いていましたが、そうはいきませんでした。視界を遮った濃いガスの向こうにはどんな光景が広がっていたのか・・・、いずれ再訪しないと気持ちが収まらなくなりました。


暴風雨の水晶岳で咲くイワギキョウ

※KNBニュースエブリィの火曜日コーナー「旬景とやま」10周年を記念した“フォトブック旬景とやま"が10月に出版されます。これは濱谷カメラマンが撮影した映像を写真として切り取ってまとめたものです。この中には、今回、私が見られなかった黒部五郎岳からの眺望が掲載されます!

※現在、山の第3弾として、"称名滝~室堂往復30kmトレラン"を準備中です。室堂では、何と"あの人"が・・・!
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